キャラ化するニッポン (講談社現代新書)

著者 : 相原博之
  • 講談社 (2007年9月19日発売)
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  • Amazon.co.jp ・本 (192ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062879101

作品紹介

キャラなしでは生きていけない。キャラクターと日本人の強固な精神的絆を読み解く。

キャラ化するニッポン (講談社現代新書)の感想・レビュー・書評

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  • 「○○キャラ」というようにキャラによるパーソナリティの決定が最近多いなと感じてこの流れは何だろうと思って手にとった。

    正直、人を「○○キャラ」という風に規定し、その通りの言動をしないとキャラと行動が一致しないなどという会話にやや下らなさを感じている。人間はそんなに単純ではない。

    一方で、「キャラ」を立てることで人との関係を円滑にすることもできるのだなとも感じる。

    キャラを立てることが「エッジ」を立てるまでの間の代わりなのか。

    またキャラの決まり方が集団の中での相対的なポジションで決まる。

    「対外的パーソナリティと対内的パーソナリティ」・「身体と内面」の間で整合性が取れていればいいのだが、ここにギャップがある中でキャラを演じつづけて本当にその人間を理解できることになるのかななどと考えてしまった。
    人の認知を怠けすぎていないだろうか。

    キャラ問題については俯瞰的にこの状況をもう少し見て行きたい。

  • つい最近「キャラ」というものについて考える機会があり、関心を持っていた所でたまたま本書が目についた。『キャラ化するニッポン』という題で著者はバンダイキャラクター研究所所長、なるほどこれは面白そうだということで読んでみることにした。

    「キャラ化」とは私たちが生身の現実世界よりも仮想現実、キャラに強い魅力やリアリティを感じる現象のことである。その一例としてストレス度の高い小学生がアニメキャラクターに親友や父親以上の安心を覚える、なんて驚きのデータもあるそうだ。また人々が漫画やアニメのキャラクターに愛着を感じること以外にも日本では様々な分野において「キャラ化」が進んでいると著者は言う。

    例えば政治における「キャラ化」の端的な例として挙げられているのが宮崎県の東国原知事。ひと昔前であれば地方の一知事がTVのワイドショーなんかに出ていれば「そんな暇があるならもっと働け!」と言われようものなのだが、実際は絶大な人気・知名度を得ている。「キャラ」としての東国原知事に「キャラ化」した民衆が魅力を感じた、ということだろう。

    本書ではこうした「キャラ化」の事例が政治の他にも経済・芸能・コミュニケーション等々取り上げられている。特にコミュニケーションの「キャラ化」は筑波大学で伺った内容とも関連しているところもあり、興味深い事例も多かった。ただ「キャラ化」の事例紹介に終始している感じがあり、その社会背景や今後の展望についてはデータも少なく論も浅く残念だった。

    一方この著者が上手いと思えるのはこの「キャラ化」という現象に対して中途半端に自分の意見を差しはさんでいない所。恐らくあえて自分の意見を排除しているのだろう(そのせいで論が浅くなってしまっている気もするが)。著者の主張がないため少し歯がゆさがあるのだが、そうすることによって読者が「キャラ化」の是非について自分自身で考えて欲しい、と言う意図が読みとれる。個人的な意見としては過剰な「キャラ化」には根拠のない不安を覚えるものだが・・・僕自身、「キャラ化」しているという自覚もあるので何とも言えない気分である。

    日本が「キャラ化」しているというのは間違いない事実だ。ではこの「キャラ化」が進んでいる社会がこのままいくと10年後、20年後どうなっていくのか・・・是非考えて欲しい。その取っ掛かりとしての1冊である。

  • 現象としては分かるよ!!俺もキャラ化するべきだなーって…

    けど、本としては欠陥!!対策としては、芸能人、メディア、携帯端末、小説、商品、全てを包括して書くことという水平的な記述よりも、ひとつひとつのチャプターの深さを垂直的に考察するべきだった思う。

    そもそも、キャラ化とは…という定義がなされていない!

    あと、先行研究の評価なんだけど…「キャラ化」を裏付ける根拠の信憑性、妥当性としてジャン・フランソワ・リオタールの「大きな物語」の凋落に依拠しているんだけど、このおじさん『ポストモダンの条件』読んでねえー。もう一点、インターネットの「キャラ化」について、東浩紀の『動物化するポストモダン』にもたらされる知見に依拠しているんだろうけど…


    p142―これまでのWebサイトでは、常に段階が問題になった。ビューワーは上位階層からその興味に従って下位階層へとその世界観を探索する。その中にある掲示板や日記は単独で存在しているのではなく、あくまでWebサイト全体の「大きな物語」によって規定されているのだ―

    と『Webサイト全体の「大きな物語」』に言及しているんだけど、当の東氏は、インターネットについて、―そこには中心がない。つまり、すべてのウェブページを規定するような隠れた大きな物語は存在しない―『動物化するポストモダン』p52

    といってはります!!
    そんな感じの残念な本

  • 「キャラ」という観点から、リアリティが仮想現実によって変容されつつあることを論じた本です。

    私たちは、マンガやアニメが作り出す「仮想現実」の方により強いリアリティや共感を覚えるようになってきていると著者の相原氏は言います。政治家も「キャラが立っている」ことが何よりも重視され、現実の人間関係も自分がどのような「キャラ」として認識されるのかということが重要になってきています。こうした「キャラ」による現実の侵食にともなって、私たちは生身の身体ではなく、むしろ「キャラ化」した身体を生きるようになってきているのではないかと氏は論じています。

    仮想現実が社会の隅々にいきわたることで、私たちが現実感をしだいに失ってきつつあるのではないか、という批判的な視点からではなく、「キャラ化」した身体によって仮想現実的なリアリティを生き始めているという事実を、中立的な立場から分析した本と言えそうです。ただ、「キャラ化」という視点を提出しただけにとどまっていて、そこから具体的にどのような展望が開かれるのか、ということに立ち入った考察がなされておらず、かなり薄っぺらい印象を受けます。

  • あまり読みやすくはない。ところどころ面白い描写があるかな。

  • 「セカンドライフ」とか「ケータイ小説」なんて言葉が出てくると、正直ずっこける(笑)。出版されたのが2007年という懐かしさ。

  • 自分がかなり、この本で言うところのキャラ化されているため新しい驚きは少なかった。この本は初音ミク登場の前だし、いまの時代でキャラクターという観点でなにか書いてほしいなーと思った。

  • のだめ的なキャラを実写化することで、キャラを完璧に演じられた上野樹里は実際にはリアルなのかどうなのか?
    コスプレ以上のアンチエイジング化は、リアルよりもドールに近いのでは?
    コミュニケーションにおいてもキャラはらくちん。キャラの範囲で振る舞えばよいのだから
    キャラがなかったり、かぶることが存在価値がないこととイコールになってしまう危険性
    ケータイ小説でも一人称のキャラの独白ばかり
    客観性の必要性

  • セカンドライフの話題などなかなか懐かしいとこも。

  • 地元の図書館で読む。期待はずれでした。ただし、広告代理店出身のシンクタンクの研究者には、荷が重い気がします。自分の欲しいものは、自分で書くべきです。

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