怪盗パピヨン steal1 雨小ミステリークラブ、誕生! (講談社青い鳥文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062851923

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  • “「んー。ぼく、推理小説は、ほとんど読まないんだ。」
    「へ?じゃあ、どうして、わたしに、いますぐ探偵になれるなんていったの?赤池くんだって、探偵とか刑事にあこがれてるんじゃないの?」
    「犯罪には興味があるよ。でも、トリックをあばきたいとか、犯人をつかまえたいってわけじゃないんだ。」
    功太がなにをいいたいのかわからなかった奈那は、こまった顔のまま、話のつづきを待つ。
    「じつは、ぼく、現実に起こった刑事事件の新聞記事や裁判記録を集めるのが趣味なのさ。」
    「ふーん。なんだか、むずかしそうね……。」
    「ぼくにとって、なぞっていうのは、加害者が罪をおかすことになった動機とか、真理とか、そのあとの行動とかなんだよ。もちろん、被害者の感情なんかにも関心があるね。」
    功太は、さわやかな顔で、おとなびたことをサラッという。”[P.28]

    児童向けの青い鳥文庫じゃなかったら後半敵にでもなりそうな台詞に聞こえる。
    成り行き不憫な怪盗さん……。
    先生同士はお互いのこと気づいてるのかな。胡蝶先生の方は案外気づいてなさそうな気がするけど。

    “「なるほど。先生は、お殿さまの命令を守るために立ちあがったんですね。」
    「ところが、そうじゃないの。まいあがったのは、父なのよ。古い手紙を読んだ父は、まるで先祖の霊にとりつかれたようになってしまい、家族がなんといおうと、虫譜帖をさがしだすといって、きかなかった……。」
    パピヨンは、大きくため息をつく。
    「だけど、父は、もう歳だし、リウマチの持病もあるから、娘のわたしがかわりにさがすことで、ようやく納得してくれたの。」
    「もしかして、その衣装も?」
    「これは、母が選んだの……。『どうせなら、はずかしくないかっこうをしなさい。』といいながら、母は宝塚歌劇団のファンだから、こんなハデな服になってしまって……。」
    「せ、先生も、大変ですね……。」
    奈那は、パピヨンの意外な苦労を知って、心から同情する。”[P.183]

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