ノワール・レヴナント (講談社BOX)

著者 :
  • 講談社
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感想 : 17
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  • Amazon.co.jp ・本 (612ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062838207

作品紹介・あらすじ

他人の背中にその人の「幸福度」が見えてしまう。本の背を指でなぞっただけで中身を記憶してしまう。毎朝5つだけ、今日聞くことになるセリフを予知してしまう。念じることで触れたものを破壊してしまう-。そんな奇妙な能力を持ってしまった4人の高校生たちが、何者かの導きで出会い、すべての"偶然"が"必然"だったことに気づく。張り巡らされた伏線、それらがすべて回収された時、あなたは驚きとともに爽やかな感動に包まれる。第十三回講談社BOX新人賞Powers受賞作。

感想・レビュー・書評

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  • 第十三回講談社BOX新人賞Powers受賞作にして
    その選考会で絶賛されたという期待の作品。
    そしてデビュー作にして612Pの大作。
    結果...かなり面白い作品でした。クセの少ない
    丁寧な文章も読み易く、登場人物のキャラクターも
    ライトノベルに寄ったような極端なものではなく、
    自然に好感を抱く造型で非常に魅力的。その
    台詞の一字一句が活き活きしてます。
    絶賛...の煽りは偽りない...ように思います。

    不思議な能力を持つ4人の高校生が、何者かの
    声に導かれ夏休みの5日間を過ごす事になり、
    そので出会った彼等の自分達の能力の真意を
    探りながら、彼等の為の闘いが始まる...というような
    内容ですが、決して異能者達の能力バトルのような
    ものではなくあくまでも人間であり、その心や
    意思によって彼等が闘うところがこの作品の核。

    いくつか強引な部分や多少の疑問符が残る点も
    ありますが伏線の張り方、その回収もニヤリと
    させられる事が多く、本当に上手いな...と。

    講談社BOXでの刊行故、読者を選びそうですが
    充分に一般文芸書マーケットで勝負出来る内容。

  • 浅倉秋成さんのデビュー作。
    わたし浅倉秋成さん初読。
    最初から最後まで⭐︎5を突っ走るだいすき作品に出会えた。わたしはこの本だいすき。

    5ページに一回くらいのペースで残したい文章が出てきてメモ欄がギュウギュウ。

    本のぶ厚さと開けば四分割の文章でびっくりよ。
    おかげで読む前からなが〜い印象を持ったけど、
    冒頭から面白いが確定した。
    冒頭の大須賀くんの遅刻は、むかし遅刻魔人だった私の頭の中すぎていた。

    こんな風に共感や納得がすごくて
    情景を想像できて感情ものっかちゃう
    噛み砕いた言語力の高さや表現が毎シーンすごすぎる。
    作者さん当時20代前半って考えられない(*_*)

    4人全員だいすき( ; ; )
    ほんとみんな魅力的すぎるんだ。これは読まんとわたしの語彙力では伝わらん。
    それぞれの言動や行動に、読んでると「らしいな」って思うところがあって、すごくキャラが活きてた(*´-`)

    中でも、のんちゃん推し!尊敬!きっとみんなだいすき(*´꒳`*)
    活発で危なっかしくて圧倒的末っ子感だけど、
    知的で頭の回転が早くて判断能力に長けてる賢い子。
    (能力のおかげもあると思うけどそれでもここぞというときに活かせてるのすごい)
    感情が表に出る素直な子で思ったこともズバって言うけど、みんなに気を遣わせないように、悲しくても涙を堪えたり、ピンチのときでも冷静に自分の任務を果たそうとする姿は頼もしかった!!!
    ポジティブマインドも素敵キラン

    終盤にかかるに連れなんか読み終えるのが寂しくなってきて(ページ数も関係ある)まだ終わらないで〜という気持ちが沸々。また読み返したい手元に欲しいと思えた一冊。

    伏線もすごいし、真相も予測できなくて
    ミステリーも楽しかった満足満足。
    表紙がかっこよくてだいすきです!

    (はやく六人の嘘つきの大学生読みたい。人気すぎるんだ。)

  • 【伏線の狙撃手のデビュー作】
    伏線については他の方が述べられると思いますので、わたしは他の点で浅倉さんの本の好きなところをひとつ。
    比喩表現が好き。

  • なるほど、これが伏線の狙撃手と呼ばれている所以なのか、と実感する作品でした。初めて読む浅倉秋成作品だったので、他の著作も読みたいと思います。

  • 六人の嘘つきな大学生を読んでハマった、朝倉秋成さんの小説。
    四人の高校生が特殊能力を使い謎に立ち向かう。
    相変わらず(?)伏線と回収が面白かった。

  •  4人の少年少女たちが、ある特殊な力を持っている。
     そして、彼らは招待状を受け取り、豪華ホテルに招かれる。
     この能力でなすべきことは何かを探る。
     ミステリというより、わくわくする冒険譚という感じ

  • 600ページという分量もなんのその。
    リズムの良い文章と、次々と明らかになる事実に、
    寝ることも忘れて読める快作です。

    オビやサイトでも伏線の巧妙さを押していますが、
    読み終わった感想は、それらの印象を良い方向に覆してくれました。

    なんといっても、伏線の回収の仕方がとても”粋”なのです。
    些細な伏線をささやかに回収していく描写に、
    ここまで感動したのは初めてでした。

    ネタの配置、キャラ作り、物語の進め方、
    どれをとっても素晴らしい。
    その素晴らしさを読むだけで理解できてしまうのが、
    唯一の欠点と言ってしまえるくらい、新人離れした出来でした。

  • ほどほど。個人が持つ力を合わせて、というのは私の好きなパターンです。登場人物のキャラ立ちが良い。三枝のんのセリフが好きだった。覚えたって理解しなければ意味が無いってとこ。しかし途中で飽きそうになった。斜め読みした。これはラノベ?

  • 分厚い本だが、非常に取っつきやすい文章で中弛み無く読み終えることができた。

    名言連発発言や、ギャンブル、果てはクラシックの知識など、著者の取材力には拍手を送りたい。

    疲れたけどとても楽しい読書時間をおくれました。

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著者プロフィール

1989年生まれ、小説家。関東在住。第十三回講談社BOX新人賞Powersを『ノワール・レヴナント』で受賞しデビュー。『教室が、ひとりになるまで』で推理作家協会賞の長編部門と本格ミステリ大賞の候補作に選出。その他の著書に『フラッガーの方程式』『失恋覚悟のラウンドアバウト』『六人の嘘つきな大学生』など。

「2023年 『六人の嘘つきな大学生』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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