地下室からのふしぎな旅

  • 講談社 (2006年11月1日発売)
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Amazon.co.jp ・本 / ISBN・EAN: 9784062832076

みんなの感想まとめ

テーマは自己愛と選択の大切さで、物語は地下室から始まる不思議な旅を描いています。主人公アカネは、黒いマントの男と共に異世界へと導かれ、そこでの冒険を通じて自分自身を見つめ直すことになります。物語は、異...

感想・レビュー・書評

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  •  柏葉幸子さんのファンタジー児童文学の代表作の一つ『霧のむこうのふしぎな町』は、『ふしぎな』物語三部作の一作目にあたり、その二作目が本書になるが、物語の繋がりは全くない独立したオリジナルとなっている。

     沸点の低いキャラクターばかり登場する、しっちゃかめっちゃかな楽しさは、相変わらずの柏葉さんならではの雰囲気なんだけれど、如何せん、序盤の巻き込まれ型の展開に複雑な感があって(小学中級で土地問題はちょっと)中々物語に入り込めないのが残念ではあったが、それでも読み進めていく内にテーマとして訴えたいものは、はっきりと感じ取ることができた。

     前作とは、今いる世界から別の世界に行くという共通点はあるものの、こっちの世界とあっちの世界に人生の分かれ道を投影させているのが本書ならではの鍵だと思い、もし、過去のあそこで違う選択をしていたら、そこの私は今ここにいる私とはちょっと違うのだろうなと感じたとき、でも、そういう選択をして今ここにいる私がいちばん好きだなと、自分自身を愛することができるようになる、そうした自己愛の大切さを問いかけているのは、おそらく前作の主人公「リナ」もそうだったのだと感じられて、それは良い子になれたとかいうような能力的な問題ではなく、自分のやりたいことを素直に実行することによって、周りの人達の幸せに繋がっていくのは確かなのだということの大切さを唱えているのであり、そこには誰かが作ったルールみたいなものに必ずしも従順にならなくていい、異を唱えてもいいんだということが、また自己愛の素晴らしさに繋がっているのだと思い、それが他人を愛するには、まず自分自身を愛することから始まることの大切さにもなるのだろうと、私は思う。

  • 地下室のかべを抜けるとふしぎな旅が始まる黒いマントの男は、アカネとチィおばさんをかかえこんで、地下室のかべにむかって走り出した。ぶつかる!と思ったら、いつのまにかふしぎな国に入りこんでいた

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著者プロフィール

児童文学作家。岩手県生まれ。東北薬科大学卒業。大学在学中に講談社児童文学新人賞を受賞し、『霧のむこうのふしぎな町』でデビュー。ファンタジー作品を多く書き続けている。『牡丹さんの不思議な毎日』で産経児童出版文化賞大賞、『つづきの図書館』で小学館児童出版文化賞、『岬のマヨイガ』で野間児童文芸賞受賞、『帰命寺横町の夏』英語版でバチェルダー賞受賞など受賞歴多数。


「2023年 『トットちゃんの 15つぶの だいず』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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