傷物語 (講談社BOX)

著者 :
  • 講談社
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本棚登録 : 6541
感想 : 484
  • Amazon.co.jp ・本 (372ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062836630

作品紹介・あらすじ

「120パーセント趣味で書かれた小説です。」――西尾維新

高校生・阿良々木暦は、ある日、血が凍るほど美しい金髪の吸血鬼と出遭ってしまった……!?彼女がいなければ、“化物”を知ることはなかった――『化物語』の前日譚は、ついにそのヴェールを脱ぐ!『化物語』で大好評を博した台湾のイラストレーター“光の魔術師”ことVOFANとのコンビ再び!西尾維新が全身全霊をかけて描く、これぞ現代の怪異!怪異!怪異!

青春は、いたみなしでは過ごせない。

感想・レビュー・書評

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  • オーディブルにて、物語シリーズ第3巻。

    化物語で断片的に語られていた主人公阿良々木暦の吸血鬼となった春休みの話。なぜ吸血鬼となったのか?どうやって人間に戻ったのか?春休みに何が起きたのか…。
    化物語の前日譚である。
    本作のヒロインは、委員長の中の委員長、羽川つばさ。
    ヒロインの中のヒロインといっても過言ではない完璧なヒロインぶり。

    こんな前日譚がありながら、『化物語』ではあっさり戦場ヶ原ひたぎと付き合うことになるとか…、先にこちらを読んでいたら納得がいかないであろう驚きの展開だ。というより、後にこちらを読んだ私も全く納得がいかない。

    "「お前にもう会えないんだったら、人間に戻ったって何の意味もないんだよ!」"
    人質にされた羽川さんに対する阿良々木のセリフ。

    "「なら、食べなよ。阿良々木くんは、私を食べていいと思う」"
    "「阿良々木くん一人を助けるためだったら、体なんて、一つあれば十分だよ!」"
    阿良々木が死ぬのを体を張ってでも止めようとする羽川さんのセリフ。

    …どっちも告白やん!
    てか、体育倉庫で羽川さんに何言わせとんねん!付き合ってもいない女の子にあんな恥ずかしいこと言わせておいて、何もなかったことにしてるあたり最低すぎる。

    化物語では、吸血鬼時代の阿良々木を救ったのが羽川さんだったということが語られていたけれど、完全に友情の域を超えているわけですよ。それを「恩」とか、「鈍い」なんていう言葉でごまかすなと思うのよ。鈍いなんて、何の免罪符にもならんからね。
    『化物語』では、戦場ヶ原と付き合い出したことにショックを受けて、障り猫が発現してブラック羽川化してしまう『つばさキャット』の話があったけれど、そりゃ、ブラック羽川も出てくるわ!!と激しく納得した。いっそ化け猫になって、祟り殺しちゃってもよかったのよ?
    ハーレム的に普通の男子高校生が色んな女子にモテモテというシチュエーションこそが、男としてはいいのだろうけど、それで女の子傷つけていいわけじゃないからね!乙女の純情を弄ぶとか万死に値する。
    今回、主人公の阿良々木が大っ嫌いになっちゃったわ。

    "「1年間よろしく、阿良々木くん」
    「あぁ、1年とは言わず、末永くよろしく」"

    えぇー、こんなこと言っといて、ほんまにないわ〜!!!

    ※最強の吸血鬼キスショットのストーリー自体は面白かったけど、阿良々木に腹が立つので割愛!
    ナレーターの井上麻里奈さんはとても素晴らしかったです!

    • マリモさん
      地球っこさん
      すみません、ちょっと勢いのままにディスりすぎました。今更だけどネタバレフィルターをかけておこうっと^^;
      みなさんのレビュー読...
      地球っこさん
      すみません、ちょっと勢いのままにディスりすぎました。今更だけどネタバレフィルターをかけておこうっと^^;
      みなさんのレビュー読んでいたら羽川さんとのやりとりは置いといても概ね好意的なので、「こんなもん」と割り切って楽しむのがいいのでしょう〜。

      春琴抄は、私にとって初の谷川作品でしたが、愛の行く末、今なお生々しく覚えています。二人で完結した世界でしたね。春琴よりも、佐助の狂信的な感じが怖い印象でしたが、石川さんはどんな風に表現されるんだろうと興味深いです。
      2023/02/12
    • 地球っこさん
      マリモさん 

      あはは、勢いのままディスるといえば、マリモさんの『水滸伝』のレビューを思い出しました 笑
      みなさん、好意的なのですね。
      読ん...
      マリモさん 

      あはは、勢いのままディスるといえば、マリモさんの『水滸伝』のレビューを思い出しました 笑
      みなさん、好意的なのですね。
      読んでない私が言うのもなんですが、自分なりの割り切れない部分ってありますよね。
      私はマリモさんの普遍的な嘆き、よく分かりましたよ。
      これからも、どうぞよろしく(*^^*ゞ

      『春琴抄』は小説で以前に読んだのですが、マリモさんの書いておられた子どものことは記憶になくて、かなり衝撃を受けました。
      今度は耳から世界を感じたいと思います。でもたぶん、「いい声」に内容が入ってこないかも 笑
      2023/02/12
    • マリモさん
      地球っこさん
      なるほど、私は好きィ〜!!なものについてだけでなく、嫌い!!となるものについても、勢い任せにレビューする傾向にありますね。笑...
      地球っこさん
      なるほど、私は好きィ〜!!なものについてだけでなく、嫌い!!となるものについても、勢い任せにレビューする傾向にありますね。笑
      女性の尊厳が蔑ろにされている状況を放置するもの、助長するものは、小説であれ何であれ嫌いなのだと思います^^;
      水滸伝は古代中国が舞台なので仕方ない面はありますが、物語シリーズは現代日本を舞台にしているあたりダメでした。
      読書は趣味の世界なので、自分の合うもの好きなもので楽しむようにします〜。

      春琴抄で子供のことは、さらっと「里子に出した」程度にしか触れられないのですが、その興味の薄さがより怖さを増幅させてました。
      耳から感じる谷崎の世界は、文章が心地よくもあり、漢字がわからない!ともなりました。笑
      先に小説を読んでおられるならそんなに躓かないかもです。
      2023/02/12
  • ところどころ描写が長くてもどかしい、物語を進めてくれと思う箇所があったけれど、あとがきで120%趣味で書かれているとあったので納得。それに好きな人は好きなのだろうとも思う。

    とにもかくにも化物語から読み始めてずっと疑問だった吸血鬼との出会いがわかってスッキリした。

  • 物語シリーズ3作目。
    化物語の前日譚。
    吸血鬼になり、葛藤する。
    周りの人は良い人ばかり。
    若者の不安定さ。

  • 化物語ファンなら読んで損はない。
    読む前よりもずっと忍が愛おしくなった。

  • アララギ君とキスショットが出会う話。化物語を見て、かなり気になっていた。とりあえず、忍野メメがかっこいい!何者だあいつは!

  • 春休みの間に吸血鬼に出会い、傷を負った話。
    再読。

    なんでも知ってる羽川さんでも、阿良々木暦が戦場ヶ原ひたぎと電光石火で付き合うことは予想つかなかったんだろうなあ。

  • 終結すべき地点を何度も飛び越えてのこの終焉。

  • 全てはここから始まる!『化物語』前日譚! 全ての始まりは終業式の夜。阿良々木暦と、美しき吸血鬼キスショット・アセロラオリオン・ハードアンダーブレードの出逢いから――。『化物語』前日譚!!

  • 化物語から数か月前の、阿良々木くんと吸血鬼のおはなし。
    とにかくもう羽川翼さんへの愛を再認識した一冊だった。
    えっえっ、阿良々木くんはなんで羽川さんと付き合ってないの?こんなにいい子でかわいくてエロい羽川さんとなんで付き合ってないの??
    最終決戦の前にパンツくれるという発想がすごい…羽川さんけっこんして!!

  • シリーズで一番好きです。
    映画化が待ち遠しい。

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著者プロフィール

1981年生まれ。第23回メフィスト賞受賞作『クビキリサイクル』(講談社ノベルス)で2002年デビュー。同作に始まる「戯言シリーズ」、初のアニメ化作品となった『化物語』に始まる<物語>シリーズなど、著作多数。

「2023年 『戦物語』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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