「昭和」を点検する (講談社現代新書)

  • 講談社
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本棚登録 : 114
レビュー : 12
  • Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062879507

作品紹介・あらすじ

なぜ、あの無謀な戦争に突入したのか? 五つのキーワードがあぶり出す日本人の弱点。昭和史研究の第一人者が、 いまの時代にどうしても語っておきたかったことを凝縮した珠玉の対論。序章  ありふれた言葉で昭和史をよむ/第1章 世界の大勢/第2章 この際だから/第3章 ウチはウチ/第4章 それはおまえの仕事だろう/第5章 しかたなかった

感想・レビュー・書評

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  • ”世界の大勢”、”この際だから”、”ウチはウチ”、”それはおまえの仕事だろう”、”しかたなかった”という5つの言葉を鍵として、何故あのような戦争に突入していったのかを中心に昭和を読み解く。


    <blockquote style="background-color:silver; padding:0.5em;">天皇陛下は、大元帥閣下であるとともに天皇陛下である。(中略)したがって、大元帥閣下は大文字の天皇陛下の家来であるという風に理解すると、終戦の時の天皇陛下の決断は良くわかる。
    </blockquote>

  • 保坂氏の「空気を読む奴ばかりだったら、世の中おかしくなりますよ」に強く同意。結局、昭和の大日本帝国は「空気を読まない奴は潰す」という狂った空気のせいで滅亡の憂き目を見た。おかしな空気を作り出してはならないし、そんな空気を読んでもいけない。戦争の教訓は、突き詰めていくと、この一点に尽きると思う。

  • 烏兎の庭 第五部 書評 8.30.15
    http://www5e.biglobe.ne.jp/~utouto/uto05/bunsho/tenken.html

  • 頭ではなく肌で戦争を知る世代の二人の対談で表現された「戦前」昭和の点検。軍と軍人の馬鹿っぷりへの批判は、対談形式ということで感情的な盛り上がりを見せるが、編集側が準備した進行のキーワードが面白い。「世界の大勢」「この際だから」「ウチはウチ」「それはおまえの仕事だろう」「しかたなかった」。。。こうした揶揄が、現代日本の組織(特に昭和を引きずる組織)きっちりと引き継がれている気がしてならない。平成の世代に期待したくなる。

  • 歴史を学ぶことは、これからに通ずると思って読んでいます。
    反省すべき点は反省して、きちんと自らを捉えることが大事だと思います。

    「世界の大勢」、「この際だから」、「ウチはウチ」、「それはおまえの仕事だろう」、「しかたなかった」という五つのキーワードを章ごとに挙げて、保阪正康さんと半藤一利さんが対談形式で進行します。
    今でも使いそうな言葉で、昭和前期を検証しています。とても読みやすいと思います。

    第三章のジャーナリズムについてのところは、ゾッとします。今の日本も情報がたくさんありすぎて、マスコミに振り回されてばっかりなので。

  • 感想未記入

  • 私自身、日常生活の一挙手一投足を点検する必要があると感じたのは、久しぶりに“点検”という語彙を目にしたからである。・・あまり本の本質とは違うね。

  • 半藤一利の本はいままでに数冊読んでいるので、あまり新しい情報はなかったが、この5つのキーワードで整理したときに日本人の行動パターンが最近も変わっていないことを再度確認できた。
     「世界の大勢」=近代日本の呪文、
     「この際だから」=原則なき思考、
     「ウチはウチ」=国家的視野狭窄、
     「それはおまえの仕事だろう」=セクショナリズムと無責任という宿痾、
     「しかたなかった」=状況への追随、既成事実への屈服
    歴史から学べない民族は再び同じ間違いを繰り返す。軍部の暴走を招いたのは、統帥権の干犯などとくだらない議論を持ち出した野党政治家であり、不毛な政党政治だ。新聞をはじめとするマスコミも戦争を煽った。しかし、ファシズムが悪かったことにして、反省なしで今日まで来ている。
     戦争当事者もすでに大部分がなくなってしまった今、どうやって戦争を総括したらよいのか難しい問題だ。

  • [ 内容 ]
    なぜ、無謀な戦争に突入していったのか。
    五つのキーワードがあぶり出す日本人の弱点。
    昭和史研究の第一人者がどうしてもいま語っておきたい歴史の虚実がここにある。

    [ 目次 ]
    序章 ありふれた言葉で昭和史をよむ
    第1章 世界の大勢-近代日本の呪文
    第2章 この際だから-原則なき思考
    第3章 ウチはウチ-国家的視野狭窄の悲喜劇
    第4章 それはおまえの仕事だろう-セクショナリズムと無責任という宿痾
    第5章 しかたなかった-状況への追随、既成事実への屈服

    [ POP ]


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    [ 関連図書 ]


    [ 参考となる書評 ]

  • 日本が太平洋戦争に巻き込まれ、配線に向かった原因を官僚たちの不手際という点で検証している。

    「世界の大勢」
    「この際だから」
    「ウチはウチ」
    「それはおまえの仕事」
    「仕方なかった」
    官僚的な言い訳をテーマに昭和の戦中史を分析。

    日本の太平洋戦争は「ザ・官僚」が戦争をするとこうなるというモデルケースだったということがよくわかる。

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著者プロフィール

半藤 一利(はんどう かずとし)
1930年、東京府東京市向島区(現在の東京都墨田区)生まれ。東京大学文学部国文科卒業後、文藝春秋新社に入社。編集者として活動しながら匿名記事も記す。1965年に大宅壮一の名義を借りて『日本のいちばん長い日』を執筆、発行。『漫画読本』『増刊文藝春秋』『週刊文春』『文藝春秋』編集長を歴任。1995年に文藝春秋を退社してから作家・評論活動専任となる。
1993年『漱石先生ぞな、もし』で新田次郎文学賞、1998年『ノモンハンの夏』で山本七平賞、2006年『昭和史』で毎日出版文化賞特別賞をそれぞれ受賞。2009年の語りおろし『昭和史 1926-1945』『昭和史 戦後篇 1945-1989』はベストセラーとなった。
妻の半藤末利子は、松岡譲と、夏目漱石の長女・筆子の四女で、夏目漱石が義祖父にあたる。

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