- Amazon.co.jp ・本 (192ページ)
- / ISBN・EAN: 9784062879316
作品紹介・あらすじ
語られなかった歴史の真相。徳川家臣団3万人はどこへ消えたか。
感想・レビュー・書評
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江戸城の無血開城により、德川将軍家は駿府城が居城となり静岡藩の一大名に転落した。俸禄を失った徳川家臣団は大リストラの煽りを食って、身の振り方の選択を迫られる。➀新政府に帰順し朝臣となる(政府に出仕)➁御いとま願を出し農業か商売を始める③無禄覚悟で新領地静岡に移住する。・・新政府に仕えることを潔しとせず、武士の意地を貫いた幕臣たちには、厳しい運命が待っていた。本書では、騒乱の時代に生きた幕臣たちの生き様を通して維新の一断面を知ると共に、新政府で辛酸を嘗めた会津藩士や仙台藩士らへの憐憫の情が奮い立つ。
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明治維新後、「賊軍」の烙印を押された幕臣(徳川家臣団)とその家族がどう生きたかが書かれた本。
歴史はどうしても勝者側にスポットライトが当たります。しかし、敗者となった側にも目を向けることで、歴史をより深く理解できます。 -
内容ですが、
まえがき
第1章 徳川家の大リストラ
第2章 激動の幕末を見た御家人
第3章 静岡藩の消滅
第4章 西南戦争と江戸っ子気質
第5章 江戸ブームの到来
あとがき
となっています。
我々が習う近代史は、勝者の薩摩・長州藩側の立場からの視点である。
欧米列国の脅威から日本という国を守るという観点から言えば、徳川幕府も様々な取り組みを行ってきたのであるが、如何せん戊辰の役で敗者となり、明治維新を迎えてしまった。
近代日本に限らず、敗者の立場に立った視点は古今東西の歴史に共通するのではあるが、この本は、敗者として生きなければならなかった徳川家幕臣がどのように生き続け、何を感じ、明治という時代をどう見ていたかを明らかにしたものである。
現代に生きる人間、また将来の日本人のためにも、しっかり徳川側からの歴史的事実も知っておかなければならにことだと私は思います。 -
最近マイブームな「敗者の歴史」の一環
どんどん長州が嫌いになってく
薩摩の大義はまだ分かるけど、長州の気質が馴染まない
松平容保の子と大久保利通の孫との邂逅はしびれる -
普段スポットの当てられない明治維新後の幕臣について書かれた本.フランス式の改革を行った後の幕府は倒幕派に勝るとも劣らないほど先進的だったことが興味深かった.同時に歴史は勝者によって紡がれる物ということも実感した.
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2009/12/11
幕臣達が、明治維新後、どのような生活を送ったかという本。
観点は良いけど、書いてある内容は扇情的でなく、普通” -
[ 内容 ]
語られなかった歴史の真相。
徳川家臣団3万人はどこへ消えたか。
[ 目次 ]
第1章 徳川家の大リストラ(幕臣たちの選択;帰商・帰農の道;無禄移住の実態;)
第2章 激動の幕末を見た御家人(幕臣の格差社会;大事件の現場;上野戦争)
第3章 静岡藩の消滅(静岡藩は人材の宝庫;東京に出た者たち;茶畑の開墾;静岡藩士山本政恒の自立)
第4章 西南戦争と江戸っ子気質(士族たちの不満;西郷びいきの江戸;薩長維新史への反発)
第5章 江戸ブームの到来(東京開市三百年祭の挙行;記録されていく江戸;幕臣の自分史;受け継がれていく幕臣の会)
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[ 関連図書 ]
[ 参考となる書評 ] -
明治維新で敗北した側(幕府側)についた一般市民(主に武士)が明治維新時代をどう生きていったかを記した本。歴史上に名を残して散った人ではなく、一般市民に焦点をあてた解説本。なかなか面白い。