- Amazon.co.jp ・本 (296ページ)
- / ISBN・EAN: 9784062837316
感想・レビュー・書評
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京都を舞台とした異色ミステリー小説。最近、京都を舞台とした小説はかなりの流行を見せていますが、ご多分に漏れず、作者の円居さんは京大出身。なんでも、京大推理小説研究会に所属していた方のようです。
楽しいとか楽しくないとかは関係なく、このありとあらゆる推理小説の仕掛けを百貨店のごとく散りばめる手法は、さすが推理小説ファンといったところ。一部、納得のいかないこともあるけれど、それでもこの一冊を読むだけで、衝撃を受ける系のミステリーの雰囲気は十分に味わえるのではないでしょうか。そういった意味で、ミステリー小説に縁のない人が、まず読んでみるというのも悪くはない。もう何から何までが罠であり、仕掛けであり、答えである。
いわゆる叙述トリックもふんだんショコラであり、特に真相に近づくにつれて「そういうことか!」の連続。叙述トリックというと、綾辻行人さんの『十角館の殺人』など、「映像化できない作品」という札が付けられるわけですが、当然本作もその例には漏れない。絶対映像化はできない。逆に言えば、この面白さは文章でしか味わえないということ。それだけに、読む価値のある一冊と言えましょう。
「ああ、夢から醒めてもまた夢なんだぜ? どれだけどんでん返しするんだよ。馬鹿じゃねえの!」
【目次】
丸太町ルヴォワール
第一章 朱雀の女よ
第二章 その絆に用がある
第三章 さらば甘き眠り
終 章 昏くなるまで待って
(イラスト/純)詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
タイトルの一部が「丸太町」という京都の通りの名で、舞台も京都。著者は京大卒。著者名も「円居」って、京大の近くにあるレストランからとったのか?
ストーリーは何度もどんでん返しを繰り返しながら進んでいくミステリー好きに受ける展開で、そこに小さな叙述トリックがいくつも織り交ぜながら進んでいく。最後はちょっとしたラブストーリーのようなハッピーエンドで、読後感も悪くない。好きな人は一気に読めると思う。
龍樹落花って、戯言の哀川潤と石丸小唄が何割か混じっているような気がした。そういえば、西尾維新も京都の大学中退だったかと。戯言だけどね。 -
京都っぽいって言ったらいいのでしょうか、何か時代がかった感じと、甘美な独特な節回しに紛れ込んだ感じで最後にどんでん返し、多々あります。この独特な感じが面白いです。
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ぐう。
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なんだか、漫画みたいな話だった。面白いけど、漫画かな。本を読んだ、って感じがしないかも。
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面白かったけど今一つ。
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2011/02/13読了
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デビュー作とは思えない、完成度の高さ。
独特の世界を作り上げている。
知的な会話、丁々発止のやり取り、二転三転する幻惑のトリック。
キャラものとしても、ミステリとしても面白かった。
http://koroppy.cocolog-nifty.com/blog/2011/01/post-9efc.html -
会話主体...しかもヒネクレてちょっと小粋でw、
丁々発止でマニアックな会話。講談社BOXとくれば
どうしてもある作家や作品を脳裏に思い浮かべて
しまうのは仕方ないか...?
ミステリ...というか推理小説と麻雀と将棋と
ちょっとの選民意識臭のするディベート(もしくは
揚げ足取り)がいい具合のバランスで散りばめられた
なかなかの快作...かもしれません。
結構、鼻に付く表現や、やや上から物言われてる感を
ちょいちょい感じましたが、今作の登場人物達の
キャラに救われたような気もしますね。
結果、面白いしオーライでw。
何度も何度も真相が裏表、行ったり来たりで
ドンデン返し的な効果は終盤に至ってはもう予定調和で
驚きは半減しちゃったかな?
でもそこも主人公?の「論語」くんの最後の一言で
救われたみたいだし。次作以降も気になる作家さんです。 -
「祖父殺しの嫌疑をかけられた城坂論語は、変幻自在の論客が丁々発止の応酬を繰り広げる私的裁判“双龍会”の被告となる…容疑を解くためではなく、事件当日、屋敷の一室で二人きりの甘く濃密な時間を過ごした謎の女性“ルージュ”と再会する、ただそれだけのために…。 」
どんでん返しの繰り返しが読む側を楽しませてくれる。
最後の最後まで驚きの連続に見舞われるでしょう。