僕たちの国の自衛隊に21の質問

著者 :
  • 講談社
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感想 : 8
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  • Amazon.co.jp ・本 (242ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062870085

作品紹介・あらすじ

尖閣諸島と竹島の問題に象徴されるように、日中、日韓関係が悪化しています。拉致問題をはじめ、北朝鮮との関係も光明が見えません。安倍晋三首相は、解釈改憲で集団的自衛権を認めました。日本と直接関係がなくても、自衛隊は仲の良い他の国のために、戦争に行かなくてはなりません。安倍首相の狙いは、あきらかに、「戦争のできる日本」へと国を変えることです。

アジアにおける日本、世界における日本のあり方が、どんどん変わってきているのは事実です。では、日本は「戦争のできる国」を選択するべきなのでしょうか。

そのことを知り、未来の日本で選び取るのは、戦場に行かされる可能性のある若い世代です。本書はQ&A形式で自衛隊と日本の国防、米軍との関係について基本的な知識を盛り込みました。中学生でも読めるような設計にしております。

東京新聞論説兼編集委員の半田滋氏は、防衛省・自衛隊の取材を四半世紀にわたって経験しているベテランで、国防関連の講演を相当数こなしています。その半田氏が、平易、かつ、新聞やテレビでは決して触れようとしない国防の本当を語ります。

「北朝鮮からミサイルが飛んできたとき、それを撃ち落とせるの?」「日本国憲法を変えたら、戦争になってしまうの?」「自衛隊に無理矢理入れられる時代は来るの?」といった、だれもが知りたくて、でも、だれも答えてくれなかった疑問に、明快な答えが出ます!

感想・レビュー・書評

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  • 表紙も中身もわかりやすい。
    わが国を取り巻く諸外国との関係、日々心配なものになってきています。
    領土問題に加え、宗教の考えを自己中心的に歪めた暴力絶対主義の組織…。
    確かに日本だけ事なかれ主義で済ませるのは都合のよすぎることかもしれない。けれどもだからといって短絡的に物事を進めてしまっては、将来の子ども達にとって、取り返しのつかないことになってしまうとも思います。
    欲しいものが大きくなればなるほど、人間は恐ろしい。
    なぜ、生きていることそのものに感謝できないのか。なぜ、与えられた場所で身近な人のために働けないのか。
    組織も野心も大きいのはいただけないです。

  • 自衛隊や集団的自衛権について、中高生向けに分かりやすく(ほんとに分かりやすい!)解説した本。書名にもあるとおり、設問に答えていく形なので、目次を見て知りたいことが書いてあるページをピンポイントで読んでもよさそうです。

    説明が具体的なところが良いです。例えば「アメリカ軍基地がある街の騒音はどれくらいか」という疑問に、「これくらいの音が、一日平均これくらい」という感じで、実例と数字が書いてあったので、想像しやすいなぁと感心しました。

    ただ、安倍政権がキーポイントの本なので、資料としての寿命が短そう(まさに、今読む本!という感じ)なことと、集団的自衛権行使に反対!という主張が結構強いことが気になりました。主張が一貫しているのはいいんですが、読者が自分で考える時に必要になるはずの賛成派の意見についてはよく分からないまま読み終えました。
    その辺を自分で補えるなら、良い本だと思います。

  • 判断のため。
    う~ん、時事ですなぁ。

  • どちらかというと反政府派の意見。自衛隊の組織や活動について詳しく書いてあるので、入門書として相応かなと。恥ずかしながら自分も知らなかったことが多々あった。それにしてもこういったことは知れば知るほど自分の存在の小ささを感じてならない。あと生徒にすすめるなら賛成派の本も合わせて紹介することも大事かと。

  • 長年新聞記者として活躍してきた著者が自衛隊やそれに関わる政策や法案などについてQ&Aスタイルで述べてます。児童生徒向けに書かれているので、わかりやすい本です。
    著者の立場は完全に安倍とは反対で、憲法改正や集団的自衛権の問題点がよくわかります。また、本の中に自衛官の言葉が時折引用されていて自衛官の気持ちもわかりました。
    戦争が確実に近づいている現在、保護者や教員に読んでもらいたい本です。

  • 世界から「平和国家」と思われるようになった日本。第二次大戦後、日本国憲法で戦争の放棄を設定し、70年に渡って戦争に関わらずにきたからだ。けれど、2014年7月1日、安倍晋三総理大臣は憲法の解釈を変え、集団的自衛権の行使を認めることにしたのです。

    日本は現在、確かに平和だ。けれど、
    北朝鮮は核兵器の開発をすすめているし、韓国や中国やロシアと領土問題がある。
    日米安全保障条約を理由ににほんにきちをおくアメリカ軍が眼を光らせているから戦争がおきないのか?では、日本に米軍基地は必要不可欠なものなのか?
    戦争をしない日本に自衛隊あるのはなぜ?
    世界で紛争が起こっている時、アメリカと協力関係にある日本はどのようにしてきたのか。

    集団的自衛権が認められるとは、どんな事につながってゆくのか。

    未来については、少し飛躍的に描いているようにも思うが、歴史をふりかってもても、絶対に日本は二度と戦争をしない、とは言い切れない。悲しいことだけど。

  • 自衛隊に対する認識が変わった。阿部総理に対する認識も変わった。ニュースはあまり見ない人間だから結構役に立った。

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著者プロフィール

1955年、栃木県生まれ。防衛ジャーナリスト。元東京新聞論説兼編集委員。獨協大学非常勤講師。法政大学兼任講師。1992年より防衛庁(現在の防衛省)取材を担当。主な著書に、『変貌する日本の安全保障』(弓立社)、『検証 自衛隊・南スーダンPKO-融解するシビリアン・コントロール』(岩波書店)、「日本は戦争をするのか-集団的自衛権と自衛隊」(岩波新書)、『零戦パイロットからの遺言-原田要が空から見た戦争』『僕たちの国の自衛隊に21の質問』(ともに講談社)などがある。

「2022年 『戦争と平和の船、ナッチャン』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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