視点をずらす思考術 (講談社現代新書 1930)

著者 :
  • 講談社
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本棚登録 : 320
感想 : 43
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  • Amazon.co.jp ・本 (200ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062879309

作品紹介・あらすじ

空気を読むのをやめてみないか!メディアの常識に従わずに世界を見つめる試み。

感想・レビュー・書評

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  • 二項対立を疑い、グラデーションで考え抜く。その森さんの姿勢がすごく好き。2008年発刊だけど、今の時勢にも共通して言えること多し。

    • 猫丸(nyancomaru)さん
      「森さんの姿勢がすごく好き」
      スパっと切ってしまう人は格好良いけど、そうじゃない森達也。もっと格好良い。。。
      「森さんの姿勢がすごく好き」
      スパっと切ってしまう人は格好良いけど、そうじゃない森達也。もっと格好良い。。。
      2014/05/13
  • 結論を先延ばしにしたっていいじゃないか。
    森さんは、そういいます。

    今もし悩んでいることがあったとしても、
    10年後には笑い話になっているかもしれない。

    急いで結論を出さなきゃならないこと
    なんて、そんなにある?

    悩みは、いつも見える大事なところに、そっと
    おいて、悩み続けたっていいんだ。

    葛藤や煩悶を忘れてしまうほうが、
    ずっとずっと良くないこと。

    焦って答えを見つけようとせず、悩みを
    きれいに包んで見えるところに飾っておこう、
    など。

    そういえば、私の悩みたちは、どこかの引出しの
    奥深くに突っ込まれたまま、埃をかぶって
    眠っています。

    答えを出さなくていいなら、
    そろそろ引っぱり出して、きれいにして飾って
    あげようかな。

    • 猫丸(nyancomaru)さん
      「見えるところに飾っておこう」
      飾ると、また違って見えて「何~だ」ってコトになってアッサリ解決するコトも←全部じゃないけどね。
      「見えるところに飾っておこう」
      飾ると、また違って見えて「何~だ」ってコトになってアッサリ解決するコトも←全部じゃないけどね。
      2012/12/19
  • メディアは客観的でなどあり得ないという当たり前のことを反芻し、染み付けるための教科書

  • 森達也の随筆集。タイトルは誇張な気もするが("視点をずらす思考術"を体得できるかといったら微妙なところ)、筆者がタイトルを体現していることは間違いない。折に触れ読み返したい。

  • メディアは公正な報道ができているのか?宗教は戦争、殺戮と親和性が高い。死刑がどう行われている拡大的に知らないのに賛成。

  • 左翼的論評だが、少しは傾聴できるところもあった。

  • 自らKY、ずれている、という森達也氏。その資質が、オウム真理教を内側に入って追った『A』や、放送禁止歌やエスパーなどの一風変わった対象のドキュメンタリの作成につながってきたのではと解説する。その森さんのエッセイ集。

    エッセイ集なので、対象を絞った、その中で悩み抜く森さん特有の魅力はこの本にはない。もしくは薄い。

    この本の中でも死刑制度や、天皇制に対するメディアの自粛(に代表されるメディアの変質)などへの言及は、すでにどこかで聞いた既視感があるが、きれがある。きれとは、ずれだ。

    メディア批判も相変わらず。ここが著者の設定するプロブレマティックの中心にあるからだ。メディアが持つ力に対して、権力ではなく権力性だと主張する。権力とは認めない、と。なぜならメディアは自らの力に無自覚であるからだと。そして、これが大事なのだが、「権力を権力たらしめるのは自覚だ。メディアにはそれがない。だからこそ無軌道になる」と指摘する。いっそのことメディアが権力であればまだしもよかったということも多いのかもしれない。

    面白くないわけではないが、森さんの著作を読むのであれば、『A』シリーズや『エスパー』シリーズ、『死刑』に関連するシリーズなど、もう少し骨のあるものをお薦めしたい。もう読んだのであれば、これも。

  • ・人は異団体の同族を天敵として作り出す・ヤギ要素を持つ羊であれ・メディアはそもそも危機を煽る存在・憲法は理想であるので,現実とずれることに意味がある・愛することを強要しない・名前づけにより,概念は実体化し感染性をも獲得する・「優しさ」は断罪できない故に厄介・仏教は「わからない」ことを内包する・撮影された「映像」に無作為なものはありえない・大半の宗教は死と生の価値を逆転させる・死後の担保こそ,宗教の最大の現世利益・「記者どもよ,思い出せ,俺たちゃ元々ヤクザなんだ」

  • 久しぶりに、森達也さんの作品。
    おもしろいけど、タイトルが平凡で、そこだけ少し残念。
    やっぱりこのひとが感じてきた違和感を読んでいると、すごいひとやなぁと思いつつも一方で、全力で共感する自分がいて。
    もっと、ものごとをゆっくり見つめる時間があれば、誰でもこういう違和感を抱くような気がする。わたしも、できるだけごまかさずに生きていきたいです。

  • 「ずらす」のではなく「ずれている」だけ
    本書のアマゾンレビューのタイトルである。なかなか痛いところをついている。多分著者もわかってはいるのだろうが、「思考術」というタイトルはやはり看板に偽りありだ。いつもの森エッセイと考えたほうがよい。ただし、PTSDに関する見方など、思わず膝を打つ場面も多く、それなりには楽しめた。

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著者プロフィール

森 達也(もり・たつや)
1956年、広島県呉市生まれ。映画監督、作家。テレビ番組制作会社を経て独立。98年、オウム真理教を描いたドキュメンタリー映画『A』を公開。2001年、続編『A2』が山形国際ドキュメンタリー映画祭で特別賞・市民賞を受賞。佐村河内守のゴーストライター問題を追った16年の映画『FAKE』、東京新聞の記者・望月衣塑子を密着取材した19年の映画『i-新聞記者ドキュメント-』が話題に。10年に刊行した『A3』で講談社ノンフィクション賞。著書に、『放送禁止歌』(光文社知恵の森文庫)、『「A」マスコミが報道しなかったオウムの素顔』『職業欄はエスパー』(角川文庫)、『A2』(現代書館)、『ご臨終メディア』(集英社)、『死刑』(朝日出版社)、『東京スタンピード』(毎日新聞社)、『マジョガリガリ』(エフエム東京)、『神さまってなに?』(河出書房新社)、『虐殺のスイッチ』(出版芸術社)、『フェイクニュースがあふれる世界に生きる君たちへ』(ミツイパブリッシング)、『U 相模原に現れた世界の憂鬱な断面』(講談社現代新書)、『千代田区一番一号のラビリンス』(現代書館)、『増補版 悪役レスラーは笑う』(岩波現代文庫)など多数。

「2023年 『あの公園のベンチには、なぜ仕切りがあるのか?』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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