奪われざるもの SONY「リストラ部屋」で見た夢 (講談社+α文庫)
- 講談社 (2016年5月20日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (320ページ)
- / ISBN・EAN: 9784062816731
作品紹介・あらすじ
17年間で都合6度、目標削減数8万人の未曾有のリストラを進めたソニー。
その時、無辜(むこ)の会社員はどう生きたか。
元海外営業マンは「公園居酒屋」で団結し、エンジニアはリストラ部屋でもモノ作りを続け、現場の女性は徹底的に抗った。そして、多くがソニーDNAを新たな場所で芽吹かせようと散っていった。
リストラ部屋の人々がすべて実名で語る。嘆くな、前を向け、と。
『しんがり 山一證券 最後の12人』で感動を呼んだ著者の最新作を早くも文庫化!
感想・レビュー・書評
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ソニーのリストラ部屋を追ったノンフィクションです。読んでいて辛い話も多かったですが、大企業というのは、こういうものなのだと実態がよく理解できる話でした。
ソニーを辞めても他の会社で活躍する人も多く、やはり、企業にしがみつくようになってはダメなんだなぁと思いました。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
いずこも同じ
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会社が人生の全てではない。
自分がどう生きたいかと会社で何がしたいか、が合致すれば、幸せだと言える。 -
2023.08.13
本書は2015年に刊行されている。
ソニーのリストラを手酷く批判している。
ちなみに、2015年8月1日と2023年8月1日の株価は次のとおり。
2015 3162円
2023 13480円
このように、世の中はリストラを「当たり前」のものとして受け入れて、ソニーの「世間」の「評判」は上々である。
こういった本は、風雪に耐えうるかどうか、そもそも耐える必要があるのか、ないのかを考えさせられる。
その時のムードを示すためにはそのときに出版できて売れれば良いのだろうか?
誰かに教えてほしいとつくづく思う。 -
ソニーという大ブランドの中のリストラ。ビジネス本で中身はさほど濃くはないが、ドキュメンタリーとしては学ぶとこもある。
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一時期Sonyが混迷していた理由がよく分かった。やはり他社と差別化するための人材、技術、そして組織風土を大切にしないといけないということか。
組織に縛られず自力をつけていく必要性を強く感じさせられる一冊。 -
しんがりが面白かったので。
文章は読みやすいが、個人体験の羅列で全体的なメッセージが読み取りづらく、ストーリーも感じられなかった。 -
リストラをするにしてもソニーはスケールが違う、と思った。
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Amazonのレビューには「本書を読んでソニー製品を買う気が無くなった」という意見も見られる。確かにショッキングな内容であるため、そう思う人もいるだろうが、どうするかはその人の好きにすればいいと思う。
著者である清武氏は、別のことで話題になった人だが、元は記者であるため、文章は上手い。それは『しんがり』でも感じたことだ。また記者らしく、当事者に対して入念な取材を行った上で、淡々と記述している。
惜しいのは経営側の声が無いことだ。切られる側、切る側双方の視点が必要だったと思われる。また、このような状況でも、残って第一線で仕事を人は確実にいるわけで、そうした人たちの声も必要だった。そうすることで、追われる者、追う者、変わらない者の比較ができ、問題の本質を理解できる。そこが少し残念だった。こういう状況下でも新たなプロジェクトが立ち上げられ、かたちになっている。「Just ear」は2013年から始まっているそうだが、普通の大企業であればまずやらないだろう。
本書から、井深大と盛田昭夫がいまだに大きな存在であることが読み取れる。ただ今の時代、この二人のやり方が上手くいくとは限らない。本書でいうと「失敗」なのかもしれないが、出井氏以降のトップはいかにレガシーから現在市場へ適応させるかを考えていたのだろう。 -
企業の理念と逆行する事は衰退を意味する。