蒲生邸事件(前編) (講談社青い鳥文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (464ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062853712

作品紹介・あらすじ

<前編>
浪人生の孝史は、受験のため泊まったホテルが火災にあい、タイムトラベラーを自称する男に助けられた。
二人が助かるためにタイムスリップした先は、昭和11年2月25日、つまり、あの有名な「二・二六事件」の前夜の帝都、東京。
そして、二人が降り立った前庭は、二・二六事件後自殺したという蒲生将軍の屋敷のものだった。

あまり歴史に知識のない孝史はとまどいながらも、その時代の者として、蒲生邸で暮らすことになる。
あたりまえだが、そこでは、生身の人間が、まどい、笑い、悲しみ、働き、日々の生活を送っていた。

孝史を助けた男はほんとうにタイムトラベラーなのか?
蒲生大将を殺したのはだれなのか?

大きなスケールで描く歴史SFミステリー。

<総ルビ 小学上級から 小・中学生向けに一部改稿>

感想・レビュー・書評

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  • 二・二六事件の日にタイムスリップしてしまった謎の中年と主人公。蒲生憲之は誰が殺したのか?の推理小説としての面と、タイムトラベラーの苦悩、そして二・二六事件以降、戦争へと向かっていく日本という国について知ることができる。
    どの側面も面白い上に、絵がとても可愛い。
    黒星紅白のイラストと、宮部みゆきの文章を同時に楽しめるなんて最高だ。
    ただ一つ、「小学校高学年以上向け」だそうだが、小学校高学年にはちょっと難しいのでは…?

  • 黒星紅白さんの画集で興味を持って、あえて青い鳥文庫で購入。十数年振りの青い鳥文庫でした。まさか成人してからもお世話になるとは……(笑)

    小学生向けに一部改稿されているようですが、特に違和感なく読めました。(あえて挙げるなら、振り仮名の多さにちょっと読みにくさを感じる程度です。)
    小学校高学年でこんな難しいテーマの小説を読むのかぁ……と思わず感心してしまいました。

  • うぉ~最後の最後にどでかいのを持ってきたな、感じ入った。下巻の展開が楽しみ。

  • 予備校の試験を受ける為に来たホテルで、孝史は一人の暗い雰囲気の中年男性に、
    異様にひきつけられた。

    深夜、ホテルが火事になり、孝史は逃げ道を失い、死を覚悟していたところ、
    あの暗い男が、孝史を助けに来てくれた。
    急に目の前が暗くなり、空間を移動しているような風を感じ、落下の衝撃で
    現実に戻った。
    目を開けると、そこには燃え盛るホテルではなく、ホテルの壁にかかっていた
    写真の洋館がそびえ立っていた。

    男は自分を、時間旅行者と言った。
    孝史は、昭和11年2月26日未明の東京永田町に、タイムスリップしたのだった。
    この日は、2・26事件の起きる日だった。
    目の前の洋館は、陸軍大将蒲生憲之の館で、歴史的な事実として、この日、
    蒲生大将は自決している。

    男は、蒲生邸に住み込みで働くことになっていて、孝史は男の甥ということで、
    とりあえず館で世話になることになった。
    孝史は、タイムスリップの現実を受け入れることはできず、だまされてるかも
    しれないと、いろいろと探りをいれた。
    すると、次第に蒲生邸のおかしな点に気付き始める。
    そして、事件が起きた。

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著者プロフィール

1960年東京都生まれ。87年『我らが隣人の犯罪』で、「オール讀物推理小説新人賞」を受賞し、デビュー。92年『龍は眠る』で「日本推理作家協会賞」、『本所深川ふしぎ草紙』で「吉川英治文学新人賞」を受賞。93年『火車』で「山本周五郎賞」、99年『理由』で「直木賞」を受賞する。その他著書に、『おそろし』『あんじゅう』『泣き童子』『三鬼』『あやかし草紙』『黒武御神火御殿』「三島屋」シリーズ等がある。

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