見えないアメリカ-保守とリベラルのあいだ (講談社現代新書)

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  • Amazon.co.jp ・本 (248ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062879491

感想・レビュー・書評

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  •  本書は、アメリカという国家の内実を詳しく描いている。その姿は一般に知られているよりも多くの顔を持ち、著者はそれを「多様性」と表現しているが、全体像はわかりにくいと感じた。
     本書の「保守とリベラル」「都市―移民のシェルター」「南部―怒りの独立王国」「信仰―共同体にひそむ原理主義」、どれもがアメリカの一面であり、アメリカの顔なのだろう。それぞれの現状は、本書によってある程度はわかったような気持ちになるが、これらへの分析や考察がちょっと不足しているように感じた。
     それぞれの国には独自の文化や歴史があり、それにより個性的な国民性が形成されていると思う。アメリカにも一般に語られる「自由」だけではなく、独自の文化的特性があることが、本書でよくわかる。
     一般に新書の終章では、それまで明らかにされた内容から結論を引き出すことが多いのだが、本書での終章「自由主義―アメリカ精神の奥底」は、わかりにくい。本書ではアメリカの多様性は描かれているが、それが何を意味するのか、それが何を生み出しているのか、それが歴史的にどういうことなのかの考察が少ないと感じた。その意味で、読後にちょっと物足りない不満感を感じた。残念な書である。

著者プロフィール

広告業やアグリテックの分野で活動する機械学習エンジニア。2017年10月に株式会社iMindを設立。PythonよりもJuliaの方が好きですがあまり使う機会に恵まれません。

「2020年 『数式をプログラムするってつまりこういうこと』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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