青い鳥 (講談社青い鳥文庫)

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感想 : 17
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  • 本 ・本 (320ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062853828

作品紹介・あらすじ

クリスマス・イブの夜。貧しいきこりの兄妹、チルチルとミチルは、ふしぎな妖精のおばあさんに「青い鳥を探しにいってくれ。」とたのまれました。「夜の城」「幸福の館」「未来の王国」……。光の精や、犬や猫たちとともにめぐる冒険の旅で、チルチルとミチルは青い鳥を見つけることができるのでしょうか?


メーテルリンクの戯曲『青い鳥』が発表されたのは、1908年。以来、チルチルとミチルの兄妹が「幸福の青い鳥」を探し求める旅路の物語は、100年以上にわたって世界中の人々から愛されてきました。
今回、江國香織氏に新訳をお願いし、「不思議で深遠」とも言われる『青い鳥』の世界を、子どもたちに楽しんでもらえるように訳していただきました。
挿絵は、自在な線と演出技法で幅広い世代から支持される漫画家の高野文子氏。夢と幻想の世界に誘ってくれる高野氏のイラストにもぜひご注目ください。

【あらすじ】
貧しいきこりの子、チルチルとミチルはクリスマス・イブの夜、ふしぎな妖精のおばあさんに「青い鳥を探しにいってくれ。」とたのまれました。こっそり家をぬけだして、光や水や火、パンや砂糖やミルク、犬や猫の精たちとともに幸福の青い鳥を探す旅に出ます。
おそろしいものが住む「夜の城」、二人をねらう木の精や動物たちのいる「月夜の森」、「幸福の館」、「未来の王国」へ--。
はたして二人は、青い鳥を見つけることができるでしょうか。

感想・レビュー・書評

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  • 成人式の後、親友と行ったスナックの名前が "青い鳥" だった。
    ザ・タイガースが歌った幸福を運ぶ鳥が "青い鳥" だった。
    "青い鳥"ってどんな話か覚えていなかったので、青い鳥文庫で読んでみた。

    チルチルとミチルが青い鳥を探しに行く。
    幸せとは何かを巡る、大いなる秘密をあばきたてるのが "青い鳥"。
    色が青い鳥は沢山いるけど、本物の "青い鳥" は一匹しかいない。
    いろんな所を探し回ったが見つけられない。
    なぜなら、いつもいるのにさっぱり見えていなかった家の中にいたから。

    青い鳥って、物事の本質がわからない人には見つけられない。
    多くの人達は「贅沢」が「幸福」だと勘違いしてしまう。
    幸福の館で贅沢三昧の人達の描写が出てくる場面では「贅沢」に酔いしれている人達が「不幸」に見えた。

    この本を読んで、私も小さな "青い鳥" を見つけました。

  • 高野文子だ!

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    「クリスマス・イブの夜。まずしい木こりの兄妹、チルチルとミチルは、ふしぎな妖精のおばあさんに「青い鳥を探しにいってくれ。」とたのまれました。「夜の城」「幸福の館」「未来の王国」……。光の精や、犬や猫たちとともにめぐる冒険の旅で、チルチルとミチルは青い鳥を見つけることができるでしょうか? 100年の名作を、ワクワクするような新訳で! 」

  • 子供の頃は読んだことなくて、大人になってから読んだら、
    思った以上に深い内容。
    自分を振り返ってドキッとすることも。
    身近な幸せに感謝して生きていこうと思います。

  • ずいぶんと下卑た人間が見えないものを追い求める話と読んだ。とはいえ,登場人物と幻覚を共有できるだけの表現の巧みさを感じた。

    登場人物の多彩さも面白い。喋る犬猫はいいとして,パンに砂糖はどう喋るのか,果てには「光」とか「夜」!この辺りは象徴主義を意識するのが良いのだろう。特に度々言及される「青」には何の意味を含ませているのか。

  • チルチルとミチルが青い鳥を探しに行ったけど見つからず帰ってきて、実は家にいました
    幸せはすぐそばにあるのです
    というあらすじしか知らないなと思い読んでみた
    こんな冒険をしていたんだね

    「幸福の館」のパートが好きだった
    幸福の館には“贅沢”が、いろんな種類の贅沢がいるんだけど、チルチルの帽子についたダイヤモンドを回すと、幸福の館の隣にある「不幸の洞窟」に行ってしまう
    幸福の館は気持ちのいい場所になって“よろこび”がやってくる

    1906年に書き上げられた物語だと思えない
    名作は時代を越える
    優れた表現者は優れた予言者でもある

  • 青い鳥の存在に、気づけるように。
    日常に転がる小さな幸せの種に、気づけるように。

  • ワクワクするファンタジーの言葉の数々にムネが踊ります!

    そして青い鳥とは一体?と読み続けて
    最終的には飼っていたキジバトでした。
    この解釈について、「幸せは身近にあるもの」というものがよく見かけられますが、
    キジバトって、最後逃げてしまいましたよね…。

    そのため、個人的には、青い鳥は幸せを感じられる人、目に見えないものを大切にする人の証と解釈しました。
    青い鳥は幸せを感じられる人にしか見えない特別なもの。
    そしてそれは実は、見ようとしないだけで、
    そこらへんにたくさんいるのかもね?
    なんて思いました。

    このネットの現代だからこそ、心にとても響く本です。
    目に見える評価だけをみるのではなく、
    本当に自分が良いと思ったものに正直にいたいと思いました!

  • 古典名作は読みたいと思いつつ、ついつい後回しになってしまいます。内容を知っている作品ならなおのこと。
    これも子どもの頃に読んでいるのですが、江國新訳を楽しみたいと手にしました。半分以上内容を忘れていましたね。幸せな読書時間でした。

  • ・オリジナルの戯曲を、子供向けの物語として翻案したもの。
    ・大正14年発行の近代劇体系第十巻に収められた楠山正雄氏訳の戯曲も読んだが、翻案の物語は良く出来ていると感じた。大正14年の本は、読めない漢字が少しあった。

  • こういう話だったのか。深い。青い鳥を探しながら訪れたどの場所での出来事も考えさせられることばかりだった。夜の城では悪について、幸福の館では贅沢と喜びについて、未来の国では生まれる使命について…。人は盲目。自分の目の前にある幸せには気がつかないんだな。ないものを求めて苦しむんじゃなくてあるものに満足して喜べばいい。江國さんの訳文も素敵だった。

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著者プロフィール

江國 香織(えくに・かおり):1964年東京生まれ。1992年『きらきらひかる』で紫式部文学賞、2002年『泳ぐのに、安全でも適切でもありません』で山本周五郎賞、04年『号泣する準備はできていた』で直木賞、07年『がらくた』で島清恋愛文学賞、10年『真昼なのに昏い部屋』で中央公論文学賞、12年「犬とハモニカ」で川端康成文学賞、15年『ヤモリ、カエル、シジミチョウ』で谷崎潤一郎賞など数々の文学賞を受賞。他の小説作品に『つめたいよるに』『神様のボート』『東京タワー』『抱擁、あるいはライスには塩を』『彼女たちの場合は』『去年の雪』『ひとりでカラカサさしてゆく』『シェニール織とか黄肉のメロンとか』『川のある街』など多数。『絵本を抱えて部屋のすみへ』『いくつもの週末』『雨はコーラをのめない』『旅ドロップ』などのエッセイ集や詩集・童話・翻訳など多彩なジャンルで活躍。 

「2024年 『読んでばっか』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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