- Amazon.co.jp ・本 (200ページ)
- / ISBN・EAN: 9784062879835
感想・レビュー・書評
-
読むのが辛いくらいの現実でした。
今は誰でも、ちょっとのきっかけで、「よわいもの」になってしまう。
自己責任論をやめて、他者を思いやれる世の中にならないものか。
【X】詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
以前、この本に引用されていた『ルポ貧困大国アメリカ』を読んだが、
漠然とアメリカや外国のこととしてとらえていた。
しかしこの本を読んで
日本とも関係あるんだということが実感でき
薄ら寒いものを覚えた。 -
社会的排除の問題は、死刑や戦争といった、国家と命そのものに深くかかわる問題にリンクしていく。それらを一冊にまとめられた本。
-
[ 内容 ]
事件・犯罪の背景には「社会の病」がある。
[ 目次 ]
第1章 「秋葉原無差別殺人事件」と派遣労働
第2章 十六分に一人が自殺。「自分自身からの排除」の背景
第3章 メンヘラーの逆襲!―九〇年代「アダルト・チルドレン現象」と、二十一世紀の「生存運動」
第4章 制度の貧困に利用される「家族」―北九州・餓死事件から見えてくるもの
第5章 私と同い年の死刑囚・造田博―九〇年代の永山則夫
第6章 子どもを餓死させた母と、自らが餓死した母
第7章 急速に進む「派遣切り」―「所持金ゼロ円」で逮捕される「難民」たち
第8章 民営化された戦争―イラクで「料理人」として働いた安田純平さん
[ POP ]
[ おすすめ度 ]
☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度
☆☆☆☆☆☆☆ 文章
☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー
☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性
☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性
☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度
共感度(空振り三振・一部・参った!)
読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ)
[ 関連図書 ]
[ 参考となる書評 ] -
派遣労働など、近年の若年層に多い労働問題を中心にすえた1冊。
就職活動を終えた時期に読み、自分がそうなり得たかもしれない可能性の一つをここに見た。働くってどういうことなのか。生きるってどういうことなのか。人間らしさって何なのか。それらの意味を失って透明人間になってしまう前に、ぜひ気づいておきたいことがたくさんある。
海外の戦争地帯への派遣についての内容は特に興味深いのでオススメ。 -
雨宮処凛の主張は明快である。その明快さの所以は、きっと(いや、間違いなく)自分が苦しみ、体験してきたことから生み出されている。だから読み手の心に届く。
この日本で「餓死」する人が少なからず居る、という事実に目を逸らしてはいけない。私たちが学校で習った「健康で文化的な最低限度の生活を営む権利」なんてちっとも守られていないのは、あの「年越し派遣村」ではっきりと目に見える形で報道されたはずだ。
行き過ぎた資本主義は、「会社を守るため」という御旗の下に、多くの人々を犠牲にしている。と、声高に主張すると必ず「会社がなくなると困るのはあなたたちでしょ」となる。そのような単純なモデルにならないよう、企業と労働者が築き上げてきたのが、近代から現代にかけての労使関係ではなかったのか?
バブル崩壊以降、「恥の文化」を持つこの国の人々は、浮かれていたツケを払わんとするあまり、「自己責任」とばかりに安易に積み上げてきたものを手放してしまった。そのことを理解し、軌道修正することを、この本は読み手に強く求めている。 -
急速に進む「派遣切り」、餓死、無差別殺人など、事件・犯罪の背後に潜む「社会の病」は深刻化している。
しかし、社会的弱者の連帯の絆は強まりつつある。日本中の悩める人よ、孤立するな!
製造業を中心とした派遣は平均27万円の月収と宣伝しているけど実際は時給1050円でフルタイムで週5日働いても19万円ほどにしかならず、そこから寮費や光熱費や部屋の家具などのレンタル代を引かれて12万ほど、生産調整などで1ヶ月ほどでクビになれば即座にホームレスになってしまう。
自殺者3万人を超え、90年代中盤以降の就職氷河期により正社員になれなかった人は派遣やフリーターになり一度弱者とみなされたら社会から排除されてしまう。
シングルマザーは部屋を借りることも職探しも難しかったり、生活保護申請時の水際作戦が横行している。
そんな中でも派遣やフリーターの労働運動は従来の労働組合の枠を超え他のNPOと連携し、生存全般の問題に対応している。
見えない貧困が救う現状を緻密に切り取った、社会批評本です。 -
おもしろかったです。
初めて知ることもたくさんあって。すごくおもしろかった。それにつきます。 -
思いやり。