本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
Amazon.co.jp ・本 (64ページ) / ISBN・EAN: 9784062830423
作品紹介・あらすじ
国際アンデルセン賞画家賞受賞インノチェンティの傑作
人が家に命を吹き込み、家が家族を見守る。家と人が織りなす100年の歳月。
100年の歳月を、ことばの世界と細密な絵の世界で融合させた傑作絵本!
1軒の古い家が自分史を語るように1900年からの歳月を繙きます。静かにそこにある家は、人々が1日1日を紡いでいき、その月日の積み重ねが100年の歴史をつくるということを伝えます。自然豊かななかで、作物を育てる人々と共にある家。幸せな結婚を、また家族の悲しみを見守る家。やがて訪れる大きな戦争に傷を受けながら生き延びる家。そうして、古い家と共に生きた大切な人の死の瞬間に、ただ黙って立ち会う家。ページをめくるごとに人間の生きる力が深く感じられる傑作絵本が、ここに……。
みんなの感想まとめ
人と家、そして時代が織りなす100年の物語が描かれています。1656年に建てられた古い家は、長い間廃屋として忘れられていましたが、1900年に子供たちによって再び命を吹き込まれます。家は人々の誕生や死...
感想・レビュー・書評
-
本書は先に読んだ「あさのあつこ特別授業『マクベス』」の巻末で、中学生に向けてあさの先生がお勧めした本の中にあったもの。『ヴェニスの商人』『秘密の花園』『人間の絆』『エルマーの冒険』などの定番に混じりこれが入っていた。正直初めて聞いた書名。「大人のための絵本」だそうです。
1656年、ペスト流行の年に建てられた「わたし(家)」は長い間ずっと廃屋になっていたけど、きのこ狩りの子供たちに発見してもらう。1900年、狐やウサギも駆け回る森の丘陵地にある古い石と漆喰でつくられた一軒家だった。
19001年、補修工事が始まった。周りの木々は倒され、屋根は丈夫に敷き治された。すぐ近くに畠も耕されている。1905年荒れ果てた段々畠に葡萄が植えられた。1915年お嫁さんがやってきた。1916年産まれた子どもが牧師さんから祝福を受ける。1918年夫が戦死した。
そして、家は建て増しされながら続いてゆく。周りの葡萄畑、麦畑、果樹の畑は豊かに実り、葡萄収穫時には20人もの人々が一挙にワインを作ってゆく。戦争時には、避難場所になった。
あさのあつこさんは言います。
一軒の家とそこに住む人々と流れていく時代。死があり誕生があり、日々の暮らしがあり、戦争があります。これは、かけがえのない何かを喪失した大人のための絵本ではないでしょうか。そして、反戦のための一冊では。独断ですが、強く思います。
70年代になると、また家は荒れ果ててしまう。
そして1999年、丘陵を活かして家は現代風に生まれ変わっていた。古い石は、僅かに壁に塗り込められていた。
多くの人々が生まれ、集い、老い、ファドアウトしていき、新たな人々が家に集まる。百年の歳月を定点観測手法で温かな細密画が、イタリアのひとつの田舎が、描かれていた。
西欧では、家は修理し、建て増して住むのが当たり前だという。日本のように家は仮の住まいではない。日本のように数十年で建て替えするのは、異例なのだろう。
その中で、人びとは誕生し労働し時代に翻弄され、交代してゆく。家の歴史は、歴史そのもの、という気がする。 -
間取り好きの観点から期待していたが、小さいカットでしか内部は見えなかった。1656年家が誕生。1900年に見つかってから1999年まで、同じ場所から誕生や死、戦争などで変わる人々の暮らしを淡々と描く。100年って長いのか短いのか。
-
2024/08/13
-
2024/08/13
-
おはようございます、しずくさん♪
画像出てきてよかったです♪
絵本は画像なしではなかなか伝わらないですよね。おはようございます、しずくさん♪
画像出てきてよかったです♪
絵本は画像なしではなかなか伝わらないですよね。2024/08/13
-
-
長田弘さんの翻訳
1656年に建てられた古い家、1900年にまた命を吹き込まれるそして100年の物語
実は、350年以上は生きている家
歴史、人の生き様を見つめ続ける家
-
人に歴史あり、家にも歴史ありということで、1900年からの約100年にわたる、イタリアのとある家の人生ならぬ、家生とも思えるような、歴史の積み重ねを見ている内に、自然と人間のそれと同じような感傷を抱くようになりました。
誰もいない荒れ果てた家に、住む人が現れ、二度の戦争を経ながら、その家族の幸せも悲しみも見つめ続けてきた半生は、その家族の歴史をありありと写し出してくれたが、やがて、その家族も去って行き、独りに戻ったときの家の姿にこそ、最も人間らしさを感じさせられ、その孤独さに共感を覚えずにはいられませんでした。
こうしてみると、人が住んでいる時の家には、何か家自身の魂というか、ある輝きを纏って見えるのも肯ける気がして、改めて、家と人間の関係性の大切さ、素晴らしさに気付かされた思いがしました。 -
ティータイムや、晩酌タイムに眺めてると癒される絵本。絵が素敵。
-
まずなんか絵が惹かれるものがある。
そこにずっと昔からあるもの、自分が知っているどんな場所や世界にも歴史があることを気づかせてくれる作品。
自分が今いる場所や世界が全てではない。
そこには色んなことを経て色んな人がいて今がある。
なんだか場所や物にさえ敬意をはらうようになれます。 -
ロベルト・インノチェンティの作品として最後に読む。「絵本画家インノチェンティ」の作品として読むなら、本作が一番読み応えがあると思った。
家が主人公の、百年の定点観測を描く。
J. パトリック・ルイス・長田弘訳の文は詩的で、インノチェンティの力を込めた絵が続く。
1900年代には二つの世界大戦があった。2000年代の百年を同じように描いたならば、どんな百年になるんだろう。
また、最後現代的な生活の批判めいた文章で終わる。ここの意味合いが私は咀嚼しきれなかった。
(引用)過ぎたるは及ばざるだ。このうえないものは、どこへ消えたのか?
けれども、つねに、わたしは、我が身に感じている。
なくなったものの本当の護り手は、日の光と、そして雨だ、と。
農作業を通して自然と共にあった生活や、強固なコミュニティと一緒に生きる生活の喪失を指しているのか?配達で運び込まれる食料と、一人一人別の方向を向いている人物描写が気になる。ただこの問いかけは絵本の流れからしてやや唐突に私には感じられた。 -
詩人の長田弘さんが訳していらっしゃる絵本なので手にとりました。1ページ1ページがとても丁寧な描写と雄弁な表現で頁をめくるのがたのしくなります。まるで人間の歴史であるかのような家の歴史の変遷を美しく絵画的な絵で表しています。お子様とお母さんで一緒に変化の発見をたのしめる絵本です。
対象年齢:読み聞かせ 3歳から ひとりよみ 5歳から -
大人にもお勧めの絵本だと思う。
一軒の古い家から語られるその時代の言葉に重味を感じる。
絵からも幸せ、悲しみだけではなく破壊、絶望、苦しみなどの負の感情も溢れ出ている。
ただ、静かにそこに百年の歴史を人々が紡いでいく様子は、壮大さも感じた。 -
-
16世紀に建てられた家がいつの間にか忘れ去られ、1900年に子供たちに見つけられた。そこから100年間の歴史を家の視点で語っている。定点観察のような構図で家やその周りの畑が栄えたり、戦争で荒れたり...見比べて変わっているところを探すのが楽しい。
-
2010年発表。
100年の家が見つめてきた人々の毎日を
詩情豊かに描いた絵本で、
2008年に小さなノーベル賞とも呼ばれる
国際アンデルセン賞を受賞した
『エリカ、奇跡のいのち』の
ロベルト・インノチェンティの新作絵本です♪
一軒の古い家が出会ってきた人々や歴史を
まるで自分史を語るように、
温かくも写実的な絵で
1900年から順に見せてくれます。
構図は常に
一定の視線から見た定点観測。
廃墟になっていた
山間にある石造りの家に人が集まり
家族が移り住むところから物語は始まり、
この家に住んだ人たちの
長い長い歴史が語られていきます。
優しい人々と共に作物を育てた
あったかい時代。
結婚があり新しい命が生まれ
そして誰かが亡くなり、
やがて大きな戦争が始まる…。
ページをめくるたびに時代が変わり、
その家に住む人々の生活も変化していく。
服装や時代の移り変わりに沿って
進化していく道具や井戸や畑の風景、家畜、自然のうつろいなど、
見るたびに新しい発見があり
飽きることなく
その美しい絵に浸っていられます。
アメリカの詩人、J.パトリック・ルイスの文を訳した
同じく詩人の長田弘さんの重厚な文章が
物語をグッと引き締めています。
人が家に命を吹き込み
家が家族を見守る。
家と人が織りなす
100年の歳月を閉じ込めたストーリーに
なぜだか涙が溢れてきました。
家とは
人がそこに住んでこそ、
生気を吹き込まれるものであり、
人が家に暮らす
普通の日々の積み重ねが
歴史を作っていくということを
あらためて教えてくれた
本当に美しい絵本です。 -
一軒の古い家をめぐる、100年の歴史。
家族、農耕、戦争と、生きていると味わういろんなできごとや感情が「家」視点で描かれています。
1つの家を長く使う、ヨーロッパの文化ならではの物語。
長田弘さんの訳と素晴らしい絵で
壮大で高尚なものを読ませていただきました。
ゴルディロックス (札幌)さんの蔵書です。 -
イタリアのある丘陵地に、石と木だけの<家>が造られた。それは1656年のペストが大流行した年だった。〝時と共に、窓ができて、わたしの目となり、人の話し声も聞こえるようになった。わたしは、様々な家族が住んで育つのを見、多くの木々が倒れるのも見た。沢山の笑い声を耳にし、沢山の銃声も耳にした。何度も嵐が来て、去って、何度も修理が繰り返されたが、結局、わたしは住む人のいない廃屋となった〟古い家を再生し必死になって生活を営む人々、二度の大戦下での生と死・・・やがて、新しい時代の息吹きが丘にこだます・・・圧倒の絵本。
-
美術館に飾られた絵画を独り占めして眺めているような、とても贅沢な気分になった。美しく繊細な絵は勿論、長田弘さんの日本語訳も美しくて静謐で絵のイメージにぴったり合っていた。大人にこそ、読んでほしい絵本。
-
古い家が1900年から2000年の歳月を語る。
静かにそこにある家は、人々を見守ってきた。
山火事で廃屋となり、また人の手が入って、結婚を、家族の悲しみを、大きな戦争。
そしてまた、人の訪れがなくなり。
精密で繊細な絵が山奥の人々の暮らしを細かく描写する。荒れ果てた山がぶどう畑になり、また朽ちて、猪たちが通り過ぎる。
人の暮らしがページをめくるたびに変化していくドキドキ。井戸が、車が、家の形も変化して。
自分が住んでいる場所にもこんな物語があるのかも、とつい外を眺める。 -
平和への祈り
戦争の悲惨さ
無常 -
月日が流れていくことの残酷さ、自然の素晴らしさを感じる。
細部まで書き込まれている絵を堪能するのは絵本の醍醐味の1つ。 -
時代を語る絵本
ながめていると時を忘れそう
自分も生命を終わらせる時には
こんな風に振り返るのかな -
とある一軒の家が主人公です。
その家に暮らす人々と、家の語り部を辿りますが、住む人によって家の様子、家の外の庭先の作物や植えるものも百人十色で面白いです。絵も細かくて綺麗で見応えアリです。
この本が好きな人におすすめの本
著者プロフィール
長田弘の作品
本棚登録 :
感想 :

Roberto Innocenti
http://www.robertoinnocenti.com
Roberto Innocenti
http://www.robertoinnocenti.com
Wikiによれば
ロベルト・インノチェンティ(Roberto Innocenti, 1940年 - )は、イタリアの画家。
(...
Wikiによれば
ロベルト・インノチェンティ(Roberto Innocenti, 1940年 - )は、イタリアの画家。
(略)
『白バラはどこに』 ガラーツ共著 長田弘訳 みすず書房 2000
(略)
『百年の家』 J・パトリック・ルイス文 長田弘訳 講談社 2010
同一人物である事がわかりました。