爆笑問題のニッポンの教養 哲学ということ 哲学

  • 講談社
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レビュー : 19
  • Amazon.co.jp ・本 (144ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062826020

感想・レビュー・書評

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  • こうやって活字になると、より面白さが分かります。
    というのは、ぼくが活字側にいるからなのかもしれません。
    TVを観ていても、なんか途中がすこっと抜けていたりするのです。
    TVだけじゃなくて、映画やDVDなんかの映像作品ならほぼ同様。
    勿論、sceneが丸ごとというのではなく、台詞一つとか。
    たぶん、注意力が散漫なのでしょう。

    そもそも、本を読む時にもその傾向は多分にあります。
    最初の数頁で、その作品の「拍子」を取り始めるのです。
    そして、あとはその「拍子」に乗りながら読み進めていく。
    なので、あえてずらしたような表現は、すっと読み飛ばしてしまったりします。
    細かい描写云々ではなくて、全体の雰囲気を読んでいる感覚。
    となれば当然、こう、バシッと決まった台詞以外はうろ覚えになったりです。
    それどころか、細かい状況なんかが全く頭に残ってなかったり。
    さらには、最初に「拍子」が取れない作品は読めなかったりもします。
    いろんな作品を読んだあとに読むと、するすると読めたりもするのですけれど。
    だから、海外作品を読む時には、訳者さんの質が重要になるのです。

    とんでもなく話が脱線しました。
    無理やり元に戻すと、こういう傾向だから、書籍化は有り難い。

    本書が優れているのは、脚注でしょうね。
    書籍化に当たって、こういうことに気が利くというのは素晴らしいと思います。
    そしてこの脚注、非常に気が利いています。
    多すぎず少なすぎず、必要最小限で的確に本文を支持しています。
    脚注こうあるべき、というお手本のような脚注です。

    所々に挿入される小話も巧いです。
    本文の主題に沿っていて、それでいて巧く気を逸らせるような。
    これも、小話の見本のような小話だと思います。

    とてもよく纏まっていて、気軽に読める一冊でした。
    NHKらしい安定感と、その上に積まれた「自由さ」。
    番組の面白さを活かしつつ、書籍ならではの要素も活かされています。

    野矢茂樹氏の「日常の哲学」。
    「心って何?」を主題にして、興味深い議論が読めます。
    「哲学のプロ」野矢茂樹。
    「言葉扱いのプロ」爆笑問題。
    一見すると異分野で、でも根っこのところでは繋がっている組み合わせ。
    どちらか一方だけでは出てこなかったであろう問いが、沢山出てきます。
    とりあえず、爆笑問題が羨ましい。

  • 「心って何?」これが全体的なテーマでしたね。まぁ、相変わらずの太田の反論。田中の素朴な質問。
    ちょっと小難しんですが読み終わるとなんか落ち着く内容でした。
    特に終わりにある野矢先生の感想はためになります。「哲学」というそれ自体がよくわからんものを社会で役に立てるヒントがあるかもしれません。
    哲学では日常茶飯事と言われる。
    自分の意見→批判→誠実な対応→修正・訂正→パワーアップ。
    これは全てにおいて大切なんでは無いかと思いますね。
    それに「無」にはなれない座禅と簡単に体験できる水風呂。これは一度やってみようかな(笑)

  • 心って何?→白いヘビを見て、”白い”は共通認識。”かわいい””怖い”といった見る人によって異なるものが「心」。こんなやりとりから始まります。野矢さんは言葉の意味を徹底的に考え抜くことで漠然とした概念(心とか)を分かり易い言葉で明らかにしようとする分析哲学の専門家だそうです。
    心って何でしょう?自分の心に嘘ついていつの間にかそれを本当として整理しちゃうこともありますよね?自分の本当の心だって疑わしいのに他人の心は判らなくて当然ですね。言葉って語感や意味を他人に完全には伝えきれないものです。でも思ったことが完璧に伝わってしまったらそれはそれで生き苦しいかも知れません。悪いように理解する癖は癖でしょうがないけど、やはり人の言葉から想いを汲み取って良いように解釈しあえる人間関係を築きたいものです。

    途中座禅を組みますが、かつて剣道の田村先生に教わった”黙想はまず耳を澄ませなさい。その内集中力が研ぎ澄まされます”という言葉を思い出し、久々に黙想するも未だその境地に至らない自分にトホホとなりました。

  • テレビ対談の書籍化。
    “「心って何?」と聞かれたら何と答えるか”という問いから、哲学とはどういった学問なのかを説明、或いは体験させてくれる一冊。
    哲学に興味のない方には少し読み辛いところもあるかもしれませんが、興味ある方には面白いかと思います。
    *****
    私的な感想になりますが哲学とは、言葉の持つ拘束性に一番振り回されている学問のように感じます。
    言語の束縛から外れた場所に疑問を抱き、それを解消する為に、或いは現実へ回帰する為に言語によって検証するという何とも表現し難い矛盾に近い感覚。
    それを楽しめる方には、この本は勿論、哲学自体を楽しめるかもしれません。

  • メモ:ウィトゲンシュタイン
    日本語は論理より感情を語るのに向いている

    多忙は怠惰の隠れ蓑

    懐疑論 哲学で、人間の認識力を不確実なものとし、客観的で普遍的な真理の認識の可能性を疑って、いっさいの判断を差し控える態度のこと。

    村上春樹
    新月の夜は、盲目のイルカのようにこっそりとしのびよってきた

    価値判断と事実判断

    実存哲学→私はこうして生まれてきて、いかに生きていくか
    分析哲学→自分より「世界」のあり方にベクトルが向かう

    借り物ではないオリジナルな哲学を編み出しているということ。

    考えて考えてから歩くと、アイディアが生まれること

    幸福とは狂気

    幸福は「状態」じゃない

    哲学っていうのは病気のようなもので、病気を治す。だから治った状態が普通の健康状態よりもプラスの価値があるわけじゃない

  • 内容薄い。番組で言ったことがそのまま書かれてるだけっぽいので、動画のほう見てみたいな。ニュアンスがいまいち拾えない。他の回見たことあるから、どうにか読みきっちゃったけど。

  • [ 内容 ]
    「心って何」と聞かれたらどう答えますか?
    ことばのプロ同士が激突!
    本気の水論と坐禅を通して、何をつかんだのか。

    [ 目次 ]
    プロローグ いきなり問題「心って何?」
    第1章 太田VS.野矢の哲学バトル
    第2章 ようやく、納得
    第3章 歩いて、考える
    第4章 坐禅で「無」になる
    第5章 いざ坐禅体験

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    [ 関連図書 ]


    [ 参考となる書評 ]

  • 6/23 記入

  • 内容説明
    すべてに?を突きつける「言葉の冒険」へ!「わかる」とはどういうことなのか? 「無」とはどういうことなのか? 研究室で、座禅場で、言葉のプロ同士が繰り広げたスリリングな議論を楽しんでください。

    内容(「BOOK」データベースより)
    「心って何」と聞かれたらどう答えますか?ことばのプロ同士が激突!本気の水論と坐禅を通して、何をつかんだのか。

  • これに出てくる野矢茂樹さんは、20世紀最高の哲学者と言われているウィトゲンシュタイン研究の第一人者なんだそうな。

    対話形式でも、テーマがテーマだし難しいかなあって思ったけど、杞憂でした(笑)


    『《心》ってなに?って聞かれたら何と答えるか』

    いきなりヘビィな問題。

    思考の一部?
    霊魂?
    宇宙?

    野矢さんが考える心は、【その他】だそうな。
    人それぞれで違うもの。

    たとえば犬を見て『こわい』と怯える人。『かわいい』と駆け寄る人。
    その感情の違いが、心だという。

    心とは○○であるというのは不可能に近い。
    ならば、心以外のものを定義するしかない。

    哲学とは本来学問ではなく、学問の根底にある基礎概念。
    けれど日本は、学問を輸入するときに哲学を一学問に位置づけたために、何だか重く堅苦しいものになってしまった。

    哲学者の多くは、先人たちの遺した哲学と突き詰めていくことに対して、野矢さんは日本では珍しく、オリジナルの哲学を考えているらしい。

    これぞ教養、って感じて思いのほか読みやすかった。

    けれど、一番役に立ったのは本文よりも左注でした(笑)
    あれ書いた人、天才だと思う。

    村上春樹の『ふしぎな図書室』のくだりは、読んでて納得。

    ―新月の夜は、盲目のイルカのようにこっそりと忍びよってくる。

    わからないようで、よくわかる。

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著者プロフィール

1965年5月13日、埼玉県生まれ。日本大学芸術学部演劇学科を中退後、1988年、大学の同級生の田中裕二と爆笑問題を結成。1993年度NHK新人演芸大賞、2006年、芸術選奨文部科学大臣賞受賞。主な著書に『パラレルな世紀への跳躍』(集英社文庫)、『天下御免の向こう見ず』『ヒレハレ草』『三三七拍子』(すべて幻冬舎文庫)、『トリックスターから、空へ』(新潮文庫)、『マボロシの鳥』(新潮社)、『文明の子』(ダイヤモンド社)、『憲法九条を世界遺産に』(中沢新一との共著、集英社新書)、『向田邦子の陽射し』(文春文庫)など。

「2016年 『今日も猫背で考え中』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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