となりの火星人 (文学の扉)

著者 :
  • 講談社
4.11
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本棚登録 : 211
感想 : 16
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  • Amazon.co.jp ・本 (226ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062832496

作品紹介・あらすじ

【対象:小学校高学年以上】他人とのコミュニケーションが不得手なかえで。勉強はできないけれど、自然とまわりに人を集めてしまう湊。湊のせいで私立中学の受験に失敗したと思いこんでいる兄の聡。自分の中に「化けもの」が住んでいるからキレやすいんだと思っている和樹。マイナスの感情が心を占めると息ができなくなって叫び声をあげてしまう美咲。みんな、「困った子」なんかじゃない。「困っている子ども」なんだ。

感想・レビュー・書評

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  • 一見子供向けの作品だが、勧められて読んでみたところ、大人が呼んでも十分楽しめる作品だった。
    子供達も読んでいるので、少しでも学校生活に生かしてくれたら。

  • 人の気持ちを察することが出来ないかえで、ノンビリとマイペースな湊、体の中のモンスターが時々暴れだす和樹、“友だち”に囲まれているけど叫びたくなる美咲、受験に失敗した湊の兄・聡。

    みんな悩んでいる。けど少しずつ自分を見つけていく。

    〇どの登場人物にも優しい。みんな優しければいいのになとか、誰にでも優しく出来ればいいなと思えた。
    ぼくたちはみんな、少しずつモンスターだったり宇宙人だったりするのだろう。
    〇ちっちゃな恋がいくつか。かわいらしい。
    〇富士山登山のシーンがリアルでした。

  • 感動した話でした。かえでは静かな子ではありながら湊という友達がいます。その他にも話が進むたびに友達は増えています。是非読んでみてください。

  • 泣いた

    発達障害系(って枠組みに押し込めるのは失礼かもしれないけど)の子供たちの気持ちが代弁されてると思う。どの子もやりたくてやってるわけじゃないんだよなあ。

  •  子どもだって生きづらさを感じたり、となりの人のことなんてうまく理解できずにとまどったり悩んだり。表紙と中身のギャップにだまされる1冊。
    (一般担当/1号と2号)

  • 個性を持った子たちの、学校生活の中でのそれぞれの悩みや気持ちの変化が細やかに描かれていて、心に沁みました。

    私自身にも周囲と違う所があるのですが、小さい頃は困らなかったので、この本を読んでまだ小さい子がこんな思いをして…と涙してしまいました。
    ですがそんな私も読み終わる頃は、晴れ晴れとした気持ちになれる展開で救われました。

  • 火星は「マーズ」と呼ばれていて、ローマ神話の神マルスから名付けられた。赤く見えることから、戦火や血を連想した戦いの神の名をつけられたのだ。けれど、実際の火星は地表に酸化鉄が大量に含まれていて赤さびのような状態。石ころだらけの砂漠なのに、平均気温はマイナス55度、季節によっていはマイナス130度になる寒い惑星なのだ。
    そんな見た目のイメージと実際が違う火星が、今年、地球に大接近するという。

    水谷かえでは、頭はいいけど、人の気持ちがわからない、空気が読めないと言われる女の子。でも、他人と仲良くしたくないわけではない。友達になって、普通に人の輪に入りたい。
    同じく空気読めない倉沢湊くんは、かえでとは幼稚園からの仲良し。湊は頭は良くないけど、いつも明るく、表裏がない。他の人も、湊に癒されるし、好かれている。
    和樹はすぐキレてしまう。他の人からみたらささいな事で怒り、暴れたり、物にあたってしまう。本当はこんな乱暴な自分が嫌いだけど、どうすることもできない。大好きなお母さんに迷惑はかけたくないのに、学校に呼び出しとかされてしまう。

    学校カウンセラーの真鍋先生は、困った子なんていない、困っている子がいるのだ。その困ったことも自分の一部だから、それを受け入れて、見方を変えよう。どうすればいいか考えようと言ってくれる。

    他人から見られている自分と、本当の自分にズレがある。それは火星のように。
    そんなふうな子は火星人。

    いろんなタイプの子だ登場する。自分と同じだと感じたり、クラスに似た子がいたら、その子の気持ちを少し理解できるかもしれない。見方を変えてポジティブに一歩進んで行く姿がいい。

  • 空気が読めず友だちができない6年生のかえで
    勉強が苦手だけれど明るく素直、かえでのおさななじみ湊
    自分の中の「化けもの」とたたかう“乱暴もの”の和樹
    不安で息苦しくなると叫び出したくなる美咲
    私立中学の受験に失敗して殻にとじこもる湊の兄聡

    まわりから「困った子」と思われている子が、じつは「困っている子」なんだ

    《火星って、赤くて火の星って書くくせに、すげぇ寒いんだって。見た目と中身が違うって、だまされた感じじゃね?》

    2018年、火星大接近の年
    すべての「困っている子」に贈る火星をモチーフにしたハートウォーミングストーリー

    困っている子も、困っている子に悩む親も、教室の“あの子”が気になる教師も、新年度の出会いのこのときにぜひ読んでおきたい一冊

  • 最後の1文が1番心に残っています。
    また、難しい言葉が無かったので読みやすかったです。

  • 子ども目線でみたスクールカウンセラーのありようが,とても伝わってくる…

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著者プロフィール

『セカイの空がみえるまち』で第3回児童ペン賞少年小説賞を受賞。『となりの火星人』、「恋する和パティシエール」シリーズ他作品多数。日本児童文学者協会会員。全国児童文学同人誌連絡会「季節風」同人。

「2023年 『リトル☆バレリーナ  きらめきストーリー☆3つ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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