ビート・キッズ Beat Kids (講談社青い鳥文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062851657

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  • いきなり、吹奏楽クラブに勧誘された中学生の英二は七生やクラブの仲間とふれあうことで絆を深めていき、自分にとって唯一のものと、仲間を知って行く。


    明るいアホで貧乏で頑張りすぎてしまう英二くんがかわいそうでならない。かわいい。ビートがどうのこうのというよりは、友情と家族再生がテーマの小説だと思いました。それと、英二くんの救済。ぱっと見坊ちゃんで優等生だけど俺様でストイックで鬼の七生のキャラが立ってる。

    主役二人が壮絶な過去を持っているので中盤はなかなか重い内容になる。最初は底抜けに明るい才能の原石が天才くんの凍てついた心を溶かすという構造かと思いました。しかし、英二にとっての唯一のものドラムと居場所を七生が与えたもので、一番辛い時に英二が駆け込んだのが七生のところであるということから二人の物語だったんだと納得できます。

    英二くんのような明るくしっかりしている子はほっとかれて孤独を感じてしまうこと。

    家族という集団に貢献し、自分を犠牲にして働き繋ぎとめている存在が一番気を置かれてないというのが無性に悲しかったです。英二が七生を救ったように、英二も七生に救われてよかった。

    自分に一番甘い父親の話は読んでて胸に詰まるものがありました。逃げる前に自分の周りに誰が何をしているかちゃんと見ることが大事やと思います。

    全編が関西を舞台にしているので登場人物はほぼ関西弁ですし、出てくるものも関西にちなんでいます。とても懐かしい…。

    もっとマーチングについて詳しく知りたかったし、吹奏楽の仲間についての掘り下げもあってもよかったのかなと思いました。ビートキッズは2人の物語なのかもしれませんが。あまりにもお飾りのような気がします。バンドにすればきっちりまとまるような。

    英二くんと七生くんのその後も気になります。ぜひ読みたいです。

  • 友達作りもまだな転校先の中学で、突然同級生の七尾に「おまえにはリズム感がある!」と言われた英二。
    渡された太鼓を叩いた瞬間、英二の中で花火がはじけた!
    俺様でどんな楽器も弾きこなす七尾とともに、吹奏楽部の練習に打ち込むが、アル中の父親や体の弱い妊婦の母親など、心配事もいろいろあって・・・。
    ロングセラー青春小説「ビートキッズ」の第1巻。

    男女問わず読ませる内容でYA小説の鉄板。
    英二の演奏描写がとても魅力的。
    読みながら自分も大空に花開く火花を見ているような気分になる。

    両親との問題など、テーマが多く若干盛り込み過ぎな感もあるか?

    第2巻は高校バンド編ということ。
    こちらも読みたくなる。

  • 音楽をやっていた私にとって、家族愛がわかる本です。音楽(吹奏楽)をやる人におすすめです。

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著者プロフィール

風野潮
大阪府生まれ。第38回講談社児童文学新人賞を受賞した『ビート・キッズ』でデビュー。同作で、第36回野間児童文芸新人賞と第9回椋鳩十児童文学賞を受賞する。ほかの作品に『ビート・キッズⅡ』、「氷の上のプリンセス」シリーズ(ともに講談社)、『ゲンタ!』(ほるぷ出版)、『歌う樹の星』(ポプラ社)など多数ある。日本文藝家協会、日本児童文芸家協会会員。「プレアデス」同人。

「2023年 『ペンタとニック』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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