天皇陛下の全仕事 (講談社現代新書)

著者 :
  • 講談社
3.72
  • (20)
  • (40)
  • (39)
  • (2)
  • (2)
本棚登録 : 403
レビュー : 60
  • Amazon.co.jp ・本 (364ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062879774

作品紹介・あらすじ

天皇陛下はどんな日常生活を送っているのか?国事行為、晩餐会から宮中祭祀、稲作まで。知っているようで知らない、天皇陛下の毎日の仕事を、元宮内記者がやさしく解説。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 天皇陛下の職務は憲法に定められた国事行為と、公的行為、そしてそれ以外の私的行為って教わった気がしたんだけれど、実際にはようわかってないからとても興味深く読めた。

    外国訪問って国事行為だと思っていたけど、よく考えたら憲法のどこにも書いてないから違うんだな。とか、陛下、職務多過ぎ!!とか。休みなさ過ぎ!とか。

    そして、皇室が皇室であるために一番大事な宗教儀式は、宗教儀式であるが故に、公式には「その他の私的行為」となり、儀式のための人員は皇室が私的に雇用しているというのも、まあ、そうするしか無いのだろうけれど、本末転倒な感じも。

    伝統(明治以前からの伝統と、明治以降の伝統)と政教分離を定めた憲法の間で、この先、皇室はどのように(これまでも形を変えながら存続してきた様に)形を変えて存続していくのだろう。

  • 著者は、産経新聞の元宮内庁担当記者。
    天皇陛下は、去る8月8日に生前退位についてのお言葉を国民に向けて述べられ、その中で、「・・・何年か前のことになりますが、二度の外科手術を受け、加えて高齢による体力の低下を覚えるようになった頃から、これから先、従来のように重い務めを果たすことが困難になった場合、どのように身を処していくことが、国にとり、国民にとり、また、私のあとを歩む皇族にとり良いことであるかにつき、考えるようになりました。・・・天皇の高齢化に伴う対処の仕方が、国事行為や、その象徴としての行為を限りなく縮小していくことには、無理があろうと思われます。」と仰っている。
    我々は、日々のニュース報道等の中で、天皇陛下が被災地を訪問されたり、外国の要人の晩餐会を催されたり、様々な公式行事に参加されたりすることを見聞きすることは少なくないものの、天皇陛下の毎日の仕事に想像が及ぶことはあまりない。
    本書では、天皇陛下の住まい、皇室の構成に始まり、「天皇陛下の仕事」としての、執務(書類の決裁)、皇室祭祀(宮中祭祀)、儀式(新年祝賀の儀、親授式、親任式、認証官任命式等)、会見と引見、大使らへの鴨場接待、親書・親電、宮中晩餐会、外国訪問、三大行幸啓、各地へのご訪問、園遊会、皇居内での稲作などについて、詳細に取り上げられている。
    今般表明された「生前退位」について国民レベルで議論を共有するためには、我々はまず天皇陛下が日々どのような行為をされているのかを知らなくてはならない。
    2009年に出版されたものであるが、今まさに読まれるべき一冊と思う。

  • 【No.46】「天皇・皇后両陛下は皇居内にある住居”御所”に住まわれており、仕事や行事、儀式の多くは同じ皇居内の”旧西の丸地区”と呼ばれる場所にある”宮殿”で行われる。御所と宮殿との距離は約500メートル。陛下は二つの建物の間を”通勤”されている」「一般の国民はアルバイトや就職した時点などから仕事を始めるということになるが、皇室では成年皇族となった時点から宮中をはじめとするさまざまな公式行事に出席したり、公益団体の名誉総裁に就任したりするようになる」「毎週火曜日と金曜日の午後、皇居では、法的な面からみてもっとも重要な天皇の仕事といえる”執務”と呼ばれる公務がある。”執務”とは、その名の通り、一般でいう事務処理にあたるもので、天皇が書類の決裁を行う」「新年祝賀の儀=元日の朝、天皇・皇后は住まいの皇居・御所で、身のまわりでさまざまな世話をする侍従長や宮内庁侍従職の職員から新年の祝賀のあいさつを受ける」「海外訪問=天皇・皇后は一般の便を使わないので、成田ではなく羽田空港を使用する。移動には政府専用機のジャンボが使われる。機内は執務室や会議室を持つ特別仕様」「国内訪問=日本航空や全日空など民間の小型機を特別機としてチャーターする。新幹線利用の際は、一編成そのままが貸し切りとなり、天皇・皇后がグリーン車の中央に乗り、同じ車両内に宮内庁職員、宮内記者らは別の車両に乗り込む」「天皇・皇后の車列が通過する際は、交通規制がなされ、一般車はシャットアウトされ、進行方向の信号はすべて手動で”青”にするので、ノンストップで進む」「春・秋の園遊会=お声がけされる人は通常5人。選ばれた5人は当日、決められた位置に並び、テレビ局などが音声を拾えるようにピンマイクをつけてもらう。両陛下は事前に招待者の名簿すべてに目を通し、”お声かけ”の対象者については詳細にその業績について、”事前学習”されている」

  • 天皇陛下の日常業務
    ご存知ですか?
    知っているようで知らない、天皇陛下の仕事を解説する一冊。皇太子は今後どんな日常を送るのでしょう?

  • 皇室取材を担当していたジャーナリストの著者が、国事行為、公的行為、その他の行為にわたって、「天皇」がいつ、どこで、どのような仕事をどのくらい行っているのかを具体的に明らかにしている。
    天皇陛下が日々どのような仕事をされているのかについて、わかりやすく、かつ、結構詳細に解説されており、あまり知られることのない天皇陛下の日常についての理解が深まった。象徴天皇を戴く日本国民の教養として知っておきたい内容だと感じた。

  • 天皇陛下の全仕事

  • Kindle

  • ◆戦後、象徴としての天皇制とその職務を何もないところから切り開いてきた様が見て取れる。具体的職務内容に多く言及するのは、象徴天皇の国事行為・公的行為・私的行為のレファレンス機能を果たす書と目されよう◆


    2009年刊行。
    著者は産経新聞特集部記者(元社会部皇室担当)。

     タイトルどおりの書である。
     具体的な職務内容ほか、印象に残る部分としては、
    ① 途轍もなく多いご先祖様の祭祀。
    ② 火曜・木曜の午後は執務。午前実施の閣議決定への署名押印。遠方でも書類が追いかける。
    ③ 外国大使の接待に、鴨猟(ただし猟銃は使わず、大きな網で捕獲)や御料での鵜飼の場合あり。
    ④ 新幹線。お召し列車は殆ど使われず、一般車両を特別列車に仕立てる。
    ⑤ なお、天皇・皇太子以外の皇族の移動は、一車両貸切にすらならず、一般人と同乗。前後にお付きの人はいるけれど…。
    ⑥ 石原慎太郎元都知事による暴露的失言。あの内奏では、政治的重要課題が進講されていたことが白日に。言われてきたことではあるが…。
     目を引いたのはこれくらいであろうか。

     ところで、生前譲位は若干の言及あるも、現実には想定されていなかった時期の著作だ。
     とはいえ本書にある皇太子と秋篠宮の余りの違い(仕事内容)を考えると、ここでの早期の譲位は、自身の加齢・健康面の不安に加え、皇太弟となる秋篠宮の、将来の天皇即位のための教育期間ではないかとの感も生まれる。
     それほど皇太子は様々な行事に、天皇に近しい存在として、共に参加することが予定されている。これが理解できただけでも、現代象徴天皇制の内実を知る上で有益だったと言えそう。

  • いやあおもしろかった。
    陛下はめちゃめちゃお忙しいではないか…。
    トリビア的内容もあって興味深く読んだ。

  • 読了。
    対外的には国家元首と看做されているが、実際は国事行為と同等、若しくはそれ以上に宮中祭祀のポーションが高い事が良く分かる。我々が目にする天皇陛下の公務は極一部に過ぎず、人知れず只管日本国民の安寧を祈る祭司でもある。中国や西欧の感覚でEmperorと訳す故に誤解が生じるのだと思うが、西欧人の感覚的には教皇や総主教のような立場と説明した方が、実態に近いのではないか。いずれにせよ、天皇陛下の激務の実情を詳らかにした功績は大きいと思う。

全60件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

1968年神奈川県生まれ。地域医療機能推進機構(JCHO)東京高輪病院内科管理部長。医学博士。1994年東京慈恵会医科大学卒業。日本赤十字社医療センター研修医、東邦大学医療センター大橋病院循環器内科などを経て現職。専門は心臓血管のインターベンション治療。生活習慣病の患者さんには予防・改善のためにウォーキングをすすめている。趣味はマラソン(自己ベスト3時間49分)

「2016年 『医者に「歩きなさい」と言われたら読む本 メタボ・糖尿病・高血圧を改善!』 で使われていた紹介文から引用しています。」

山本雅人の作品

天皇陛下の全仕事 (講談社現代新書)を本棚に登録しているひと

ツイートする
×