- Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
- / ISBN・EAN: 9784062879507
作品紹介・あらすじ
なぜ、あの無謀な戦争に突入したのか? 五つのキーワードがあぶり出す日本人の弱点。昭和史研究の第一人者が、 いまの時代にどうしても語っておきたかったことを凝縮した珠玉の対論。序章 ありふれた言葉で昭和史をよむ/第1章 世界の大勢/第2章 この際だから/第3章 ウチはウチ/第4章 それはおまえの仕事だろう/第5章 しかたなかった
感想・レビュー・書評
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昭和史研究の第一人者「半藤一利」と「保阪正康」が太平洋戦争に突入前の日本について語った作品『「昭和」を点検する』を読みました。
『指揮官と参謀―コンビの研究』、『ノモンハンの夏』に続き「半藤一利」作品です。
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なぜ、あの無謀な戦争に突入したのか?
五つのキーワードがあぶり出す日本人の弱点。
昭和史研究の第一人者が、いまの時代にどうしても語っておきたかったことを凝縮した珠玉の対論。
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紀伊國屋書店の新宿セミナーでの対談を五つの切り口でまとめた作品です。
■「そしてどうしたの」-まえがきにかえて 保阪正康
■序章 ありふれた言葉で昭和史をよむ
■第1章 世界の大勢
~近代日本の呪文~
■第2章 この際だから
~原則なき思考~
■第3章 ウチはウチ
~国家的視野狭窄の悲喜劇~
■第4章 それはおまえの仕事だろう
~セクショナリズムと無責任という祝痾~
■第5章 しかたなかった
~状況への追随、既成事実への屈服~
■五つのキーワード-あとがきにかえて 半藤一利
■本文関係略年表
先日読了した『ノモンハンの夏』にも関連しますが、、、
大きな犠牲を払った教訓が生かされず、精神論だけで突き進んだ感じがしますね。
本書のテーマにもなっている、「この際だから」、「ウチはウチ」、「それはおまえの仕事だろう」、「しかたなかった」は、国家を牽引する人たちが軽々しく口にしてはいけない無責任なキーワードですよねぇ、、、
これは企業でも言えること… 気を付けなきゃ と思いました。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
「昭和を点検する」というタイトルだが、点検しているのはアジア太平洋戦争前から戦後直後まで。
・世界の大勢
・この際だから
・ウチはウチ
・それはおまえの仕事だろう
・しかたなかった
の5つのキーワードをもとに日本史の大家二人が対談。
裏話というか、教科書には出て来ないエピソード盛りだくさんで近代史に疎い自分には大変面白く勉強になった。 -
昭和史研究の第一人者である保阪正康さんと半藤一利さんが、5つのキーワードから昭和前期(戦前)を読み解いた本。
昭和前期を点検する5つのキーワードは、「世界の大勢」「この際だから」「ウチはウチ」「それはお前の仕事だろう」「しかたがなかった」。
5つのキーワードを通して昭和前期を分析すると見えてくるのは、責任転嫁と情報操作による破滅への道。
これは戦前だけの話ではなく、どこか現代にも通じる話です。同じ過ちを犯さないためにも昭和前期を点検する必要はあるのです。 -
なし
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”世界の大勢”、”この際だから”、”ウチはウチ”、”それはおまえの仕事だろう”、”しかたなかった”という5つの言葉を鍵として、何故あのような戦争に突入していったのかを中心に昭和を読み解く。
<blockquote style="background-color:silver; padding:0.5em;">天皇陛下は、大元帥閣下であるとともに天皇陛下である。(中略)したがって、大元帥閣下は大文字の天皇陛下の家来であるという風に理解すると、終戦の時の天皇陛下の決断は良くわかる。
</blockquote> -
保坂氏の「空気を読む奴ばかりだったら、世の中おかしくなりますよ」に強く同意。結局、昭和の大日本帝国は「空気を読まない奴は潰す」という狂った空気のせいで滅亡の憂き目を見た。おかしな空気を作り出してはならないし、そんな空気を読んでもいけない。戦争の教訓は、突き詰めていくと、この一点に尽きると思う。
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烏兎の庭 第五部 書評 8.30.15
http://www5e.biglobe.ne.jp/~utouto/uto05/bunsho/tenken.html -
頭ではなく肌で戦争を知る世代の二人の対談で表現された「戦前」昭和の点検。軍と軍人の馬鹿っぷりへの批判は、対談形式ということで感情的な盛り上がりを見せるが、編集側が準備した進行のキーワードが面白い。「世界の大勢」「この際だから」「ウチはウチ」「それはおまえの仕事だろう」「しかたなかった」。。。こうした揶揄が、現代日本の組織(特に昭和を引きずる組織)きっちりと引き継がれている気がしてならない。平成の世代に期待したくなる。
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歴史を学ぶことは、これからに通ずると思って読んでいます。
反省すべき点は反省して、きちんと自らを捉えることが大事だと思います。
「世界の大勢」、「この際だから」、「ウチはウチ」、「それはおまえの仕事だろう」、「しかたなかった」という五つのキーワードを章ごとに挙げて、保阪正康さんと半藤一利さんが対談形式で進行します。
今でも使いそうな言葉で、昭和前期を検証しています。とても読みやすいと思います。
第三章のジャーナリズムについてのところは、ゾッとします。今の日本も情報がたくさんありすぎて、マスコミに振り回されてばっかりなので。 -
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