夜宵

  • 講談社 (2011年11月1日発売)
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Amazon.co.jp ・本 / ISBN・EAN: 9784062837873

感想・レビュー・書評

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  • 恒川光太郎さんの夜市が好きなので
    似た雰囲気の物を、、、

    読んでいて気分が下がるというか、モヤモヤしてくる感じ
    読解力がないせいで???となってしまい、理解しきれなかった
    もう一度読み直す気にもなれず、、、
    残念

  • 常川光太郎の夜市が好きなので、興味本意で読んでみた。口コミでは全く違うと主張するものと、パクリとの評価に別れてたけど、恒川ファンとしては前者の意見に一票。夜に開かれる市に売っていないものはないこと、老若男女異形がいる、という設定は全く同じだけれども、夜市はその設定に重きを置いたストーリーとなっているのに対して、夜宵はその設定はただの背景となっている。
    単純にストーリーは面白いと感じたし、どんでん返し付き。サザが勝手なイケオジだと想像して読み進めてサザイケメンって感想に書くつもりだったのに、まさかのまさか。
    ナキの嫉妬心も納得。
    にしても夜市と夜宵、あまりに名前と設定が似ていてパクリと言われても仕方がないよなーと思いました。

  • この作品の構造の歪さや描写にひっかかるものがない訳じゃなかったのですが、それでも最後のほうのあるセリフが出るまで「そういうことだったのか」と思考が至らなかったのは、この物語の世界観がとても魅力的で、表紙の六七質氏のアートワークも相まって脳が全力で情景描写の書き出しに集中してしまうからかなと思いました。
    よく恒川光太郎先生の「夜市」とこの作品を絡めて品評する方がいらっしゃいますが、個人的には「夜市」のような世界観の話がもっと読みたいと思っていた人は嬉しいんじゃないかなと思いました。

  • 三年前に購入。以降、より本が好きになるきっかけになった本です。

    いろいろと自分なりに調べると、柴村さんが民俗学や漢字や言い回しについて調べたか、熟知しているんだなー、と口をぽかっと開けたくなるほど手が込んでいて、何重にも感動。

    本の構成は経緯、をバラして進ませるという、思わず唸ってしまうようなうまさ。チョコレートスープやヒナちゃんの回では、市にいる人を変だとか評している街の側の人間、つまりお客さんのほうがよっぽどゾッとするなー、と背筋が寒くなりました。このお客さんへのゾッと感は、次作の「宵鳴」の一話目にも受け継がれていると感じました。赤毛のカンナ君を助けたサザさんがまさか…!と、全くラストを予想できず、びっくり。そして、結末に涙…。単純な感動というよりも、いたたまれない、なんでこーできなかったのか、もっと彼らは解決できる方向は無かったのか、と半分悔しいような不思議な気持ちになります。
    ただ、サザさんが最後に残した言葉に、サザさんのほんのりとしたズルさを感じました。本当に子供のように思っていたなら、本来はこう言うんじゃないかな、と。そこにも、ああ、カンナ君を引き止めたかったのかなぁ…と切ない。
    あとはもう、ナキさんの虚しさが胸に刺さりました。ひとえに可哀想とは絶対に言えないんですけど、それでもなんて報われない人なんだ!ともどかしい。
    夜宵は、すべての人がどこか行き間違い、そして後戻りできない寂しさ、切なさに生きているようなそんな印象を受ける美しい本でした。

  • ―その市で、手に入れられないものはない―。
    毎年秋から大晦日にだけ開かれる、細蟹の市。
    合法なものも、非合法なものもなんでも揃っている。

    行きはよいよい、帰りは怖い。
    さぁ、あなたは細蟹の市に行きますか?


    **

    読み終わって、一言。
    やられた!

    そうかぁ、「話」でなく
    「経」と「緯」が使われているのにはこんな理由があったんですね。

    細蟹とは何か。
    サザとは、一体誰なのか。
    まんまと一話に逆戻りさせられました。

    この世界観、好きです。
    続きもあるようなので、ぜひ読んでみよう。

  • 夜の間だけ開かれる市。
    明りのない墨のような暗さを所々で感じる。
    土地に縛られるというのはこういう事かもしれない。

  • 石骨の街と、夜宵淵を隔てて”市”がある。石骨神社の祭りが終わった後から大晦日まで開かれる市には、手に入れられぬものなど何もない。目玉売りがいる。人身売買も非合法の薬もある。その市を取り仕切る赤腹衆・サザと、その市に迷い込んだ“マドウジ“を巡るお話。

    サザぁ! ていうか折口! 水の女! 一寸法師! 柳田ぁ!
    人物造形もさることながら、民俗学をかじっているとわくわく感が更に倍増。加えてアクションも手に汗握る。幻想的な市の光景を描き出す筆致も滑らかとくれば、もういうことがありません。

  • ただただ表紙カバーのイラストに惹かれて手にしたわけですが、読む機会を得て本当に良かったです。
    まず、何よりも表紙カバーが本当に素晴らしいと思います。どなたのイラストなのだろうと確認してみたら六七質(むなしち)さんでした。納得。
    奇譚な世界観にとても合っていました。

    話は全体を通して「サザ」の話で、「サザ」の活かし方がとても良かったです。個人的にとても好きな話でした。続けて「宵鳴」「鳴夜」(漢字が繋がっているのもとても良いですね)もぜひ読みたいです。

  • 文庫版で読みましたが、イラストが綺麗だったのでこちらのタイプも購入しました!綺麗!!

  • 雰囲気で押し通す。図書館ではカバーがなく、綺麗なイラストが見られなかった。

  • 大晦日までの僅かな期間にだけ立つ「細蟹の市」。そこで手に入らないものはないという。ある者は薬を。ある者は行方不明の少女を。ある者はこの世ならぬ色を求めて、細蟹の市へと迷い込む。異形の者たちが跋扈する市で、市守りのサザが助けたのは記憶を喪った身元不明の少年・カンナだった。呪われた双子の少女は唄う。「ああ、不吉だ、不吉だ」「おまえがもたらす流れ、その循環は、混沌を呼ぶわ」…気鋭の叙情作家が紡ぐ妖しく美しい恋と謎。

  • 細蟹の市という「街」とは隔離された(存在意義の違う)場所が舞台の幻想系?ダークファンタジー?小説。

    設定やキャラクターが好みだったのもあるかもしれないけれど、この手の小説にしては文章が読みやすかった。
    個人的には 黒胞衣がとても好き(笑)

    知り合いに勧められて読んだ本で、普段あまり手をださないジャンルだったけど、叙述トリック(というと大げさ?)が使われてたりして楽しめた。
    これで終わりがきれいなんじゃないかと思う部分もあるものの、あと二作出てるみたいだから、ほかも読んでみたい。

  • 間違えて登録してしまった
    シリーズものででているんですね

    好きだけど 好きと言えない
    そばにいたいけど、いれない 手元に置いて置きたいけど開きたくない けれど時々表紙を見て、頁を直に撫でてその存在を確認させて欲しい 恋しいけれど、私の存在はそちら側から決して知覚してもらえない
    悲しい寂しい苦しい痛い かなり読後感悪い気がする
    けれど好きかもしれない なんて言えばいいのかわからない こんな想いをするのなら、恋なんてしなければよかった……っていう感覚と似てるかも(?)

    まんま恒川光太郎の夜市、風の古道じゃんかーと思って読みましたが、まあ確かにそうなんだけど どっちもどっちでものすごく面白いし惹きつけられるし素晴らしいのでした
    それに、夜の不可思議な市場、異形の者が集うこの世ならざる神秘の品物を扱う文学などこの世には数限りなくあり、
    そのどれもが作者の個性に左右されそれぞれ星のように光り 外れの本などないのですね

    サザとは何だろう、さざ波? とか考えたけどどうでしょう
    個人的な考えで、ザザ虫?とか思ったけど それはさすがに違うかなあ
    でもサザ、好き……さ、サザ ああ、サザぁ〜…

    登場人物が全体的にエンタメくさくてアニメっぽくて、いやに残虐で でも完全にラノベ化してはいなくギリギリのところで止まっているような でも好き…なの! そういうとこも恒川っぽいかも
    読んでいてつらくなる、悲しくなる しんどい
    出会わなければ良かった本か、悲しみ痛み、後悔、絶望、読んでいてとても痛い。痛い。会いたくなる、誰にかはわからない、その存在を確かめたくなる 誰の存在かはわからない。
    ねえこの気持ちわかる……、ああ、プシュケの涙の ページの中程にあった、イラストを見た時と同じ気持ちかも知れません

    ここまでしんどくなる本もなかなかないです すごい人だ
    シリーズものなのか〜読みたいようで、読んだらまたしんどいんだろうな〜読むけどさ

  • むしゃむしゃむしゃ
    むしゃむしゃむしゃ
    なんておいしいチョコレートスープ
    おはだもきれいになりました

    この仄暗くて不思議な世界観が好きだ。
    皆、面で顔を隠し異形の者も混じる細蟹の市。「赤腹衆のサザ」がどの話にも登場するが…

  • 大晦日までの僅かな期間にだけ存在する、細蟹の市。面で顔を隠した者達が行きかうその奇妙な市で、そこでしか手に入らないものを求めて人々はやってくる。

    荒削りでざっくりしてるところが多々あるのも、狂気の表現が若干上滑り気味なのも気になる。あと詰め込みすぎ感があって、もうちょっと話をシンプルにコンパクトにして欲しかった。

    色々と惜しいけど、この「夜市」的世界観は好きなんだなぁ。
    最後は、なるほどそうくるかって驚きもあったし。

    結局どこまでサザだったのかな。

  • 表紙のような挿絵がほしい。
    人間の醜さを浮き彫りにする。ジブリあたりが映像化しないかな。ダークジブリもいいんじゃないかな。

  • 私の好きな時間軸の話に近かったです。
    行ったり来たり。
    すごく楽しかった。
    何度も読み返しました!

  • 本だからこそ味わえる面白さがあります。怪奇譚が好きな人ならば合うのではないでしょうか。独特の暗い世界観に引き込まれました。

  • 2012
    面白かった!
    柴村さんにまたこういうテンションの書いてほしい


    再読。
    やっぱり面白い・・・面白い・・・・・・。
    きっもちわるいオチは全部覚えてた・・・でもほんとにエエエッてなるオチばっかです・・・。
    細蟹の市・・・・・・私は絶対行きたくないな・・・・・・。
    人面犬男こわすぎわろた・・・・・・。でも一番怖いのは人間のしでかすことなんだよなあ・・・・・・。

  • 面白かった!
    ホラーが苦手でも読める作品です。すこし薄気味悪いお話。
    サザとヒチリキのやり取りがとても好きです。
    幼いカンナも可愛い。

    章の構成がおもしろく、ラスト付近まで気がつきませんでした。
    『古事記』や折口、柳田…などなど民俗学を学んでいるとさらに面白く読めると思います。個人的には超好み。

    恒川光太郎の『夜市』に設定が似ていますね。

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著者プロフィール

第10回電撃ゲーム小説大賞金賞を受賞し、受賞作の『我が家のお稲荷さま。』(電撃文庫)でデビュー。本作はシリーズとなりアニメ化される。主な著書として『プシュケの涙』シリーズ(講談社文庫)、『おーい!キソ会長』シリーズ(徳間文庫)、『オコノギくんは人魚ですので』シリーズ(メディアワークス文庫)、講談社BOX『夜宵』シリーズ、などがある。

「2020年 『虫籠のカガステル 下』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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