ぐるぐるの図書室 (文学の扉)

  • 講談社
3.69
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本棚登録 : 452
感想 : 35
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  • Amazon.co.jp ・本 (242ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062832410

作品紹介・あらすじ

舞台は、十々年(ととね)小学校の図書室。
なにかの原因で、もやもやっとした気持ちを抱えている小学5年生たちが、彼らにだけ見える貼り紙に誘われて図書室に入ってみると、不思議な司書から、不思議な本と出会うきっかけを渡され、それぞれのラビリンスに迷い込んでしまう――。

児童文学のトップランナー5人が、ひとつのテーマ、「図書室」に挑んだ競作リレー小説、ここに完成!

「時のラビリンス」  工藤純子
「妖怪食堂は大繁盛」  廣嶋玲子
「秘境ループ」  濱野京子
「九月のサルは夢をみた」  菅野雪虫
「やり残しは本の中で」  まはら三桃

巻末には、児童文学作家となって2016年で10周年を迎える5人が、どのような本を読み、なぜ作家の道を志したのか、それぞれの「これまで」を振り返るとともに、「児童文学」というフィールドで作品を発表しつづける情熱を熱く熱く語り合った、スペシャル座談会を掲載します。

感想・レビュー・書評

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  • とある小学校の図書室で5年生の子どもたちが出会う、不思議な本たち。

    昨日のことを後悔するのぞみ。
    大嫌いなかぼちゃを食べさせるお母さんとケンカをした卓也。
    ボーイッシュな千尋と仲良くなりたい、女子力の高い男子の光。
    周りの子を「エイプ」と小馬鹿にしている現。
    本に全く興味がない樹。

    きゅっとなる胸を抱えた相手、親子、友達。
    いろんな関係と本がぐるぐると絡み合う。
    それぞれの作家さんの個性が出ていて、楽しい。

    木の葉は土に還るもの。言の葉も同じです。これはもう、多くの人の中に肥やしとなって糧となって消えた本。朽ちて形もなくなって、読んだことすら覚えていない人もいるでしょうが、その人たちの言の葉の中に、生まれ変わっているのです。

    自分の好きな本なんて、そう簡単には出合えないもの。好きな人に簡単に出会えないように。
    でも、そうやって怒りに囚われているうちに、あなたは平太郎君を見逃し、あの子を失う。

  • やり直せるから明日がある、
    作ってくれて人や食べ物に感謝を忘れない、
    全てを投げ出してでも大事な人を守る、
    頭を柔らかくして大事なものに気付くこと、

    雨に濡れて日にさらされて土に還った冬の木の葉の匂い。私も嫌いじゃない。

  • 5人の小説家の話が読めて楽しい。
    特に廣嶋玲子さんの妖怪の話が面白いです!

  • 五人の人気作家の共作。タイムリープしたり妖怪の世界に行ったりと、不思議な世界に連れて行かれる。
    五編ともそれぞれの持ち味が出てて、しかも同じようにどきどきさせられる。
    短い中でもそれぞれの子どもの世界が少しずつ変わって成長していく青春小説として読みました。

  • トークイベント 揃います!花の2006年デビュー組! ~「ぐるぐるの図書室」誕生の物語~ 山口市立図書館
    http://www.lib-yama.jp/news/news180205-3.html

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    舞台は、十々年(ととね)小学校の図書室。
    なにかの原因で、もやもやっとした気持ちを抱えている小学5年生たちが、彼らにだけ見える貼り紙に誘われて図書室に入ってみると、不思議な司書から、不思議な本と出会うきっかけを渡され、それぞれのラビリンスに迷い込んでしまう――。

    児童文学のトップランナー5人が、ひとつのテーマ、「図書室」に挑んだ競作リレー小説、ここに完成!

    「時のラビリンス」  工藤純子
    「妖怪食堂は大繁盛」  廣嶋玲子
    「秘境ループ」  濱野京子
    「九月のサルは夢をみた」  菅野雪虫
    「やり残しは本の中で」  まはら三桃

    巻末には、児童文学作家となって2016年で10周年を迎える5人が、どのような本を読み、なぜ作家の道を志したのか、それぞれの「これまで」を振り返るとともに、「児童文学」というフィールドで作品を発表しつづける情熱を熱く熱く語り合った、スペシャル座談会を掲載します。
    http://bookclub.kodansha.co.jp/product?isbn=9784062832410

  • とても面白くて本の中にいるみたいでした。

  • 司書さんのミステリアスなところが好きです!

  • めっちゃ不思議な話。ショートストーリが5つ入っている感じだけど、5つとも全部雰囲気が違うのが驚きました。繋がっているのは、図書室という場所とその人にしか読めない張り紙、あと「髪が長くて白いワンピースを着た女の人」。学校の司書でもないかもしれないのに、みんな“先生”と勘違いをして、本の紹介や捜索に付き合わされてしまいます。このキャラクターは不気味だけど…不思議な存在。
    図書室に張り紙で着た子達は、本当にごく普通の小学生って感じです。しかも本好きな子、嫌いな子さまざま。彼らが彼女と出会い、本と出合い、体験して、どこかしら成長する姿が見えます。また、5つのストーリーがすべてハッピーエンドとは限りません。著者一人一人の色が出てるし、わくわくやドキドキも違ったように感じられます。ショートストーリーなので、朝の読書の時間で1つずつ読んでいくのも良いのかもしれないです。
    最後に著者5人の対談も入っていて、デビュー10周年の作家達だったみたいです。

  • これは楽しかった♪小学校の図書室に現れる謎の司書の先生(?)と茜色の貼り紙(゜゜;)その司書さんが自分にピッタリな一冊と巡り合わせてくれる(^o^)廣嶋玲子さんとまはら三桃さんの作品しか読んだ事がなかったけれど、他の作家さんも違和感なく読めたので、最後に紹介してある本も読んでみようかな~♪

  • 児童文学作家5人による連作短編集。
    実在の図書を軸にした話かと思ったらそうではなく、不思議な図書室の司書がナビゲーターとなり、それぞれの話の主人公が不思議な体験をする。作家によってテイストが違うので、話によって好みが分かれるかも。
    第四話の『九月の猿は夢を見た』が、私には一番リアルで心に刺さった。(唯一、実在する新美南吉の童話が話に絡んでいる)この作者さんの他の作品も気になる。

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著者プロフィール

福岡県生まれ。講談社児童文学新人賞佳作『カラフルな闇』でデビュー。作品に、『青(ハル)がやってきた』、『鉄のしぶきがはねる』(坪田譲治文学賞、JBBY賞)、『たまごを持つように』 、『伝説のエンドーくん』、『思いはいのり、言葉はつばさ』『日向丘中学校カウンセラー室1・2』『零から0へ』『かがやき子ども病院トレジャーハンター』など。

「2023年 『つる子さんからの奨学金』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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