数字でみるニッポンの医療 (講談社現代新書)

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  • Amazon.co.jp ・本 (208ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062879675

感想・レビュー・書評

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  • 9784062879675 200p 2008・11・20 1刷

  • [ 内容 ]
    医療の値段は言うに及ばず、「質」も数字で表すことができれば、医療はもっとわかりやすく、身近なものになる。
    そんな発想から、本書は生まれた。
    例えば、心臓のバイパス手術の場合、手術件数の少ない病院は、手術を多く実施している病院に比べて、患者の死亡率が2倍も高い。
    こうしたデータが手に入れば、病院や医師を選ぶ時にも役立つ。

    [ 目次 ]
    第1章 日本の医療費は高いのか
    第2章 身近な医療費
    第3章 高齢者と終末期医療
    第4章 がん・生活習慣病
    第5章 心の病気
    第6章 出産・子育て
    第7章 医師の姿
    第8章 検査大国
    第9章 薬を巡るあれこれ

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    共感度(空振り三振・一部・参った!)
    読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ)

    [ 関連図書 ]


    [ 参考となる書評 ]

  • 読売の、医療の値段というコラムが発端となっている本です。
    実際の医療費、また薬剤や患者数など、現代の医療のさまざまな実情が数値化されているため、比較が容易となっています。
    普段知ることのない、医療の実際の側面を知るにはわかりやすい本でした。

  • 現在の日本は、あらゆる面で改革を必要としているように思います。それは、戦後の復興から高度経済成長に至るまでの制度や産業、経済のあり方が、今の日本にはそぐわなくなっているという、構造的な問題が根底にあるように思います。医療においても、「医療崩壊」という言葉が象徴するように、高齢化社会、医薬品の問題、小児科の不足など、これまでは考えられなかった様々な問題が浮かび上がり、その現実の前で多くの患者さんが不満や不安を抱えています。普段健康なときは医療というものを意識しませんので、「医療崩壊」と言われてもピンとこないことも多いのですが、実際に自分が病気になって医療機関にお世話になると、途端に医療費の問題や、病因の対応などを目の当たりにすることになり、日本の医療の現実を知ることになります。まさに、“病気になってはじめて健康のありがたさが分かる”というのも、このあたりから痛感する方も少なくないのではないでしょうか。
     本書は、読売新聞の医療情報部というところが、読売新聞紙上で2004年から2007年の間に連載された「医療の値段」というコラムが元になって生まれた本ということです。新聞紙上で掲載されていたときは、多くの読者から疑問や質問が送られていたようで、その質問や疑問もコラム連載の原動力となったようです。
     内容に関してですが、題名どおり、統計的な“数字”を基準にして、あらゆる角度から日本の医療の現実へ問いかけています。本書の章を見てみますと、「日本の医療は高いのか」「身近な医療費」「高齢者と終末医療」「がん・生活習慣病」「心の病気」「出産・子育て」「医師の姿」「検査大国」「薬を巡るあれこれ」というものが挙げられています。各章はさらに細かいトピックに分かれており、それぞれ1~4ページくらいにまとめられて、とても読みやすい形になっています。各トピックの数字の見方に対しては、分析が粗いような面もありますが、各論を掘り下げるのではなく、読者が持っている素朴な疑問を基にして、現在の日本の医療にはこれだけの問題点があるという、問題の提示というのが本書の目的ではないかと思いますので、これはこれで評価できる内容だと思います。これだけたくさんの問題を抱えていることに先行きを危ぶむ感じもありますが、本書が数多くの患者さんの疑問が後押しをして出来上がったように、病気になって気がついたときにでも、一つ一つわれわれが声を上げていくしかないと思います。
     本書は、現在の医療の主流である現代医療、西洋医学について書かれた本ですが、そのカウンターとしての東洋医学、鍼灸医療は、日本の医療の中で今後どのような役目を担っていけばいいのだろうと、患者さんが求めるニーズと東洋医学・鍼灸医療の合致点を考えるためにも好著だと思います。

  • 医療崩壊が叫ばれている日本の医療問題を片っ端から取り上げ、暴露。
    豊富な数字によるデータと取材からなる本書は臨場感があり、危機感を感じさせる。

    特に出産の項目は興味深かった
    2006年の出生時平均体重が女子では3kgを切っっており、徐々に「小さく生む」傾向が強くなっているという
    自分が生まれた時の「大きくてたくましい子ですね」という言葉は少なくなっていると言うこと。


    ただ、若干の編集者側のバイアスがかかっているような記述もあるので、
    どこまで信用していいのかは疑問。
    読む際にはちょっと眉唾をするべきかも

  • 2009年2月

    医療費全体、高齢者、がん・生活習慣病、心の病気、出産・子育て、医師、検査、薬に関係する費用や統計数字など

    厚労省統計で精神病床数35万2400、日本の全病床数の約2割。他の先進諸国と比較すると3−28倍高い(OECD)

    アメリカ映画「カッコーの巣の上で」「17歳のカルテ」や「ブラックジャックによろしく」で精神障害者について取り上げられている

    厚労省調査で出生時平均体重 男子3.25kg→3.05kg(1973年→2006年)、女子3.16kg→2.96kg(1974年→2006年)減り続けている
    出生体重2500g未満の低出生体重児の割合 2006年で男子8.5%、女子10.7%(この20年で1.7倍)
    【理由】
    双子や三つ子といった多胎児の増加(体外受精や不妊治療、多胎児は早産になりやすく十分栄養が行き届かないことも)
    妊婦の生活習慣の問題(妊娠前のやせ、妊娠中の体重増加が少ない)
    若い女性のやせ願望(食が細い、偏食など栄養バランスの良い食生活ができない)
    妊婦の喫煙(子宮や胎盤の血流悪くなる、早産や流産)

    バーカー説:妊娠中の胎児の栄養不足が生活習慣病を招くという仮説
    (出生時の体重が少ない人ほど、将来に肥満になりやすく、糖尿病や心臓病にかかりやすいというデータを根拠とする)

    産学連携において、中立な大学の研究者としての立場と治療薬などを売る企業側との立場の間で利害の衝突。
    【Conflict of Interest問題(利益相反)】
    外部との経済的な利益関係等によって、公的研究で必要とされる公正かつ適正な判断が損なわれる、
    または損なわれるのではないかと第三者から懸念が表明されかねない状態をいう。
    公平かつ適正な判断が妨げられた状態としては、データの改ざん、特定企業の優遇、研究を中止すべきであるのに継続する等の状態が考えられる。 by 厚労省

  • 項目一つ一つが簡潔で分かりやすく、幅広いテーマをカバーしていて満足感があった。病院とは日頃あまり縁がない為、医療費について勉強になった。090210

  • 診療所と病院はどちらが高いの?検査結果はどこまで信用できるの? 医者は本当に足りないの? 薬の値段はどうやって決まるの? 日本の医療の実態を数字を使って明快に解説。

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