罪の蜜 (講談社X文庫)

著者 :
  • 講談社
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本棚登録 : 182
感想 : 8
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  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062867009

作品紹介・あらすじ

予備校で講師のバイトをしている美大生の嘉藤雄介は、天才的な芸術の才能を持つ高校生・水谷宏司に出会い、羨望と仄暗い嫉妬心を抱く。高名な芸術一家に育ちながら落ちこぼれの雄介は、人知れず深いコンプレックスに苦しんでいた。しかし、そんな雄介に水谷は好きだと告白する。雄介は天才である彼に欲されていることに優越感と歪んだ快感を抱きつつも、自分の過去の罪を水谷に隠していることに怯えていて…。

感想・レビュー・書評

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  • ★4.5。センシティブや読後感良いハピエンしか読んでなかった私がドロドロに目覚めた作品。冒頭からの屈折した空気感や途中挟まれる謎の独白がミステリー小説のようでワクワクしたし、さりげなく年下わんこ攻なのが萌えツボ!▼ネタバレ▼しかも一途わんこが実は執着わんこで、更に病みわんこにまで進化を遂げるとは。あんなに魔性めいていた受も最後には主従が逆転して、気付けば年下わんこの下剋上。病んだ執着関係がこれほど萌えるものだとは…。今まで避けてたドロドロENDにとても興味が湧きました。

  • 丸木センセなのに、近親モノでも3Pでもないから「生温い?」と思ったらそうでもありません。相変わらずのダークでブラックな世界。病んでます…

    舞台は美大系の予備校。天性の画才を持つ高校生の水谷×芸大を目指し挫折したバイト講師の雄介。天才×凡人。
    見てくれは美人で人当たりもいい雄介ですが、実はかなり歪んでます。芸術一家の中で唯一落ちこぼれ、自信を失いコンプレックスを抱き、絵を描くことも苦痛な日々を送っています。しかも、天賦の画才を羨ましく思い嫉妬している水谷に想われていることを知り、そのことに快感を感じて利用し鬱憤を晴らしているようなかなりのビッチ。自分が挫折した芸大に楽勝で進学し、絵が売れて超有名になってもまだ水谷は「好き」と言ってなついてくるのを、突き放さないけど最後まではやらせない。
    そんな雄介が、いつどんな形で男としての矜持を捨てて「受」の立場に堕ちていくのかってことに、興味津々Sゴコロを刺激されました。

    水谷が男っぽいけど健気ですごい年下わんこ攻なんです。一応。
    ビッチな雄介の鬱憤晴らしに付き合わされて、餌はおあずけ状態でそれでも「好き」と言い切る潔さに強気な年下はいいよね…と思ってたら。
    実はすごくドス黒い執着心があったりして。爽やか攻の評価はふっとんだ。

    クライムサスペンス的な味付けで作品の奥行きがふかーく、おもーくなっていて読み応え満点になっています。終盤の大どんでん返しに衝撃。さすが、面白いです。
    ストーリーは真っ黒なのにホワイトハートだし、イラストもご本人じゃなかったのでいろいろ気になったけど読後は期待以上の満足感。
    Hがちょっと省エネ気味でねちっこいのが少なかったのが残念。ただ、少量でも相変わらず粘着系エロの質は保っています。煽られる喘ぎ声も健在。あれほど拒絶していた受がいやらしく豹変するのがツボ。もっとそこを読みたかった。

  • 思いがけず大当たりを引いてしまったかのような。

    元々は、笠井あゆみ先生のイラストの小説を漁っていたときに発掘した本です。丸木先生の小説も、この時点では読んでいて、端正な文章を書かれる方だなと思っていたので、軽い気持ちで。

    いわゆる年下攻めで執着系、なのでしょうか。非凡な才能を持つ攻め(でも本人は、そこまで自分の才能に執着していない。そしてそれが受けをさらに苛立たせるし、憧れさせる)と、攻めが持つ才能を渇望している(けれど、表面的にはそう見させない)、お育ちの良い受け。

    じれじれと距離が近づいていくのが良かったです。前半、攻めがただの可愛いわんこかと思いきや(目が合っただけで顔を赤くしたりとか、とにかく可愛かった)、ぐんぐんとふてぶてしくなる過程も好みでした。
    対する受けも、押されてたじたじになるだけかと思いきや、どこか達観しているような感じで押し倒されたり、かと思ったら快楽に流されまくったりして、キャラ!って感じの一面的な性格をくっつけられただけじゃない性格で大変好みでした。

    この二人のあれやこれは、最終的にはハッピーエンドとなるのでしょうけど、どこか読後感がよろしくないのも、非常に好きです。受けの彼女の小説とか、最後の受けの告白とか、最後の最後でやってくる攻め視点のエピソードとか。

    最後に、笠井先生のイラストが、今のとはまた雰囲気が違って素敵でした。なるほど、ここから今のスタイルに変わっていくのか!と思わせる感じが攻めにあって、でも線が今よりもパキッとしていて。相変わらずの画力だったので、お風呂のシーンのイラストは、しばし眺めておりました。

  • 年下攻めだ~やったー!と思ってうきうき読んでたら、結構どろどろした暗い話でした…。
    カリスマに一目惚れされ執着される優越感に浸ってしまう受けちゃんはなかなかよかった。その一目惚れにも病んだ背景があってますます良かった。思わぬ暗~い奥行きがある話でどきっとしました。

  • つみのみつ、下から読んでも、つみのみつ。

    年下イケメン攻め。執着。言葉攻め。
    基本Hシーンに攻めの喘ぎがあるのが好きなんで。丸木先生の攻めは雄度高くてエロ増しです。
    自身が描かれた挿絵の作品が多いですが、これは笠井さんで耽美萌えも楽しめた。
    ネガティブ受け、執着攻めで全体ほの暗い感じに仕上がっていて大変好みでした。

  • なんだろう、読みやすかった。展開がおもしろかったのかな

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著者プロフィール

埼玉県出身。BL、乙女小説、ゲームシナリオを中心にジャンルを跨いで幅広く活動中。近刊は、『双囚 ふたりの姫は愛獄に堕とされる』 (KADOKAWAジュエル文庫) など。

「2021年 『フェロモン探偵 花嫁になる』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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