日米同盟の正体-迷走する安全保障 (講談社現代新書)

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  • Amazon.co.jp ・本 (280ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062879859

作品紹介・あらすじ

アメリカ一辺倒では国益を損なう大きな理由。インテリジェンスのプロだからこそ書けた、日本の外交と安全保障の「危機」。

感想・レビュー・書評

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  • 日米同盟の実態を理解することができる。

    【概要】
    ●第1章 戦略思考に弱い日本
     第2章 21世紀の真珠湾攻撃
     第3章 米国の新戦略と変わる日米関係
     第4章 日本外交の変質
     第5章 イラク戦争はなぜ継続されたか
     第6章 米国の新たな戦い
     第7章 21世紀の核戦略
     第8章 日本の進むべき道

    【感想】
    ●現在の日米関係を見れば、この本の内容は合わない部分があるかもしれない。しかしながら、日米同盟の原理となるところは変わらない。
    ●このことからも、本書は、今後の安全保障を考えるにあたって参考になる点が多い。
    ●また本書は、平和ボケから目を覚まさせるのにもよい本だと思う。
    ●日本は、過去の敗戦という経験を忘れることなく、したたかさをもって戦略を組み立てなければならないと思う。

  • 10年以上前に書かれたものだが、古さを感じさせない。外交における謀の重要性を知るにつけ、今の安倍外交(親米ポチ)には危機感を抱く。自身の関心テーマについての本を200冊は読めという。一市民としてしっかり主張できるだけの勉強をしていこう。

  • 対米関係を主軸に日本の外交について書かれた本。私の主観だが、本質に近いことが書かれていると思う。論の立て方より著者は知性のある方と見え、この手の本にありがちな無責任にアジる本とは一線を画している。必読。

  • 外務省入省、英ソ米イラクなど各国勤務を経て国際情報局長、駐イラン大使、防大教授という経歴が何の冗談かというレベルで空虚で中身がなかった。反軍+反米思考。過度のソフトパワー万能論。処分

  • 日本独自の戦略感を持ってアメリカと対峙するという主張がありながらも、その手段は是々非々で対処するという、さすが元外務省国際情報局長というキャリアならではの分析でした。
    戦略的思考の重要性を感じます。

  • ドキュメンタリー映画「不思議のクニの憲法」を観た。
    その映画の中で際立った発言をしている人が
    孫崎亨さんであった。
    これは、ちょっともう少し聞きこんでみるかな
    と思わされてこの一冊を手にした。
    おっ これは と思わせられるところが各所に見られた
    孫崎さんの次の一冊に手を出そうと思っている

  • 現在の日米同盟が1960年改定の日米安保条約からどう変化したか?2005年10月29日に日米両国で署名された「日米同盟:未来のための変革と再編」という文書で、日米同盟の対象が東アジアから世界へ既に拡大された!これは日本が国際的活動に協力することを約束するもの。日本政府は一方で米国に文書で明確に約束しておきながら、他方で国民にはこの文書の意義を説明していない。戦略的思考の欠如を利用されながら、日米共通の戦略」の道を邁進する日本。2009年3月発行と少し古いが良書。

  • 冷戦後の米国の新戦略の変遷を見た上で、このまま対米追随一辺倒で良いのかという問いかけ、国家間の積極的な結びつきの強化やソフトパワーによる、非軍事分野での抑止力という提案。

    本人がご丁寧に冒頭に書いてるけど、著者の意訳とか、記憶頼みの事を論拠として話を進めたり、物事の正しさの根拠に世論調査の結果を持ってきたりというのは、信頼がおけない。
    イスラエルロビーとか、真珠湾やイラクに関する陰謀の話も出てくると知って、もっと思想まみれのトンデモなことを言ってるのかと思ったけど、予想してたよりは読める内容だった。

    対米追随ではなく、NATOとの連携、国家間の経済、文化の結びつきの強化を説くが、これにはあまり説得力を感じなかった。
    アメリカとNATOのどちらがより日本と安全保障上の利害を共有しているか、それは南シナ海に関する双方の対応を見れば明らか。日本が直面する安全保障上の喫緊の課題に対してNATOがどれほどの貢献をしてくれるか。地理的な遠さもあってやはり危機感の相違からも期待はできない。
    また、非軍事分野の重要性を否定はしないが、どれだけ国家間の結びつきが強まってもそれは安全保障の最終的担保という軍事力の役割を肩代わりするものにはなりえない。対米開戦前の日本がどれほどの資源をアメリカに依存していたか?これだけを考えただけでも、経済的結びつきの強さが軍事による安全保障の代替たり得ないとわかるだろう。

    日米関係を考える上での1つの視点としては参考になった。アメリカとの距離感を考える上では読んで損はない一冊。
    確かに現行の日本の政策とかとは違う考えなんだろうけど、こういう考え方を知るのも価値があると思うし、自分と違う考え方を持つ人として、この人の著作は(記載された事実が、という意味でなく自分とは違うひとつの考え方という点で)信頼できるかな、という印象。

  • 少しハト派になった。ただ外交において謀は必須なのに、日本はそのお国柄か謀が下手な事に気付いていない人が多過ぎる、との意見は変わらない。

  • 世界史をあらためて勉強しなおしたくなりました。

    世界がどう動き(外交し)、日本にどんな影響を与えたのか?
    そしてその影響に対し、日本はどう動いた(外交した)のか?

    歴史に疎い私でも理解できる内容でした。
    良作だと思います。

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著者プロフィール

1943年、旧満州生まれ。東京大学法学部を中退後、外務省に入省。
英国、ソ連、イラク、カナダに駐在。駐ウズベキスタン大使、国際情報局長、駐イラン大使、防衛大学校教授などを歴任。現在、東アジア共同体研究所所長。
主な著書『戦後史の正体』(22万部のベストセラー。創元社)、『日本外交 現場からの証言』(山本七平賞受賞。中公新書)、『日米同盟の正体』(講談社現代新書)、『日米開戦の正体』『朝鮮戦争の正体』(祥伝社)、『アメリカに潰された政治家たち』河出書房新社)、『平和を創る道の探求』(かもがわ出版)ほか。

「2023年 『同盟は家臣ではない』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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