- Amazon.co.jp ・本 (144ページ)
- / ISBN・EAN: 9784062826112
感想・レビュー・書評
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強いものが生き残るとは限らない。
環境に適したものが生き残るとは限らない。
クジャクは環境に不向きな、でかくて立派な羽根の雄が子孫を残す。同様に大きな角を残したオオツノジカは滅びてしまった。
進化は正しい答えの積み重ねではない。
人類のためにセックスして子どもを作る人などいるだろうか。普通は自分のためにセックスしてるだけだ。種の保存は個の行動の目的にはならない。
素数セミが生き残ったのは13年と17年周期の最小公倍数が大きかったから。
滅びるかも知れないのにヒトが地球環境を変えるのは
環境よりも利権・便利が優先されるから。
「とても重要なことは、とてもシンプル」が口癖の吉村さんとの対談。
プランクトン・パラドクス:水槽に何種類かプランクトンを入れるとすぐに弱肉強食で淘汰される。同様に小さな池では100種以上のプランクトンが共存している。何故か?解明されていない。
吉村さんは共生した方が都合が良いだけだろう。例えば情けは人の為ならず。例えば協力すれば強敵に食べられない。とかの理由ではないかと言う。
それぞれに生き残りの戦略がある。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
素数ゼミの存在から地球上に生き残れる条件は強いことや優れていることだけではなく調和という観点からも考えられるという説。なるほど。
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生態系を考えると、「弱肉強食」という言葉があるように「強さ→生き残りの条件」と考えがちである。しかし、「生存戦略」として強さ以外を選んだ「素数ゼミ」。主にその戦略について。元々TV番組のため対話形式となっており、わかりやすい。数理生態学という学問そのものも興味深い。
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素数ゼミの研究者との対談。
進化のヒントは共生にあるということがおもしろい。淘汰されずに生物が残っているのは、共生したからと考えると、利他行動がどれくらい取れるかにかかってくるかもしれない。 -
爆笑問題と数理生態学の吉村仁のTV対談?の本
内容
セミ!素数ゼミ中心に書かれています。
家まわりにいるクマゼミとはちがって、
13年、17年に一斉に出てくるそうです。
どうしてこのような周期になったのか?が分かりやすくかかれていました。
進化は、強さ、合理的だけではない、ことも書かれています。
感想
氷河期前からセミがいた!びっくり!
進化の過程で、ヘラジカは、角を大きくしたために、
頭が重くなり、敵から逃げにくくなる。
孔雀のメスは、大きく綺麗な羽根が好き。
これも、生きていくことを最優先したら?考えたくなる。
環境ホルモンの話も出てきたので勉強したくなりました。 -
[ 内容 ]
なぜ、17年、13年ごとに大発生?
「素数ゼミ」は残った。
人類は大丈夫か?
フィーフォ、フィーフォと大合唱、氷河期から生き抜いてきたのは強かったからじゃなかった。
[ 目次 ]
プロローグ 富士山の見える研究室へ
第1章 セミになりきることから始めよう
第2章 それにしても、なぜ17年?
第3章 勝ち組だけが生き残るのか
第4章 人類絶滅!?
第5章 ぼくが想うユートピア
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[ 関連図書 ]
[ 参考となる書評 ] -
13年と17年に一度しか発生しない「素数セミ」の謎についてわかりやすい内容で説明した本。素数であることにもちゃんとした意味があり、様々な環境の変化の過程で生き延びるために最適な進化をしており生命のすばらしさ・不思議さを改めて感じることができてとても面白かった。
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素数ゼミの話。この回すごくすきだった。共生の話は、後半若干置いてけぼりだったけど、テレビで見るとそうでもなかった記憶。
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アメリカで17年と13年ごとに発生する「素数ゼミ」のナゾを解明した研究者との対談をまとめた本。そのメカニズムを紹介する場面での鮮やかさに感動しました。生物は進化してすぐれたものが残るというイメージを持っていたのですが、本書に出てくる例として羽の大きな雄クジャクは雌が集まるので子孫は残しやすくなるものの、羽が大きくなりすぎると生活する上で支障が出て来ることもあるという考え方も新鮮に思えました。(2008.7.16)