調べてみよう、書いてみよう (世の中への扉)

著者 :
  • 講談社
4.15
  • (11)
  • (10)
  • (5)
  • (1)
  • (0)
本棚登録 : 176
感想 : 15
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (170ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062870078

作品紹介・あらすじ

第一章 調べる力と書く力
私がノンフィクションライターになった理由/なぜこの本を書いたのか
第二章 テーマを決めよう
テーマ選びの背景にあるもの/テーマの決め方/キャッチコピーをつける/企画書を書く
第三章 さあ、調べよう
調べるって何?/必要なもの/本で調べる/インターネットで調べる/現地に行く/観察する、体験する/「調べノート」は宝物
第四章 人に会って話を聞こう
話を聞く人をリストアップする/手紙を書く/電話をかけて会う約束をする/会う前に準備すること/会った時どうするか/話の聞き方/ノートのとり方/お礼状を書こう
第五章 さあ、書いてみよう
伝えたいことは一つ/書く順番を決める/書き出しが大事/「私」の視点で書く/伝聞スタイルで書く/会話を書く/引用する/清書する前に/清書する
第六章 書くことの意味って
書くことは読むこと/なぜ書くのか

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 児童向けノンフィクションの書き方本。取材や依頼書のくだりとか、企画書の書き方とか、オトナにとっても大事な要素が盛りだくさんで、とても参考になりました。書くことが好きなんだよなあ、という最相さんの人柄がにじみ出るような好文章だったな

  • 北九州市のノンフィクション受賞作品を引用しながら、「テーマを見つけて、調べて書く」ことを、分かり易く教えてくれる。ついつい、おとなは子どもにテーマを押し付けがちだが、そんなことしてはいけないんだと改めて痛感。私は、学校司書という職業柄この手の本を多く読んでいるが、この本は秀逸。シンプルで核心がきちんと押さえられているので、児童や生徒、学生が読むのはもちろん、指導書としても役立つ。

  • やっぱ最相さんの本はおもしろいな。そもそものやさしい人柄が文章から伝わってくるって、そんな作家さんはなかなかいない。
    この本についていえば、ものごとについて調べる、書くということについてとことんやさしい言葉で書かれていて、そのあたりの仕事を目指すひとにとってはもちろん、そのつもりがなかったひとでも、ライターっておもしろそう、と思ってくれそうな、そんな気がする。

  • 小中学生向け、書きたいテーマの作り方、インタビューお願い方法と作法、書き方の解説。

    1.企画書を書く
    ①タイトル②テーマ③キャッチコピー④テーマ決定理由⑤話を聞きたい人⑥知りたいこと調べたいこと

    2.インタビューお願いの作法
    ①基本は郵送依頼、企画書とともに具体的な質問項目も記載する。
    ②インタビュー後に御礼状を書く(いつ原稿完成し、確認してもらえるかの連絡。新たな質問もしやすくなる。)

    が参考になった。

  • ノンフィクションライター最相さんが、調べること、書くことを紹介する。

    テーマとは
    この広い世界の中であなたが切り取った小さな景色。
    あなたが解き明かしたい謎。
    これから向かう目的地。

    テーマが決まったらキャッチコピーをつける。自分のランドマーク。

    企画書を作る
    ・タイトル ・テーマ ・キャッチコピー ・テーマを選んだ理由 ・話を聞きたい人 ・知りたいこと、調べたいこと ・使用する資料 ・伝えたいこと…など。

    調べる
    本、インターネット。→ノートなどにまとめる
    インタビュー→約束の取り方、お礼。

    書いてみよう
    1番伝えたいことは?
    書く順番を決める→自分つっこみ
    目次にしてみる
    書き出しを考える
    「私」の視点で書く
    →一人称。自分が体験していないことは書けない。事実と想像を書き分ける
    →難しいときは、「彼」「彼女」の視点で書く。伝聞は冗長になりやすい。

    出典、参考文献、引用

    書き上げる→時間を置いて読み直す→清書

    書くことは読むこと

    ☆作文を書くことだけでなく、葉月さんのお仕事への姿勢もうかがうことが出来る

  • ノンフィクションを書こうとしている小中学生に強くすすめたい本。学校の先生が読むと「調べて書くこと」を教えるためのヒントがたくさん見つかります。

  • 小学生向けの本かと思いきや、大人にとっても非常に参考になる本だった。
    短いものでもいいから、ノンフィクションの作品を書いてみたくなった。

  • 最相葉月の2冊目。子ども向けに、ノンフィクションの書き方を指南。とてもとてもわかりやすくて、子どもの頃に出会ったなら「書いてみたい」と思えただろうなと。そこここににじみ出る著者の真摯さ、誠実さに惹かれる。
    ところで。
    この最相葉月さん。読みは「さいしょう」というらしいのだが、私の通う図書館では「さいそう」に分類されていた。音でイメージがずいぶんと変わるなと再認識した次第。

  • 子ども向けにノンフィクションを書くまでのテーマの見つけ方、書く内容についての調べ方、インタビューのしかた、書き方などをまとめたもの。ノンフィクション作家というと硬軟とり混ぜてたくさんいるが、どちらかというと個性の強い無頼派というイメージが強いと思う。そうしたなかで、子ども向けのノンフィクション指南となると、最相さんのように、自分の関心を引いたものであれば小さなテーマでも誠実に追いかける人は打ってつけだろう。
    ところで、こういう本があるっていうことは、今どきの子どもたちは夏休みの宿題でノンフィクション作文を書くというようなものがあるんだろうな。読書感想文もまあ大切なんだろうけど、自分の興味のあることを調べてノンフィクション作文に仕上げるというのもいい勉強になるだろうな。
    ということで、ちょうど夏休みの時期に、ぼくのようないい年したおとなが図書館でこの本を借りてしまったのは、この本を読むことで才能が花開いたかもしれない子どもの芽を摘んでしまったようでちょっと悪かったかな。でも仕事上、多少は文章を書くことがあるので、それにあたり誠実に書くことの大切さを学んだような気がする。

  • 小学生向きだけれど、余計なところが削がれてシンプルに書かれているぶん核だけがわかりやすく残った。大人にも必要な情報ばかり。例に挙げられている小学生や中学生の文からも学ぶことが多い。彼らは「書きたい」にまっすぐ向き合っている。大人は変に考えすぎたり捻りすぎるかもしれない。基本に戻る一冊。

全15件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

1963年、東京生まれの神戸育ち。関西学院大学法学部卒業。科学技術と人間の関係性、スポーツ、精神医療、信仰などをテーマに執筆活動を展開。著書に『絶対音感』(小学館ノンフィクション大賞)、『星新一 一〇〇一話をつくった人』(大佛次郎賞、講談社ノンフィクション賞ほか)、『青いバラ』『セラピスト』『れるられる』『ナグネ 中国朝鮮族の友と日本』『証し 日本のキリスト者』『中井久夫 人と仕事』ほか、エッセイ集に『なんといふ空』『最相葉月のさいとび』『最相葉月 仕事の手帳』など多数。ミシマ社では『辛口サイショーの人生案内』『辛口サイショーの人生案内DX』『未来への周遊券』(瀬名秀明との共著)『胎児のはなし』(増﨑英明との共著)を刊行。

「2024年 『母の最終講義』 で使われていた紹介文から引用しています。」

最相葉月の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×