フラッガーの方程式 (講談社BOX)

著者 :
  • 講談社
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本棚登録 : 69
感想 : 4
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  • Amazon.co.jp ・本 (436ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062838337

作品紹介・あらすじ

何気ない会話や行動を「フラグ」として認識し、ありきたりな日常をドラマチックに変えてしまう謎の装置"フラッガーシステム"。平凡な高校生・東條涼一は、淡い期待と下心から、そのデバッグテストの参加者(主人公)を引き受けてしまうのだが…両親が海外へ転勤、家出少女といきなり同棲、ツンデレお嬢様とのラブコメ、魔法設定で悪の組織と闘い…etc.やがてフラッガーシステムは「ある意味」感動的なラストへ向けて、涼一が思いもよらない暴走をはじめる。

感想・レビュー・書評

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  • デビュー2作目。前作の「ノワール・レヴナント」も
    バリバリに才能を感じさせる作品ですが、こちらは
    作風や文体もかなりくだけ、異なる手触りながら、
    この方面でもビシビシと才能が伺えます。確実に
    売れていく方...だと思われますね。

    ごく平凡な高校生「東條涼一」が被験者となった
    フラッガーシステムなる眉唾な装置。この装置は
    主人公が、アニメ、コミック、ラノベ...の主人公的な
    波乱とトピックとストーリーに満ちた、まさに物語の
    「主人公」となる事が出来る...なるご都合主義に溢れた装置。
    その装置によって翻弄される「東條」くんの密かな恋心と
    ストーリーが「ご都合主義」に展開される...
    というヘンテコな作品。

    作品の中で所謂ライトノベル的展開をふんだんに
    盛り込んでおきながら、ライトノベル以上の読み応えと
    世界と、なによりも面白さが全編から滲み出る。そして
    何より作者のアニメ、ライトノベルに対しての愛情も
    伝わってくる、なんともいじらしく、可愛らしい作品。
    ギャグセンスも上品かつ、ツボのおさえ方が絶妙で
    押し付けがましくない笑いが好感。そのギャグパートで
    展開されたフラグ(伏線)が後半の、シリアスなパートで
    これでもか!と活きてくる、作者得意の伏線回収は
    おみごとです!!

  • 図書館で『六人の嘘つきな大学生』を借りようと思ったら貸出中だったので、代わりにこの本を借りました。
    代わりに借りた本なので正直あまり期待せずに読み始めたのですが…


    予定調和の安心感と安定感でコミカルにストーリーに進行。この辺は本当に深夜アニメを視ているようです。
    伏線回収とラストへ向けての感動も見事に嵌まってちょい涙。
    すごく楽しい読書時間でした!

  • 素晴らしい読後感!

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著者プロフィール

1989年生まれ、小説家。関東在住。第十三回講談社BOX新人賞Powersを『ノワール・レヴナント』で受賞しデビュー。『教室が、ひとりになるまで』で推理作家協会賞の長編部門と本格ミステリ大賞の候補作に選出。その他の著書に『フラッガーの方程式』『失恋覚悟のラウンドアバウト』『六人の嘘つきな大学生』など。

「2023年 『六人の嘘つきな大学生』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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