アマゾンのロングテールは、二度笑う 「50年勝ち組企業」をつくる8つの戦略 (講談社BIZ)
- 講談社 (2006年10月19日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (254ページ)
- / ISBN・EAN: 9784062820318
感想・レビュー・書評
-
これも元BCGのコンサルタントの方が書いた本。とにかくおもしろいので、気になる方は詳細はぜひ読んでいただきたい。
過去にご講演を1度聞いたこともあるが、お話もおもしろいが本もおもしろい。
企業の寿命は30年。この寿命時期に40歳くらいの社員が一番割を食う。というのは、転職市場で相手にされない年齢だからだ。よほどのスキルがなければ、35歳が転職市場では上限とのこと。
それなので、35歳以上になった人間は、会社の寿命を長くするための「戦略力」を養う必要がある。
そうではなく、必死に語学力を磨いている人や、(部下の)人心掌握術の本を読み漁っている人間のことを「泥船のダンディ」と表現している。会社が傾きかけ始めた中で、いくら語学力を持っていたり、人心掌握をできても意味がないということだ。もちろんそのスキルを持っているに越したことはないんだろうが…。
という背景で、どのようにして自分の会社を「生き残らせる戦略」を立案する力を養おうかというテーマの本。成功した企業、失敗した大企業のケースを紹介している。いわゆる戦略系のフレームワークを使用しない解説で、頭のいい体操になる一冊だ。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
アマゾンに限らずいくつかの企業を例に出した経営戦略の本です。この手の本は巷にあふれているのですが、非常にわかりやすくおもしろく書かれていたので5つ星としました。著者はコンサルの方なのですが、コンサル特融のカタカナ語をほとんど使わず平易な言葉で説明している点に好感が持てます。
一番心に残ったことは著者が強調されているように「戦略とは土俵の選び方である」ということです。その視点からソニーやセブンアンドアイホールディングスの苦境について説明されています。ただ、この2社に限らず、現在の日本のミドル層を対象にした日本企業のビジネスモデルの大半が近いうちに外資企業にシェアを奪われるのではないでしょうか。
特に日本の大企業に対して、土俵を変えるリスクを取ることを促しているように感じました。 -
本を読むのは好きです。
でも、ビジネス書はあまり読まない。
『○○力』『なぜ○○は△△するのか?』など、ブームでもあるのか、そのノウハウなどを書いている本はたくさんあります。
なぜなら、「こうすればあなたも○○できるようになります」「○○するにはこうしなさい」というキャッチはあまり好きではない。
そういった事は、事例や経験から自らで学んで行く事だと思うのです。
昔、雑誌の内容で「時間短縮術」や「明日からトップ営業マンになれる方法」などという記事が多くありました。
確かに参考にはなるのかもしれません。
でも参考になるだけだと思っています。
この手の本は読んだだけで、時間が短縮できた気持ちになってしまったり、明日から一分の隙のない営業マンになったつもりになってしまう危うさがあります。
誰かがひとつの方法で上手くいったからといって、それを真似して上手くいくとは限らない。
浪人時代に予備校の先生が言っていました。
「『勉強は朝やる方が効率がいい』と言うけど自分は朝が苦手で起きれません。どうしたらいいですか?」
と質問にきた生徒がいたそうです。
その先生は即座にこう答えた。
「じゃあ、夜やれ。真面目にやれば朝でも昼でも夜でも関係ない。できる時はいつでも勉強しろ。」
生物学や脳科学などの視点に立てば、論理上は朝が良いのかもしれません。
でも、ひとは機械ではない。
得て不得手はあるのです。
いまの世の中は考える事が少なくなっている気がします。
行き届いたサービスに分かり易いマニュアル。
さらにはインターネットが考えるより早く、答えを教えてくれる事もあります。
「便利」の代償として何か犠牲を伴っている気がしてなりません。
前置きが長くなりましたが、本書の内容は一言で書くならば「どうすれば事業を成功させられるか?」といったアイディアが書かれています。
前述のように普段なら読まないのですが、たまたま会社のマガジンラック(昨日までその存在すら知らなかった・・・)に置いてあったので借りてみました。
どこの会社がどんな戦略を取り、どんな失敗をしたか?どんな成功をしたかという視点から書かれているので、手法の押し付け感がなく好感的。
雑誌名で書くなら「日経アソシエ」的ではなく、「日経ビジネス」的。
大企業で数的有利であれば"差別化ではなく同質化"など、なるほどと思えるネタもありちょっと頭の体操をした感じです。 -
ロングテールの説明。アマゾンや他メーカーの動向がわかりやすく解説されていた。
-
経営戦略について平易に書かれた良書。肝は「土俵の選び方こそが、戦略にとって最も重要なこと」つまり、自分の得意な土俵で戦い、足場は常に固めておくこと。
-
読みやすいが、そこまで読み応えはなかった。
一般向け -
少し古い本ではありますが、様々な企業の収益モデルのケーススタディがかかれ、ヒントが多い1冊でした。
-
進む業界でめちゃくちゃ優秀とか、不利な土俵を選んでしまう悲劇など、わかりやすい表現で書かれたビジネス論。
ただし、同様のジャンル『偶然と必然の方程式 仕事に役立つデータサイエンス入門』ほど、一般化できる話ではない。
また、表題にあるAmazonのビジネスモデルは、2013年以降はむしろ電子書籍出版にシフトしているため、「過去の例題」としての意味が強くなっている。
キャリア幻想用の書籍。AmazonのKDPで遊ぶ人には、まったくこれっぽっちも関係ない内容。 -
企業(あるいは事業)の寿命が30年だとしたら、会社に勢いがあるときに入社した新卒は、40歳というにっちもさっちもいかない年齢で企業の寿命が燃え尽きる。
それを見据えて、若いうちから転職であったりよほどの特殊な技術を獲得を目指すという方策もあるが、本書ではさまざまなビジネスモデルとそれを裏打ちする理屈を紹介することで、沈みかけの泥舟を復活させる方法を論じている。
"簡単にいえば、一流の仕立て屋が行程を省いて作ったスーツよりも、青山が総力を挙げて作ったスーツの方が優れていたのです。" p.106 -
百年コンサルティング鈴木さんの著書。
30年と言われる企業・事業の寿命をどのようにして延ばすのか、企業が永続するために有効な経営戦略のパターンを松下電器やアマゾンといった著名な企業のケースを元に紹介してくれる。
「土俵の選び方こそ戦略の最重要事項である」というトップメッセージにそって、同質化、差別化、ブルーオーシャンといった基本的な戦略論がわかりやすく書かれており読みやすい。
勤続年数がある程度ある上級ビジネスパーソンに必要なのは企業自体を存続させる戦略力とのこと。肝に銘じたい。