ドキュメント パナソニック人事抗争史 (講談社+α文庫)

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  • 講談社 (2016年4月21日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (272ページ) / ISBN・EAN: 9784062816694

作品紹介・あらすじ

なぜあいつが役員に?なぜあの男が社長なんだ?人事がおかしくなるとき、会社もおかしくなる。巨艦パナソニックの凋落の原因も、実は人事抗争にあった。会社の命運を握るトップ人事は、なぜねじ曲げられたのか。誰がどう間違えたのか。元役員たちの実名証言によって、名門・松下電器の裏面史がいま明らかになる!上司の出世争いに辟易するサラリーマン必読です。


なぜあいつが役員に?
なぜあの男が社長なんだ?

人事がおかしくなるとき、会社もおかしくなる。
巨艦パナソニックの凋落の原因も、実は人事抗争にあった。
会社の命運を握るトップ人事は、なぜねじ曲げられたのか。
誰がどう間違えたのか。
元役員たちの実名証言によって、名門・松下電器の裏面史がいま明らかになる!

上司の出世争いに辟易するサラリーマンの共感を得たベストセラーが、早くも文庫化!

みんなの感想まとめ

人事抗争が企業の命運を左右する様子を描いたこの作品は、パナソニックの凋落の背景に迫ります。著者は、創業者の遺産を受け継いだ後継者たちが直面する難しさや、優秀な人材が必ずしもリーダーに適していないという...

感想・レビュー・書評

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  • 同著者の松下幸之助に関して深掘りした著作の次に読んだ。パナソニックにおける人事に着目し、2代目以降の凋落ぶりが詳細な取材を元に記載されている。

    一言で言えば、創業は易く守成は難しということになるものの、本当に後継者を育てるというのは難しいなと感じた。

    2代目以降は基本的に創業者の遺産を引き継ぎ、それを持続し、さらに発展させていくプロセスになるので、保守的になるのは致し方ない。しかし、結果的に現状維持に陥ったり、院生を敷かれて雇われ社長になったりと、非常に難しい。

    組織の中で優秀な人材が、必ずしもリーダーの器たりえるかとは言えないところにジレンマがあるんだろうなと感じる。

  • パナソニックの社長が松下幸之助から津賀一宏まで特に人間関係の面からどのような経緯で選ばれてきたのか、またそれぞれの社長の功績(書かれてある内容は失敗が多いが)がどのようなものかを取材をもとにまとめられた本。

    どこまでが本当の話なのか信憑性が怪しい部分もあるが、本を読む限りは話に説得力があり、こういう面もあるのかなと思わせてくれる。

    この本が説明する限りでは、パナソニックの現在の没落は大きく以下の2点が原因となっている
    ・特に会長になってからの松下正治の暗躍。特に森下洋一によるユニバーサル売却を影から操ったこと
    ・中村邦夫によるプラズマテレビへの異常な投資

    読み物としては非常に読みやすく、楽しく読ませてくれる一冊。

  • パナソニック没落の歴史

  • フィクションのようだったーいやーほんとこうなるんだな、会社って。やんや言うのは簡単だけどじゃあ私はどうしたらいいか。

  • 丁寧な調査・分析で練り上げられた内容。
    トップが会社の命運を握ることが痛切に語られている。

  • くだらない出世争いが無ければパナソニックは今も世界的な企業となっていたかも。映画テーマパーク構想、DVD規格の独占、コンテンツ配信など先進的なアイデアが悉く潰れていく様、低落していく様がよく分かる。

  • これほどの人事抗争が続いていたとは知らなかった。松下電器は、松下幸之助の会社だった、創業者があまりにも偉大すぎて、だれもうまく引き継げなかった。そして今に至る。
    これだけ歴代のトップが迷走しても、未だに日本の大企業として君臨できているのは、現場の頑張り、底力なのかもしれない。
    いつか、社員も関係者もユーザーも、皆を幸せにできる会社に戻る日が来ればと思う。

  • 鯛は頭から腐る。
    松下正治氏のことを書いたと言われる"秘密な事情"は興味がある。
    有名な創業者は知っているが、その後の内部事情は知らなかった。興味深い。

  • これだけ巨大な企業やったらありがちなんやろうけど...それにしても酷い

  • 経営陣の個人的な感情や人間関係のこじれから、大企業が機能不全に陥っていく様が描かれている。
    鯛は頭から腐る。

  • リアル。

    後継問題で権力争いがあり、パナソニックは失速した。
    娘婿の正治がかなり絡んでるな。。

    前半のMCA買収話にもあったが、当時日本企業の勢いが凄かったんだろうな..
    MCA企業買収で、ネットフリックス が日本から生まれていたかもしれない。しかし権力争いなどでうまく行かずチームも左遷など。

    最近読んだ二次大戦以降の終身雇用、アメリカと日本の解雇規制の話や、プロ経営者の話と相まって、日本の企業がこのネット時代、変化な時代に伸びない理由が分かってきた..

  • ドキュメント
    パナソニック人事抗争史

    著 者 岩瀬達哉
    2015年4月1日発行
    講談社

    「結局、誰があほやったん?」
    パナソニックで働いている人、仕事で関わっている人に、この本を読んだと言うと、大体こう聞かれる。恐らく私がその立場であっても聞くだろう。関西では、良くも悪くもパナソニックと関わっている人が多く、気になる存在なのである。やっと図書館で借りられた。

    *以下は私の個人的見解ではなく、この本の要約です。念のため。

    さすがに「あほ」とは書かれていないが、最初の×印は二代目社長松下正治につくようだ。続く、山下、谷井は○、そして森下が“二重×”、中村、大坪も×のようである。

    正治は創業者幸之助の娘婿。昔でいうなら婿養子。小学校出で大成功したが、やはり管理能力は東大が一番だと考えて婿養子にした、と大学の経営学で習った覚えがあるが、そんな東大出の婿養子にすべてを任せ、自らは相談役となって3年ほどたった1980年、「山の上ホテル事件」が起きて幸之助は激怒、正治会長を切る決断をした。そして、22人抜きで平取から社長に抜擢された山下三代目社長を呼び出し、ポケットマネーで50億円用意したからそれを正治にやり、経営から外せ、と命じた。

    ところが、松下家以外から初めて出た社長の山下は、非常に優秀であったが、ただ一点、「正治外し」にだけは逃げ腰だった。筆者は、創業家に対する遠慮や自分を引き上げてくれた正治に対する恩義があったのだろうと推測している。
    一方、幸之助は「山の上ホテル」以前から、正治を見限っていたようだ。73年、正治に社長職を譲る際、当時の労働組合委員長(彼は後に組合出身として最高位である常務になった)に報告する際、彼から反対され「失敗する」と忠告されて納得したものの、「分かっているが、うちは女が強いんや」と、妻や娘(正治の妻)が正治外しに反対していることを理由に挙げた。

    正治に鈴を付けにいったのは、四代目谷井社長だ。谷井はいろいろな改革を行い、山下から言われた正治外しを面と向かって行った。怒った正治は会長職でありながら職権を誇示し、谷井の改革に対して次々と反対していった。どうにもならなくなって山下を頼っても、山下は「気に入らなければやめたらいい」と対正治のことについては相変わらず逃げ腰。キレた谷井は社長を辞めてしまった。その際犯した最大の失敗は、五代目社長に森下を選んでしまったことだと筆者は書いている。

    森下は関学からバレーボールの選手として実業団の松下に入った。スポーツで入ったことなどで遠慮があり、上に対して気を使う、きれいな言葉でいうなら「調整型」の人間として出世を遂げていった。正治がゴルフをする際に途中で必ず食べる大福餅がちゃんと準備されているかどうかを気遣う、そんな人間だったらしい。谷井は経営危機のつなぎ役として彼を選んだようだ。

    正治の忠実なるぽちだった森下社長は、谷井の改革を次々と撤回し、しかも、テレビ事業のメインを時代遅れと思われていたブラウン管に集中した。ところが、室内照明の映り込みが少ない平面ブラウン管の開発がソニーに遅れを取ってもたつく。さらに、森下路線を継承した六代目の中村社長は液晶かプラズマかの選択で、ブラウン管技術を応用しやすいプラズマを選んでしまって、これまた結果的に失敗。続く七代目大坪社長もパナソニックを立ち直らせることが出来ずじまいだった。

    もちろん、こうした社長の人事問題だけでパナソニックが落ちていったのではない。ナショナルリース事件(ミナミの料亭の女将に貸し付けたお金の焦げ付き)や、冷蔵庫事件、洗濯機の騒音事件、アメリカの映画会社MCA買収と安値での売却など、会社を揺るがす大きな事件もあって今日のような事態になっている。大阪は三洋電機の消滅、シャープ存亡の危機と、家電やエレクトロニクスがピンチ。ところが、パナソニックといういわば別格の、超安定、巨大企業の落日が、意外にも一見幼稚な経営者人事がその大きな原因だとは、実に興味深い話である。

  • 結局経営は人がやること、松下幸之助でさえ、妻に対してモノがいえなかった。そして経営がコトの正しさではなく人の情念を見ては顧客価値が濁り、理念から外れていくということがよくわかる事例。

  • 読み終わりました。

  • 松下幸之助が相談役へと退いて以降のトップ人事と、その人事によって行われてきた経営の流れと空気感を伝えるドキュメント。

    巨大企業かつ40年ほどの歴史を紐解く作業は大変だったと思うが、地道な取材によってその片鱗が垣間見れる作品。

    人物像に対する解釈等をそのまま信じることは当然できないが、そのような意見が多かったのだということもまた一つの事実として存在する。

  • ちょっとのズレがその後の大きな爪痕になったと言えよう。また数年するとこの評価も変わるのかな?

  • ジャック・ウェルチにしてもスティーブ・ジョブズにしてもイーロン・マスクにしても、そして我が国代表、松下幸之助にしても、経営者はカリスマとして語られ賞賛され誹謗され神なき時代の伝説になっていきますが、彼らが神話化されればされるだけ、その後を継ぐ者の矮小さは避けられないのが必然だと思います。この本は偉大な経営者の後を継ぐものたちの権力闘争とも言えないような感情的ないざこざが会社を危険な水域にまで追い込んでいか過程を赤裸々に描いていく情けないレポートです。登場人物はあまりに嫉妬と無責任にまみれたおっさん達ばっかなので会社帰りの居酒屋トークの延長線として楽しめました。そもそもの原因も松下幸之助が家庭の問題を会社に持ち込んだものだし…(子供を会社に入社させなかった本田宗一郎と違いすぎ!)それでもダメ社長が三代続いても潰れなかった松下という会社は大したもんだ、とも思いました。シャープや三洋のこと考えると。それにしても会社の経営って難しいんですね。

  • 「ー」

    合理的な人事はない。

  • P社の内情を多少知っている側なので、まるでサスペンスを読むかのごとく非常に楽しく読ませてもらった。「出る杭は打たれる」とはよく言ったものでまさにそれだ。それが世界に名だたる企業で普遍的に行われていたのだ。よくまあ倒産しなかったものだな・・・とつくづく思う。いや、P社が危ないと言う噂は実際耳に届いていた。それはないやろ、と笑い飛ばしていたが、この本を読んでまるきりガセではないことを知った。今は8代目の社長に期待がかかる。ここで舵取りを間違うとシャープの二の舞になるぞ。なんとか持ちこたえて「世界のパナソニック」に返り咲いてほしい。国民が渇望する日本人の底力を見せてほしい。

  • 企業の盛衰は、ひとり社長の資質のみに左右されるわけではない。だが、松下電器のような創業者カリスマの会社では、カルチャーそのものが創業者の枠に閉じ込められる傾向にあり、特色のある人材は却って刎ねられていくのではないだろうか。そして内部の競争は、上位職位のものに対する対人的コミュニケーション能力だけで決するようになってしまうのだろう。

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著者プロフィール

1955年、和歌山県生まれ。ジャーナリスト。2004年、『年金大崩壊』『年金の悲劇』(ともに講談社)により講談社ノンフィクション賞を受賞。同年「文藝春秋」に掲載した「伏魔殿 社会保険庁を解体せよ」で文藝春秋読者賞を受賞。2020年『裁判官も人である 良心と組織の狭間で』(講談社)によって日本エッセイスト・クラブ賞を受賞した。
他の著書に、『われ万死に値す ドキュメント竹下登』『血族の王 松下幸之助とナショナルの世紀』(ともに新潮社)、『新聞が面白くない理由』『ドキュメント パナソニック人事抗争史』(ともに講談社)などがある。

「2021年 『キツネ目 グリコ森永事件全真相』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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