- Amazon.co.jp ・本 (270ページ)
- / ISBN・EAN: 9784062820646
感想・レビュー・書評
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君はなんでそんなに幸せな環境にいるのに、やりたいことをやらないんだ?
ただただ生きるために、生きていた。
自分が本気でやりたいこと、せれを本気で考えて行動してやりとげ
今も前進するひと。
やりたいことがあいまいでフラフラしている自分の人生がもったいない。
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再読ブーム
以前に大きく心に残った本などを読み直し。 -
23歳にして株式会社「マザーハウス」を起業した著者が、生い立ちから起業、そして事業が軌道に乗るまでの波瀾万丈の道のりを綴った自伝。ベストセラーになったそうで、昨年には続編『裸でも生きる2』が刊行されている。
生き方の振幅の大きさがものすごい。小学生時代に壮絶なイジメに遭い、中学では思いっきり不良に。高校では男子柔道部にまじって対等にハード・トレーニングをこなし、女子柔道でトップクラスに。その後、偏差値40の工業高校から、3ヶ月の猛勉強で慶應義塾大学に奇跡の合格。
……と、ここまででも並の人間の一生分くらい濃ゆい人生である。が、本書のメインテーマである起業への道のりはここからだ。
後半は、最貧国バングラデシュに留学してすさまじい現実を目の当たりにし、ジュート(麻)を使ったバッグを現地生産し日本で輸入販売するビジネスに挑戦していくさまが描かれる。
小柄でかわいらしい感じの著者なのに、内に秘めたパワーがものすごい。バングラデシュでたったひとり、徒手空拳でオリジナルバッグの生産にこぎつけ、現地で手痛い裏切りも経験しながら、著者は壁を一つひとつ乗り越えていく。その道のりは、副題に言うとおり「号泣戦記」と呼ぶにふさわしいものだ。
あとがき的に添えられた「エピローグ」が感動的だ。一部引用する。
《バングラデシュのみんなに比べて山ほど選択肢が広がっている私の人生の中、自分が彼らにできることはなんだろう。
それは、まず自分自身が信じる道を生きることだった。
他人にどう言われようが、他人にどう見られ評価されようが、たとえ裸になってでも自分が信じた道を歩く。
それが、バングラデシュのみんなが教えてくれたことに対する私なりの答えだ。
(中略)
自分自身が本気でやりたいこと、それが途上国で「かわいいバッグをつくる」ことだった。
目の前には、たくさんの壁がある。周りが全部敵に見える時もあるし、いつも泣いてばかり。
しかし、泣いた後に思う。失敗したって転んだって、すべてを失ったって、また私は裸になればいい。
そして、今日もバングラデシュのみんなが私に問いかける。
「君はなんでそんなに幸せな環境にいるのに、やりたいことをやらないんだ?」》
世の中には、この著者のようにすごい若者もいるのだ。読む者に勇気を与えるさわやかな好著。続編も読んでみよう。 -
モチベーションが尽きたときに読めばいいさ
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23歳で起業する強さ。波瀾万丈さに圧倒されるも、自分で道を切り開いて進んでる部分には羨ましさも感じた。
現地の人に裏切られても何度でも起き上がる意志の強さ。
私も頑張ろう。
55/100 -
まず自分自身が信じる道を生きていく
なんでそんな幸せな環境にいるのに、やりたいことをやらないのか? -
"ただただ生きるために、生きていた"
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神様に操られているような運命的な出会いとは、この本との出会いをいうのでしょうか。この本は「Mother House」という、鞄や財布を発展途上国の素材を使って現地工場で生産して販売しているお店について書かれた本です。
秋葉原を歩いている時に、感じの良いお店に魅せられて入りました。その日は数日後に中国語検定の試験を控えていて、そこで話の弾んだ店員さん(若い男の方です)に「試験に合格したら買いに来ます!」と約束しました。
試験の手応えは、筆記はともかく、苦手のリスニングは轟沈したように思いました。ところが蓋を開けてみると合格最低点を確保して合格しました。この結果を受けて私は秋葉原に行ってあの財布を買いたいを強く感じて、そのお店を再訪しました。
そこで出会ったのがこの本です、財布を購入した後にいろいろお話をしていると、創業者は若い女性で発展途上国で暮らしながらビジネスを広げているとのこと。彼女が書いた本があります、ということで紹介され、本好きの私は財布とともに購入しました。
読み始めてビックリ、それまで私の読んできた「起業成功本」は、いかに自分の目の付け所が良かったか、時流に乗れたか、決断が良かったかが、てんこ盛りに書かれています。この本もそうだろうと思ったら、いきなり彼女が学生時代に虐められたり、反動に不良になってしまったことから入るのですね。
さらにビジネスを初めて、何度も騙されたり突然の契約打ち切り、信じていた人の裏切り等、読んでいて耐えられない事ばかりが続きます。彼女はその度に号泣していますが、最後は立ち上がって成功させます。私なら、残念ですが、すぐに撤退していたでしょう。それなりの理由とそれを支持してくれる何人もの知り合いのコメントを添えて。。。
彼女の凄い所は、その状況に置かれながらも自分の信念を通します。さらに今ある成功に浸ることに飽き足らず、次の目標に向かっています。この本は私が転職をして暗中模索していた時代(2007.9)に書かれています。私が転職した同じころに、起業された山口さんの私とは桁違いの、比較にならない頑張りに尊敬しました。
以下は気になったポイントです。
・私が柔道をやめようと思った理由、1)全日本という舞台を経験してオリンピックに行けるほどでないと感じた、2)自分でやれることはやったという達成感、3)体がボロボロ(p34)
・金メダル以外は名前を覚えてもらえないと思っていた、しかし考えた後に「私の人生は私のもの」「私にしかない世界が広がっている」ことが見えた(p45)
・英語にコンプレックスはあっても、下手さを気にしている場合ではなく、やるべき業務を終わらせることが先決と割り切って、伝わればよいと思い始めて上達した(p54)
・バングラディッシュにて、貧しさは生活の至るところで人間を傷つける武器として現れた、そしてどんなに変えたくても変えられない現実があることも思い知った(p111)
・バングラディッシュのジュートは、世界の輸出量の90%を占める天然繊維、光合成の過程で綿などの5-6倍の二酸化炭素を吸収、廃棄しても完全に土に戻る(p115)
・どんな商品も「そこにしかないもの=オリジナリティ」を持った商品が勝ち残っていける(p201)
・いい生産者に出逢うのは、運に任せるのではなく、どの生産者と出会っても、二度と裏切られない「仕組み」が必要(p223)
・ジュートの生地のカラーは4つ選んだ、ナチュラル・ブラウン・オレンジ、オリーブ(p237)
2013年12月29日作成 -
山口さんの壮絶な体験に驚きと尊敬しっぱなしで読んだ。国の貧しさは金銭の問題だけではなく、心、人間性にも影響していることを教えてくれた。バングラデシュに雇用を生み出すために起業したのかと思っていたが、雇用の話は全く出てこず、バングラデシュの人たちの「生きるために生きる」に突き動かされて、ここまで行動されている。泥臭く現場に張り付かないとそんな感覚にはならないだけに、本当に強い女性なんだなと思った。
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全編を通して一見無謀だと思われる行動や大変な出来事が案外さらっと記述されており、著者はそのたびに泣くのだけれど立ち直りがめっぽう早い。信念を持つとこうも人は強くなれるのか、それとも最貧国バングラデシュという環境がそうさせるのか。平凡な日常を求めてしまう自分に喝を入れてくれる本でした。