- Amazon.co.jp ・本 (306ページ)
- / ISBN・EAN: 9784062835541
作品紹介・あらすじ
だれだって、もし、自分がもっと大きくて強かったら、とか、小鳥みたいに小さくなれたら、とか、ふと、思うときがあるものです。『ガリバー旅行記』は、なによりもまず、そうした夢をかなえてくれる、ゆかいな冒険の物語です。わたしたちは、世界の海を航海するガリバーにさそわれて、「小人国」や「大人国」をめぐり、さらに奇妙な「飛ぶ島」からの帰りには、むかしの日本にも、ちょっと寄り道をしたあと、最後には、ことばをしゃべる「馬の国」にまで、わたることになります。
感想・レビュー・書評
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誰もが知っているガリバー旅行記は、
ガリバーが巨人になって活躍する、最も有名な、小人の国のお話、
逆にガリバーが小人扱いされる大人国のお話、
それから空飛ぶ島(ラピュータ)に住む王が支配する国のお話、
そして最後に猿の惑星を思い起こさせる馬の国のお話、
以上4つの国で生活したガリバーの冒険談によって構成されています。
好奇心旺盛なガリバーは船医ですがとにかく冒険好きで、
妻子のいる家に戻ってもすぐに次の冒険に出てしまいます。
挙句、人間嫌いになって帰ってきて、この物語を書いているという設定です。
何故人間嫌いになってしまったのか…。
これは作者のスウィフトが痛烈な批判家であることに起因します。
つまり、このゆかいな物語には、痛烈な人間社会批判が込められているのです。
滑稽な登場人物達をガリバーと一緒に客観的に観るとそこには、
偏見、不正、虚栄、欲、不死の憧れといったことや、
イワンの馬鹿同様、非生産活動への批判が見えてきます。
そしてそれらはスウィフトがガリバー旅行記を書いた1726年当時から
現代まで変りません。そこに読み継がれて来た所以があるのかも知れません。詳細をみるコメント0件をすべて表示