- Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
- / ISBN・EAN: 9784062879750
作品紹介・あらすじ
イザナキ・イザナミの神話に示された「罪」と「恥」を読む。
感想・レビュー・書評
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日本人の〈原罪〉 (講談社現代新書)
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限りなくトンデモ本に近い。
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第1週 1/11(水)~1/18(火)
テーマ「日本・日本人・日本語」
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https://opac2.lib.nara-wu.ac.jp/webopac/BB00172941 -
日本の神話の「見るなの禁止」にスポットを当て、日本の神話、日本人を精神分析的に解説している本。
「見るなの禁止」については、禁を破り勝手に見たことにより事実を知ってしまって呆然とする男と異形を見られて恥じ入り姿を消す女の事の考察がされている。イザナギ・イザナミの神話については古代女性が死産するケースが多く、そのことを扱ったのではという説を含む様々な説を展開。
それ以外に余談っぽく語られていた「わたくし」の語源が興味深かった。「世を渡る者がお互いに非を隠す意」もあるそうである。言われる非は禁を破ったこということである。が、主語を省くことが多い言語でこういったかしこまった言葉を使う時というのはどうも後ろめたい時なのかと思った。
「見るなの禁止」の話しは面白かったが、日本にキリスト教由来の原罪があるとは思い難い。精神分析の専門家の方の本なので仕方がないか。 -
イザナギ・イザナミ神話を始め、鶴の恩返しも雪女もその他の異類婚姻説話も、日本ではほとんど別れ話で終わり、男はなす術もなく立ち尽くし、女は退去するストーリーなのだ。
見てはいけないというルールを破った側の罪はうやむやになり、見られた側の恥のみに焦点が当てられる。
日本人の深層心理がこれらの物語に表象されているとする説は興味深いな。 -
北山氏の「臨床」からの解説は、心理学の素養がないとちょっと難解。
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[ 内容 ]
約束を破り、中を覗き見たイザナキは、妻イザナミの正体を知り、逃げ出してしまう。
日本の神話・昔話に見られる「見るなの禁止」物語を精神分析家と国文学者が捉え直す日本文化論。
[ 目次 ]
第1章 愛する者を「害する」こと-父神イザナキの罪悪感(神話と昔話の深層心理学 エディプス・コンプレックスとは何か フロイトの「弟殺し」 革新的なクライン理論 「見るなの禁止」の文化 見る側を見る 「ここだけの罪」 悲劇の同定 逃げないイザナキ 「見るなの禁止」が解禁されるとき 神話を生き直すこと)
第2章 『古事記』神話への道案内(古事記上巻の世界 日本神話のなかの「見るなの禁止」 タブーを破った“罪”の行方)
第3章 『古事記』を読み解く-現代語訳「古事記抄」(イザナキ・イザナミ神話と「見るなの禁止」 アマテラスとスサノヲ 成長するオオクニヌシの国造り 天孫降臨と海幸彦・山幸彦神話)
第4章 対談 今日を生きるための神話論
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[ 関連図書 ]
[ 参考となる書評 ] -
うつ病の人の話にはパターンが読み取れる。
それを日本の神話の独特なパターンを通じて読み取れるのではないか、というアプローチを心理学者と国文学者がそれぞれ書いている。
とても興味深い。
日本神話の特徴
イザナギがイザナミを黄泉の国に迎えに行ったのに、イザナミとの約束をやぶって彼女の姿をみてしまい、「畏れかしこみて」地上に逃げ帰り、その姿を見てしまったことによる穢れを、禊ぎをしてはらう。
約束をやぶられたイザナミが被害者で、約束をやぶったイザナギは加害者のはずなのに、いつのまにか立場が逆転し、イザナギが彼女の姿を見ることにより穢れた、と被害者になっている。という罪よりも恥を重視する風潮、また、その穢れ(罪)を川の水で洗うことによってなかったことにする、という意識。それぞれよく日本人の特徴としてあげられる。
また、それぞれの神と、母親のつながりがまったく書かれていないことが多い。等など。