美学vs.実利 「チーム久夛良木」対任天堂の総力戦15年史 (講談社BIZ)
- 講談社 (2008年2月22日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (334ページ)
- / ISBN・EAN: 9784062820783
作品紹介・あらすじ
技術の夢を追求する「電器屋」と、発想で夢を見させる「おもちゃ屋」。栄枯盛衰を繰り返す、激しいゲーム戦争は、ロマンと現実主義の対決だった!ゲーム王国・任天堂をプレステはいかにして切り崩したか?劣勢を挽回したDS、Wiiはなぜ生まれ得たか?日本発で世界を制した両者のゲーム機は、まったく異なる「発想」から生まれていた。久夛良木の肉声に最も接してきたジャーナリストが活写する、熾烈なゲーム戦争の「迫真の舞台裏」。
感想・レビュー・書評
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これはかなり面白かった。
メディアを通じて断片的に伝えられる
傲慢な久夛良木さんの話だけではなく
技術者としての彼の有り様がよくわかった。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
p256 丸山さんがいた時には、もうちっと違ったのに
久夛良木の言葉の多くは、技術者としての自信と、自分の製品に対する愛情によるものである。だが、それをそのまま表に出した場合、不快に感じる人もいるのは間違いない。丸山によるプロデュースがなされていた頃は、久夛良木のそうした欠点は覆い隠されていた。 -
「すげぇ、かっこいい」と思えば、多少高価でも、故障タイマーがあろうと、思い切って買っちゃおう。と高校生の頃から、数多くのソニー製品を所有してきた。
それが、最後にソニー製品を買ったのはいつだろう。と思い出せなくなっている。
本書は出版されて既に7年経つが、今だからこそ客観的に読むことができるし、ある一面からだけど、ソニー文化が感じ取れ、自分がソニー製品に熱狂し・冷めた理由も何となく納得した。
今後、ソニー本体がどうなるか?分社化された各企業がどうなるか?に興味が余計に沸いてきた。 -
すでにいくつかあるプレイステーション開発ストーリーと内容が重複する箇所もあるが、PS3のCPUであるCellの生産ラインを東芝へ売却するところまでのプレイステーションの歴史がまとめられた良書。
Many coreのプロセッサを先駆けて開発したソニー(SCE)がプロセッサ開発から離れたことが正しかったのかは、もう少し先にならないとわからないのかもしれない。 -
中央図書館で読む。中堅のフリーライタらしく、非常に読みやすい文章です。CD-ROMの選択は、見切り発車だったんですね。CD-ROMは、多くのメリットが存在します。ただし、反応速度の点で、不安があったそうです。また、ソニー側は、全てを見切っていたわけではなかったようです。これも、現場を知っているライターでなければ、書けません。
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今では任天堂万歳の世の中であるが、
その任天堂がSCEに対して辛酸をなめ続けた時代がある。
そんな時代からPS3までのSCE内部に関しての書籍である。
今やソニーの主力事業にまで成長したエンターテイメントコンピューター事業がどのように生まれて成長してきたのかが分かる素晴らしい内容。
当時のことが思い出されてなんだか懐かしい気持ちになった。
内容はかなりコンピューターの技術よりの話なので、解説はされているが知識が無い人が読むと少し理解が大変かもしれない。 -
プレステが発売されるまでのドキュメント、という感じ
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プレステ1におけるファイナルファンタジー発売の衝撃を経験した思い出がある人であればプレステの話は面白いと思う。個人的にはプレステでファイナルファンタジーが発売されると聞いてプレステをようやく購入する気持ちになった思い出がある。これは、ドラクエ3発売に匹敵するぐらいいまでも鮮明に思い出せる出来事である。