お嬢様探偵ありすと少年執事ゆきとの事件簿 (講談社青い鳥文庫)

著者 :
  • 講談社
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本棚登録 : 99
感想 : 9
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  • Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062851510

作品紹介・あらすじ

爆発/訴訟/むち打ち/脅迫状/宝石盗難事件/プリンセス・サクラ
なるほど。これは たしかに、わたしの出番ね。

ぼくは、夜野ゆきと。11歳。同い年の二ノ宮家当主・ありす様に仕える執事見習いです。ぼくがお屋敷に来てから、お嬢様はお部屋にこもって、ずっと書類をごらんになっているのですが、それはなんと、お嬢様が「探偵」だったからなのです……!5年前の宝石盗難事件と、ご友人に届いた脅迫状、婚約パーティーでおこった事件。探偵・二ノ宮ありすお嬢様がまとめて解決いたします!

※小学中級から

感想・レビュー・書評

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  • 突飛な設定だけど、ミステリ要素はシンプル且つ王道なのが素敵。
    日常の謎系かと思いきや、癖の強い人物が集まった富豪のパーティでの殺人(未遂)事件という展開も素敵。
    シリーズをまたぐ謎もちらりと見せて、こりゃ続きが楽しみ。

  •  何か…世界観がよく分かんなかった…。
     お嬢様とか執事とか言うから昔の時代なのかと思ったら、何か現代ぽいし。
     11歳で当主? 意味分かんない…。

  • 四年生くらいから読めそうな探偵もの。ワトスン的少年の語り口。
    執事、という仕事関連でも紹介できるかもしれない。
    内容、雰囲気としては『GOSICK』(桜庭一樹)の幼年版みたいな。

  • HACCANさんの絵が好きです。

    そして設定にも心惹かれるものがあったので手に取りました。

    ありすの色々心得てる感じと、ゆきとの戸惑いながら成長していく感じ(しかも若干天然っぽい。)が可愛らしくて楽しかった。

    作者の人柄が滲み出てるのか、作品全体に流れる優しい空気感が良かった。

    児童向けだから、探偵物といっても大したものではないだろうと軽い気持ちでいたせいもあるけれど、なかなか面白かった。

    結構読書量のある子向けかもしれない。

    そして、これはシリーズにハマってしまいそうな予感…。

  • 事件のシチュエーションやトリック自体にはさほど真新しさがないとはいえ、児童向けミステリとはとても思えないほどの膨大な量の伏線を、さらりと忍ばせてくる手際には感心します。これ、小学生は拾い切れるのだろうか。「桜の下の怪事件」なんか、あまりにも描写が自然すぎてありすに指摘されるまで、そのおかしさにまったく気付けませんでした。ありすとゆきと、心に孤独を抱えたふたりのこれからと併せて期待したいシリーズです。

  • ★★★★★
    タイトルと表紙からキャラ小説かと思いきや、久しぶりにきちんとしたオーソドックスな推理小説を読みました。
    お屋敷で起きる事件、幾人かの容疑者。
    丁寧に張られた伏線にもう一度読み返したくなりました。
    見事!
    財閥当主にて警視庁から未解決事件を持ち込まれるお嬢様、ある身の上の事情から執事として勤めることになった男の子。
    主人公たちもとても魅力的。シリーズを通しての謎解きもありそうですね。

    子どものときにこの本と出合ったら、推理小説の楽しさに目覚めるんでないかな?(^^)
    (まっきー)

  • 収録作品
    第一話 桜の下の怪事件
    第二話 「プリンセス・サクラ」事件
    事件のあとで

  • “「……うむ。」
    わずかにうなずくと、お嬢様は手をのばして、スコーンをつかみました。そのあいだも、書類から目をおはなしになりません。
    お嬢様はベッドの上にひざを立ててすわり、書類と本を交互にごらんになりながら、スコーンにかじりつきます。
    とても行儀が悪いのですが、とがめる者はだれもおりません。
    このありすお嬢様こそ、二ノ宮家の当主でいらっしゃるのです。
    ぼくはじっとベッドサイドに立って、お嬢様が食事を終えられるのを待ってました。
    お嬢様は無言で、スコーンをほおばります。
    薄暗い中、ベッドにうずくまり、何日間も同じパジャマで、髪はねぐせだらけでもじゃもじゃとあれば、そのお姿は女の子というより、野生動物かなにかのようで……。”

    イラストに惹かれて。
    あっさり読めた。

    “「わたしという探偵が現れなければ、彼女は復讐をまっとうできたでしょうに。」
    冗談とも本気ともつかない口調でおっしゃると、お嬢様はふうっと息を吐いて、シートにもたれます。
    「桜子さんだって、わたしがあの男の過去の罪をあばかなければ、真実を知ることもなく、傷つかずにすんだかもしれない……。わたしが外に出ると、いつもこうよ。」
    そうつぶやかれたお嬢様の声は、どこか投げやりで、悲しげな響きを含んでいました。
    これまで、つねに自信満々といった態度でいらしたお嬢様には、このようなお言葉は似つかわしくないように思えて、ぼくは思わず、口を開きました。
    「しかし、ぼくはやはり、お嬢様が事件を解決なさったのは、いいことだと思います。」
    執事という立場で、お嬢様に自分の意見を申しあげるなんてですぎたまねだとは思いますが、言わずにはおられませんでした。
    「うまく申しあげることはできませんが、お嬢様が過去の事件を解決してくださったからこそ、かすみさんの心はすくわれたのだと思います。それに、桜子さんもだまされてしあわせでいるよりは、つらくても本当のことを知ったほうが、よかったのではないのでしょうか。」
    「そうかしら。」
    「はい、お嬢様。」”

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著者プロフィール

1978年大阪府生まれ。2004年、第2回ジュニア冒険小説大賞を受賞した『ねこまた妖怪伝』でデビュー。児童文学のほか、ミステリーや恋愛小説も執筆する。著書に、「2013年 文庫大賞」(啓文堂大賞 文庫部門)となった『ハルさん』、『初恋料理教室』『おなじ世界のどこかで』『淀川八景』『しあわせなハリネズミ』『涙をなくした君に』、『きみの傷跡』に連なる青春シリーズの『わたしの恋人』『ぼくの嘘』『ふたりの文化祭』などがある。

「2023年 『初恋写真』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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