ベートーヴェンの交響曲 (講談社現代新書)

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本棚登録 : 229
レビュー : 36
  • Amazon.co.jp ・本 (272ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062879156

感想・レビュー・書評

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  • 曲に物語を見出していたり、歴史背景とベートーヴェンと結びつけて考えたり、金聖響が好きなことを語っている。この人の感じ方が面白い!

    音楽を言葉にするのは抽象的になって難しいけど、言葉に表して分かり易くしていく作業が必要だとわかった。

  •  よい音楽書はそこで言及されている曲が聴きたくなることが多いのだが、これは困った。ベートーヴェンの交響曲が聴きたくならない『ベートーヴェンの交響曲』なのだ。
     著者は金聖響。もう若手といってはいけないのかも知れないが、若手指揮者である。ベートーヴェンの交響曲をhistorically informed performanceで演奏したCDを出して、ファンをあっと言わせた彼である。そういうベートーヴェンは海外ではいくらでもあるのだが、日本人の若手指揮者が見事にやってのけたというので画期的だった。最初のCDはよかったが、続く録音はいまだ不消化なものを感じたことも否めない。そんな金がベートーヴェンの交響曲に関する本を出すことを求められ、クラシック音楽の文筆家でもある玉木正之と共著ならということで受諾したのだというが、玉木の関与は巻頭巻末の短い対談だけで実質は金の単著である。
     原稿用紙に金自身が執筆したのか、語りを原稿起こししたのかわからないような口語体のタッチでそれは読みやすいが、内容的には楽譜からどう音楽を読み取るかという話から、ベートーヴェンの伝記的な逸話まで、かなり雑多なものであり、正直なところまとまりがない。指揮者が練習中に楽員に語った四方山話のような趣なのだ。こんなにたくさん話して肝心の練習時間を減らしてしまう指揮者もいないだろうが、まだまだ発展途上の指揮者としてはいいたいことが一杯あるのだろう。それを練習中に話すわけにもいかず、ここで多くの読者に語っているようにも思える。こんな話を聞きながら実際にベートーヴェンの交響曲を練習してみたい。
     そうなのだ。これはマエストロ金のもとで楽器を持ってみたくなるような『ベートーヴェンの交響曲』なのだ。さあ「トォテテ テテテイ」。

  • 本書が刊行されて1年半。出てすぐに買ったのですが、読んでいませんでした。パートナーが音楽をやっているので、彼女が読むだろう、くらいのつもりで買っておいたのですが、一向に読む気配もなく、本棚の肥やしになっていました。今回、続編として「ロマン派の交響曲」が出版されたので、これは何としても先の本を読んでからと思い立って読み始めました。実は、新型インフルエンザ騒ぎで、突然1週間時間ができてしまい、外に出歩くわけにも行かず、ベートーヴェンのCDを聴きながら読み通したのです。おもしろい。本自体のおもしろさもさることながら、そろえるだけそろえて聴いていなかった交響曲が聴けたのも良かった。特に、2番、4番あたりは、たぶんCDを買って一度聴いたきりで、その後かけていても、半分寝ながらだったりで、意識して最後まで聴いたことはなかった。それを今回じっくり、本を読みながら、聴き通してみました。実にいい。2ヶ月ほど前、子どもたちもつれて、シンフォニーホールへ聖響さんの指揮で1番と5番を聞きに行きました。事前に本書を読んでおけばと後悔しているところです。「運命」のダダダダーーーがダダダダーになっている理由が分かりました。エグモンド序曲(=交響曲5番第5楽章・・・本書のアフタートーク参照)もちゃんと演奏されていました。かっこういい。本書を読んであらためてファンになりました。「ビールと音楽はやはり生がいい。」

  • 図書館の新寄贈本棚に入ってたので借りた。すごくおもしろかった〜!クラシックは好きで、でも、ピアノはやってたけど〜程度な聴くだけ初心者の私にはぴったりの本だった。なにげなく聴きながら読みすすめたので時間はかかったけど、ベートーヴェンの交響曲9曲がぐぐぐっと親しみやすくなった〜。コンサートも行きたいなぁ〜。この本がこんなにおもしろく感じられたのは、指揮者である著者・金聖響さんが良い悪いでは語らず「音楽とは好き嫌いでしかない」というスタンスだから。音楽に対する立ち位置が、私と一緒なので、本当に読みやすかった!

  • 我らが神奈川フィルハーモニー管弦楽団の常任指揮者であった金聖響氏が、人類の至宝たるベートーヴェンの交響曲全9曲について語りつくすという本です。

    ベートーヴェンの交響曲が大好きだ!という方にはもちろん良い本だと思いますが、いまいちピンと来ないという方にこそ読んでいただきたい本でもあります。おもしろく聴くためのヒントが詰まっています。

    ベートーヴェンの交響曲の中で、第3番と第8番がわたしにとっての「鬼門」でした。どうしても好きになれない。第8番はそもそも良いところがない、第3番は多少聴けるところもあるがいかんせん長すぎて飽きてくる、というのがその理由でした。

    第3番については、本書を読んでから改めて何度か聴きなおしているうちに、いつのまにか大好きな曲に変わりました。ついつい実演にも顔を出してしまう。再現部の第1主題の終わりのところ、なんとなくモーツァルトを思わせるフレーズなのですが、神々しさに打ち震えるくらいです。

    作曲の経緯、スコアそのものの分析、指揮者・演奏者サイドの工夫、はたまたピリオド奏法と現代奏法についての見解を伺えたり、軽妙な語り口の中にマニアをも納得させる濃い話が展開されています。

    "よく「古い音楽を何度も同じように繰り返し演奏して、どこがおもしろいのか……」などという人もいますが、とんでもない話です。楽譜の曖昧さとベートーヴェンの悪筆のおかげで(笑)、新しく考えられること、挑戦できることは山ほどあるのです"(P.73)

    一時期傾いた神奈川フィルもどうやら持ち直してきたようです。金聖響氏は残念ながら2013年シーズンをもって退任されたようですが、これからの氏の「挑戦」を腹の底から楽しみにしております。

  • この本は愛蔵するべき本でしょう。
    実際に曲を聴きながら読むのが一番だと思う。
    1番、2番、8番、確かにあまり聴かない曲でした…(^^;)
    早速聴いてみよう!

  • 指揮者がどのように曲を解釈しているのか、とても参考になりました。

    作曲された時代背景や価値観などバックグラウンドを掘り下げていくとさらにその曲のことが理解できるし味わい深くなります。
    「音で語る」音楽家が「言葉」でベートーヴェンの音楽について楽譜の原典に当たったり、歴史や人物など深く調べてわかりやすく解説してくれています。
    文体も堅苦しくなく読みやすいです。

    実際に曲を聴きながら再度じっくり読みたいと思います。

  • いやぁ、素晴らしい!
    いい本に出会えました。

    指揮者がどのように曲を解釈しているのか、とても参考になりました。

    曲はそのバックグラウンドを掘り下げて初めて味わい深くなります。
    著者は楽譜の原典に当たったり、歴史や人物など深く調べていることが分かります。

    現在小生が所有しているフルトヴェングラー、カラヤン、ワルター、マゼールのCDで比較してみて、解釈の仕方によってこれほどまでに演奏に差が付くことが良く分かりました。

    おススメCDを紹介しているのもいいですね。

    思わずカルロス・クライバーの名演の第4を(ついでに第7も)購入しました。
    クライバーの演奏とフルトヴェングラーやワルターなどの大指揮者の演奏を聴き比べるのがとても楽しくなりました。

  • 【推薦文】
    一曲一曲が独特な特徴を持つベートーヴェンの交響曲。メジャーな交響曲から、マイナーな交響曲に対して、プロの指揮者が解説した本。読みながら曲を聴けば、新しい発見があるかも?
    (推薦者:集積システム専攻 M2)

    【配架場所】
    大岡山: B1F-一般図書 764.31/Ki

  • 以前、同著者の「ロマン派の交響曲」を読んで、
    この本を先に読めば良かったと思っていたのですが、
    ようやく読みました。

    僕はベートーヴェンの楽曲は大好きですし、
    交響曲は全曲、何回も繰り返し聴いています。
    それでも、新しい魅力、視点が発見できました。

    この本には、あまり楽譜がで出てきません。
    その点、よくある解説書よりも読みやすいと思います。
    金さんのわかりやすい語り口もあって、
    入門にはもってこいです。
    ベートーヴェンの交響曲を聴いたことない人、
    ちょっと抵抗感を持っている人にはオススメですよ。
    僕もベートーヴェンの9つの交響曲、
    また一から聴き直したくなりました(笑)

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