ドキュメント パナソニック人事抗争史 (講談社+α文庫)

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  • 講談社
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  • Amazon.co.jp ・本 (272ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062816694

感想・レビュー・書評

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  • 読み終わりました。

  • 松下幸之助が相談役へと退いて以降のトップ人事と、その人事によって行われてきた経営の流れと空気感を伝えるドキュメント。

    巨大企業かつ40年ほどの歴史を紐解く作業は大変だったと思うが、地道な取材によってその片鱗が垣間見れる作品。

    人物像に対する解釈等をそのまま信じることは当然できないが、そのような意見が多かったのだということもまた一つの事実として存在する。

  • ちょっとのズレがその後の大きな爪痕になったと言えよう。また数年するとこの評価も変わるのかな?

  • ジャック・ウェルチにしてもスティーブ・ジョブズにしてもイーロン・マスクにしても、そして我が国代表、松下幸之助にしても、経営者はカリスマとして語られ賞賛され誹謗され神なき時代の伝説になっていきますが、彼らが神話化されればされるだけ、その後を継ぐ者の矮小さは避けられないのが必然だと思います。この本は偉大な経営者の後を継ぐものたちの権力闘争とも言えないような感情的ないざこざが会社を危険な水域にまで追い込んでいか過程を赤裸々に描いていく情けないレポートです。登場人物はあまりに嫉妬と無責任にまみれたおっさん達ばっかなので会社帰りの居酒屋トークの延長線として楽しめました。そもそもの原因も松下幸之助が家庭の問題を会社に持ち込んだものだし…(子供を会社に入社させなかった本田宗一郎と違いすぎ!)それでもダメ社長が三代続いても潰れなかった松下という会社は大したもんだ、とも思いました。シャープや三洋のこと考えると。それにしても会社の経営って難しいんですね。

  • 「ー」

    合理的な人事はない。

  • P社の内情を多少知っている側なので、まるでサスペンスを読むかのごとく非常に楽しく読ませてもらった。「出る杭は打たれる」とはよく言ったものでまさにそれだ。それが世界に名だたる企業で普遍的に行われていたのだ。よくまあ倒産しなかったものだな・・・とつくづく思う。いや、P社が危ないと言う噂は実際耳に届いていた。それはないやろ、と笑い飛ばしていたが、この本を読んでまるきりガセではないことを知った。今は8代目の社長に期待がかかる。ここで舵取りを間違うとシャープの二の舞になるぞ。なんとか持ちこたえて「世界のパナソニック」に返り咲いてほしい。国民が渇望する日本人の底力を見せてほしい。

  • 企業の盛衰は、ひとり社長の資質のみに左右されるわけではない。だが、松下電器のような創業者カリスマの会社では、カルチャーそのものが創業者の枠に閉じ込められる傾向にあり、特色のある人材は却って刎ねられていくのではないだろうか。そして内部の競争は、上位職位のものに対する対人的コミュニケーション能力だけで決するようになってしまうのだろう。

  • 創業家の人事への隠然たる影響力、実力者を排除してイエスマンを抜擢した情実人事、人事権を振りかざした恐怖政治、ビジョンなき誤った経営判断、等々。経営陣がこれだけボロボロなら、いかなパナソニックでもあっという間に凋落してしまうよなぁ。それにしても、苦心して買収したMCAをビジネスに生かせずにアッサリと叩き売ってしまったのは余りにも残念。
    経営センス・実力のないイエスマンが、巡り合わせでトップの座に着いてしまうことの怖さ。感情的な対立から闇雲に前任者の路線を全否定してしまうトップの愚かさ。決して他人事ではないな。

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著者プロフィール

1955年、和歌山県生まれ。ジャーナリスト。2004年、『年金大崩壊』『年金の悲劇』(ともに講談社)により講談社ノンフィクション賞を受賞。同年「文藝春秋」に掲載した「伏魔殿 社会保険庁を解体せよ」で文藝春秋読者賞を受賞。2020年『裁判官も人である 良心と組織の狭間で』(講談社)によって日本エッセイスト・クラブ賞を受賞した。
他の著書に、『われ万死に値す ドキュメント竹下登』『血族の王 松下幸之助とナショナルの世紀』(ともに新潮社)、『新聞が面白くない理由』『ドキュメント パナソニック人事抗争史』(ともに講談社)などがある。

「2021年 『キツネ目 グリコ森永事件全真相』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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