変わる中国 変わるメディア

  • 講談社 (2008年7月1日発売)
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Amazon.co.jp ・本 / ISBN・EAN: 9784062879514

みんなの感想まとめ

中国のメディアの変遷とその社会的影響を深く掘り下げた本書は、改革開放以降の中国におけるメディアの役割を明らかにしています。著者は自らの体験を通じて、国家の代弁者としてのメディアの本質や、党広報部の権限...

感想・レビュー・書評

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  •  日本人に中国あるいは中国のメディアって聞くと、どういう印象を持っているのだろう。「悪感情をいだく日本人は少なくない」と最初から述べられた。中国で起きた出来事を時系列に沿っていくつか並べた。21世紀の国際社会で、中国は急速な成長を確実に遂げていることを認めた。国の真の姿を知るために、一般の国民たちはメディアを利用するのが普通である。しかし、中国のメディアを通し、13億人の人々がいま何を感じ、考えているのか見えてこない。なぜかというと、「中国のメディアは国家の代弁者としてニュースを伝える」からであると、その本質をずばりと指摘した。

     本書は中国社会に起きている静かな革命の真相を語り、その一大変容を新聞やテレビなどメディアの変化を通して描いたものである。商業紙の登場、メディアの集団化、ネット世代、広告業界の膨大、テレビ、商業化したメディアの動きが生々しかった。党と政府はどうメディアに介入しているのか実に興味深い。古代の人は、メディアを「喉と舌」と表現する。そして、中国のメディアは「党の喉と舌」と喩えている。報道の自由がない中国では、メディアは「人民の喉と舌」として役割を果たすことができるかどうかを疑問に思う。

     2008年に出版された本であるが、著者は自ら体感した中国を読者に伝えたため、まったく時代遅れではなく、深くまで突っ込んだ一冊であった。本書の各章で取り上げられた盛りだくさんのエピソードに基づき、近年中国社会の動向を多少把握できると思う。本は最終章を迎え、それで終わりだが、世界はどんどん変化していくのである。

     「八○後」という新しい世代が中国でも熱く議論されている。自分もその中の一人として、いままで経験したことやメディアを通して見た世界をどう受け入れるか、どういう立場で自分の意見や主張を論じるかを慎重に考える必要がある。なぜなら、われわれ一人ひとりもメディアとも言えるからであろう。

  • 上大岡の本屋で購入する。正直、期待していませんでした。非常に読みやすい本です。自らの体験に基づくものなので、説得力があります。キーワードとなるのは、党広報部です。党広報部は、絶大な権限を持っています。ただし、その実態は不明です。地方の放送局の番組の中身にも介入するそうです。それに対して、中央電子台に対する規制は甘いようです。中央電子台は、人的関係だけではなく、莫大な上納金を納めているようです。一体ではありませんが、相当の深い人的関係があるようです。雑誌に関しては、元々、認められた新聞社、雑誌社があります。そして、その子会社が発行している雑誌があります。それ以外は認められていないそうです。親会社の発行する新聞、雑誌は退屈ですが、しっかりした出来のものです。それに対して、子会社の発行する雑誌は、消費者のニーズに合致したものです。ただし、そのレベルには問題があります。海外の雑誌の記事の丸写しもあるそうです。ただし、働いている記者のレベルは高いそうです。つまり、確信犯だそうです。この体制は、雑誌を発行する側にとっても、悪くないそうです。検閲は面倒です。ただし、雑誌社にとっても、参入障壁があることは悪いことではありません。最後に、ナショナリズムと政治とジャーナリズムの関係です。中国共産党は、共産主義を存立基盤とすることは不可能です。ナショナリズムを存立基盤としています。政治家は、それを煽ることは危険だと認識しているようです。ただし、マスコミ、国民のナショナリズム感情に火がついた場合、政治家が、表面に立って、それを止めるのは不可能だそうです。ただし、ここら辺の議論は、眉唾です。

  • アカデミックなテイスト。改革開放、中華人民共和国の建国、WTO加盟など政治体制や経済体制の転換に伴い、中国におけるメディアの変遷について述べられている。現代においてはSARS問題、反日デモ、チベット騒動、四川大震災の各々におけるメディアの動きについて部分的に触れる。基本的な中国メディアの特性について再確認することはできた。

  • [ 内容 ]
    中国社会に起きている静かな革命の真相。
    プチブル向け新聞、衛星テレビ、ITメディア。
    13億人は何を見て、どう感じているのか。
    新聞・雑誌・テレビ・広告・ウェブ―新しい世代によるムーブメントと、いまも続く党のメディア規制の実態を描く。

    [ 目次 ]
    第1章 ビジネスに走る党機関紙
    第2章 共産党のメディア統制
    第3章 メディアにコンテンツはいらない
    第4章 テレビがまき起こした社会現象
    第5章 国家戦略とテレビ
    終章 ふたつの顔、ふたつのメディア

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    読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ)

    [ 関連図書 ]


    [ 参考となる書評 ]

  • 中国国内のメディア企業やその事業展開について。
    広報・広告論的分析が主だが、比較文化論の側面も。

  • 口が寂しくなって飴を舐めるように読んだ本。
    なので、パラパラとでガチで読んでません。。

    中国のテレビ事情のひとつとして
    日本のアサヤン?
    (見てなかったからよく分からんが)
    的なものがヒットしたらしい。

    一般人をオーディションしてスターみたいにぴかぴか(新しい)
    みたいなやつ。

    で、アサヤンでそのオーディションとスポンサーがどんな関わりをしていたか分からないが、、
    中国はバックに蒙牛がついていて100億円も金が動いていたらしい。

    そのあとオーディション系番組が後を絶たなくなったていうのが実に中国手(パー)

    そんなかでも、社会貢献を取り入れたってのはあいのりっぽいなと感じた。。

  • こういった視点からの本は、つまみ食い的なものはそれなりに出版されていますが、ここまで突っ込んだものはほとんどないのではないでしょうか?

  •  本書を読むと、中国の広告業界がいかに膨大化し、メディア業界をささえているかがわかる。それも、いわゆるプチブルと言われる層をターゲットにしたものが、急速にのびているのも興味深い。言ってみれば、これも中国的格差社会の表れである。ともあれ、こうした知識階級が中国社会をリードしていくのは確かだ。メディアとともに、中国でおそろしく膨張しているのがネット社会だ。ここで、ファン投票によりスターが選ばれるなど昔の中国では考えられなかったことが起きたり、セクシーなお天気お姉さんの南方なまりがもてやされるというのも面白い。さらに、人の意見とことわっているが、共産主義のイデオロギーで大衆を縛れなくなった党と政府は、いまやナショナリズムを新しいイデオロギーとして採用し、それが今度は党と政府をしばっているという指摘も興味深い。

  • 広告会社出身の著者が、その視点から、日本での既存の広報・宣伝展開の概念は通用しないよ、と説く現代中国分析。今も続く党の情報統制、新富裕層や新世代の誕生、ネット普及で、中国でのマーケティング戦略は再考を要する、と訴える。

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著者プロフィール

北海道大学大学院メディア・コミュニケーション研究院教授

「2014年 『図説ユーラシアと日本の国境』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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