パワーコンセプトの技術 (講談社BIZ)

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  • 講談社
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  • Amazon.co.jp ・本 (238ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062820400

感想・レビュー・書評

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  • 素材(断片的な主張群)はいいものがあるけれど、煮込みの足りないカレーのような印象。この手の本が初めてなら、読みやすいので選んでも悪くない。

    煮込みの不足感の原因は、皮肉なことではあるが、簡単にしすぎたロジックの小ささにあると思う。

    取り上げた事例を説明するのに、
     価値=形態×意味(3種のベネフィット)
    では小さすぎる。
    様々な事例をこの枠組み押し込もうとして、かえって無理が生じているところが、少し残念。

  • コンセプトについて書かれた本。

    具体例も出ていて分かりやすい。
    図解もされていて理解しやすい。

    なのに、
    もうひとつ自分の中に入ってこない。
    おそらく、私の勉強不足なのだろう。

    でも、コンセプトはよく考えて作られているのだという事はわかった。
    仕方ないが、例が古くて、懐かしさを感じる。

  • 何となく分かってはいたけど、
    図にすると、言葉にすると
    こうなるのかーという感じ。

  • ブランディングについて学びたくて読んだ本。
    コンセプト=意味+形態であるという筆者の主張に従い、展開されていく。
    そして従来の物と異なる意味を生み出しそれを変換する事で産み出された形態をパワーコンセプトという。
    パワーコンセプトを考える際にはまず、その異なる意味(機能的・情緒的・感情的)を設計し、そこから変換する事で新たな形態を産み出す。
    その意味を産み出す発想法として7つの方法を紹介し、形態への変換のためにセラピー発想法、レトリック発想法を提案している。
    読みやすくまとまっており、1日で読める。後は実践に役立てるのをどうするかと。。。

  • あんまし。

  • Spend the time making the concept great, not the execution.
    コンセプトとは、生活者のものの見方が変わり、それによって新たな購買を発生させる=パーセプション(知覚)の変容を起こさせる一言のメッセージ。新たな観点で現実を切り取り、観点の変化をもたらすもの

    犬という言葉が価値を持つためには、イメージ映像(形態)と概念(意味)が必要
    ソシュールは、この両方があるものを記号と呼び、それに価値があるとした
    つまり、価値とは、形態と意味の両方を持っていることが必要

    商品には意味と形態という二元性があり、その両方を持つものに価値がある

    意味論 物的記号としての直接的意味(表示義denotation) + 文化的記号としての秘められた比喩的(共示義connotation)
    ex. バッグそれ自体とそれを所有することの意味
    内包された意味=情報的内包(社会的に同意された非個人的意味)+感化的内包(それが引き起こす個人的感情の雰囲気)
    ex. 感化的内包=骨董屋の古めかしい言葉遣い

    形態(意味を変換して作る目に見えるもの全て=コンセプト、パッケージ、デザイン、ネーミング、キャッチフレーズ、分量、内容物、価格..) + 意味(機能的、情緒的、精神的ベネフィット) = 価値(商品)

    意味 → コード変換 → 形態
    結婚したい気持ち(意味) →結婚して下さい(無変換=コンセプトでない)
    ダイヤモンドの指輪を渡す(変換)、俺の子供を産んでくれ(変換)、一生一緒にいてくれ(変換)=コンセプト

    コンセプトの設計 = 新しい意味の設計 + それを変換すること   
    コンセプトをつくろうと思うのなら、対象カテゴリーには存在しない、新しい観点で切り取ることが必要
    字義的で正常な形態、つまり、考えていることを文字通りの正常な形態に置き換えるよりも、歪曲されて変換された形態に置き換えるほうが、心的躍動感が大きくなる
    ex. とても色の白い子を、そのまま「色白だね」というのと、変換させて「君は雪のようだね」というのと、もっと変換させて「君は蛍光灯のようだね」というのとでは心的躍動感がまるで違う。同じ色が白いということでも、蛍光灯に喩えると意味から形態への変換の振幅の幅が大きいので、相手のパーセプションを大きく変えることができる。心的躍動感を意識的に作る。 ex. 君の瞳は一万ボルト       
    コンセプトの作成手順
    当該カテゴリーの新しい意味を探る。新しい意味とは、消費者が潜在的に欲求していること
    潜在的な欲求をウォンツ、顕在的な欲求をニーズ
    ウォンツを探る能力=インサイト
    コンセプトとは、
    消費者のウォンツを鋭くインサイトし、そのウォンツを形態として表出化する。その過程で消費者のパーセプションを変容させ、気づきを起こさせるもの
    ①新しい意味を設計し、②それをコード変換すること
    ex. ウォンツ:品質のいいビール → ビールは鮮度(スーパードライ)
      ウォンツ:やせる飲料 → 脂肪が燃えるお茶(ヘルシア緑茶)
      ウォンツ:大量に音楽を運べる → 小型ハードディスク(i-pod)

    形態 < 意味
    意味とは、ベネフィットの集合体
    意味を構成する3つのベネフィット
    ①機能的ベネフィット → 情緒的ベネフィット → 精神的ベネフィット
    ②機能的ベネフィット:商品の機能からくるベネフィット(扇風機=涼しい)
    ③情緒的ベネフィット:所有や利用の結果、短期的に消費者が受ける気持ちの面でのベネフィット(涼しいので「心地いい」、冬ならば「(寒くて)居心地が悪い」)
    *機能的ベネフィットは機能から得られるベネフィットなので一義だが、情緒的ベネフィットは気持ちの問題なので、環境に依存=多義的。
    精神的ベネフィット:中長期的に情緒的ベネフィットを期待できることによって得られるベネフィット

    新しい意味の設計方法(オズボーンのチェックリストを応用)
    ①エクステンション ヒット商品のヒット要因の年齢をずらして、ずらしたヒット要因から形態を作る(転用・応用)
    ex. ポッキー → 大人のより甘くないポッキー、クラッシュポッキー。子供のもっと甘いポッキー、つぶ苺ポッキー
    ②トランスファー ヒット要因を横にずらし、そこから形態を発想する方法(女性にヒットしている要因を男性に、人間にヒットしている要因をペットに、海外や地方でヒットしている要因をあてはめる..)(転用・応用・変更・代用)
    ex. 漢字Tシャツ 
    ③マトリックス あるヒット要因と他のヒット要因を掛け合わせて、そこから形態を発想する(結合)
    ex. SNSのヒット要因:ネット上に仲間を作れる × 日記のヒット要因:自分の足跡を残せる = ミクシー
    ④モホロジカル 発想しようと思うものの属性を複数並べ、その属性の可能性をできるだけ考慮し、属性と属性の可能性を掛け合わせて、すべての組み合わせをしらみつぶしにアイデア化する発想法
    ex. スーパー銭湯、プリンター複合機
    ⑤主流傍流法 主流市場の傍流には必ず大きな市場があるとして、主流市場でヒットしている商品のヒット要因を傍流にずらし、そこから形態を発想する方法(転用・応用)
    ex. 洗濯機のヒット要因:衣服を自動できれいにできる→もっときれいに→着心地まで良くなる
    ⑥強制連関 関連性の乏しいヒット要因同士を意識的に掛け合わせて、そこから形態を発想する(逆転・結合)
    ex. マンガ喫茶、ラーメンライス
    ⑦マイナーチェンジ ヒット商品のヒット要因はそのままに形態を若干変える(応用・変更・代用・再配列)
    ex. 食べやすいカール→カールスティック、回しやすいベーゴマ→ベイブレード

    Interpret the problem using different mental process. 
    build up,eliminate,work forward,work backward,associate,generalize,compare,focus,purge(消去する),verbalize,visualize,hypothesize,define,dissect(分解する),symbolize,simulate,manipulate,transform,adapt,substitute,combine,separate, vary,repeat(ひっくり返す),multiply,invert,transpose,unify,distort,rotate,flatten,squeeze,stretch,abstract,translate,expand,reduce,exaggerate,understate

    意味の形態への変換方法
    意味から形態へのコード変換
    意味から形態をつくるときに、意識的にコード変換をすれば、形態は自然と意味からズレる
    意味→コード変換→形態
    形態=意味☓コード変換
    「目標」からいかに「コード変換」を見つけるか

    商品の「保証要因」と「促進要因」

    セラピ−発想法 商品コンセプトのような保証要因を作るコード変換法
    認知行動療法の適用
    ①選択的抽象化(経験全体を些細なことに求める) → 原因を他のものに求める ex. ヘルシア緑茶、GMO(従量制ネットサービス)
    ②迷信的思考(関係のないことに因果関係を求める) → 思考の方法を変える ex. 脳を鍛えるDSトレーニング
    ③過度の一般化(一つの出来事を一般的な結論とする) → 尺度を作る ex. ブレオ、エステー化学
    ④すべし思考(「〜しなければならない」という思考) → イメージを置き換える ex. ヘアコンタクト、生活創庫
    ⑤個人化(自分と無関係なことでも自分のことだと思う) → 自己効力(できる)感を与える ex. ファブリーズ
    ⑥全か無か思考(二者択一に持ち込む思考) → 他の選択肢を与える ex. ロケーションフリー、イーアクセス(ADSL)

    レトリック発想法 促進要因を作るコード変換法
    暗黙知で感じていたことが、適切に形式知に置き換わると、そこに心的躍動感が起こる
    ①直喩 表現したい内容(意味)をそれとよく似たモノ、コトに喩えることで形態に変換する
    ex. お箸の国の人だもの、バスクリン
    ②時間転換 表現したい内容(意味)を時間をずらしたモノ、コトに喩えることで形態に変換する
    ex. 父の、あのラガー差し上げます、クルマが未来になっていく、サイバーショット
    ③誇張 表現したい内容(意味)を実際に意味するモノ、コト以上に誇張して喩えることで形態に変換する
    ex. ファイト!一発!、セメダイン
    ④隠喩(メタファー) 表現したい内容(意味)を一見それとは無関係なモノ、コト以上に誇張して喩えることで形態に変換する。いいたいことが抽象物であるときに使われるレトリック
    ex. ロレックスエクスプローラー、大人の翼、ジャガー
    ⑤矛盾 表現したい内容(意味)を相互に対立し、矛盾するようなモノ、コト以上に誇張して喩えることで形態に変換する
    ex. コクがあるのにキレがある、ワイルドバットフォーマル、無印良品、無冠の帝王
    ⑥異形 表現したい内容(意味)を奇形やグロテスクなモノ、コトに喩えることで形態に変換する
    ex. シーマン、ガングロ、史上最低の遊園地

    平静(合意感) 直喩ー時間転移ー誇張ー隠喩ー矛盾ー異形 驚き(違和感)
    驚きを作ろうとすれば違和感の危険性があり、合意感を作ろうとすれば平静との差異を作りにくい

  • なんかよくわかんないけど楽しい。

  • そもそも「パワーコンセプト」って何?ということすら立ち読みせずに、題名だけで購入するという荒業を繰り出してしまった。今、仕事の上でいろんな話を整理することが多いのですが、「具体と抽象」というレベル感を意識した思考がすごく求められます。そんな中、「抽象」というレベルでの物事の捉え方および表現力が凄く足りないんだなー、と感じており、題名に惹かれてしまったんだと思ってます。

  • 積読。

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