越境者的ニッポン

  • 講談社 (2009年3月1日発売)
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Amazon.co.jp ・本 / ISBN・EAN: 9784062879873

みんなの感想まとめ

現代日本の閉塞感や問題点を鋭く批判し、読者に新たな視点を提供する作品です。筆者は、国や国民性が自然に存在するものではなく、歴史や社会の仕組みによって形成されると主張し、その見解を自身の経験を通じて説得...

感想・レビュー・書評

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  • 現代日本の問題点、閉塞感を非常に分かりやすくかつ痛快に批判してみせる。日本のしがらみも、収入の不安も全く無縁に見える方だからこその見識であり真っ当な批判だが、国内で既得権を得ている人には響かないだろうなぁ。文体に特徴があるので好き嫌いは分かれるかも。私はもう少し著作を読んでみたいと思った。

  • 中卒と著者は書いている。しかし、この作品を読むかぎり知性に溢れている。本当だとしたら学校教育よりも人生経験の方が教育には良いのかもしれない。昔、教養小説というジャンルがあった。主人公は旅に出て人生を経験するという小説だ。その主人公にでもなりそうな人物だ。

  • ・欲望は欲望を欲望する・常識は多数者が持つ偏見・日本=明示的強制なき同調強要社会・文化=交,間,多,越・生きるのは健康に良くない・異物の創造により虚像の結束が生じる・資本主義はバクチ・no risk, no glory

  • 筆者は、国家や国民性というのはつくられたものであり、自然発生的なものではないと断ずる。そしてそれらを維持するための日本の仕組みに鋭く批判を加える。筆者自身の言葉で言うなら、「素朴な疑問を発する」のである。
    ナショナリズム批判というと、「地球市民」という言葉などがあるように、純粋で穢れのない、実際には存在しない個人の姿を理想とするものも多く閉口しがちである。しかし筆者は、世界を旅し、その後も賭博で生計をたてている自身の経験に基づいて、人間の本質というのは国や国境に規定されるものではない、としているので、説得力がある。
    残念なのは、筆者の考える「人間の本質」については、本書の中ではほとんど語られていない点である。勝手な想像になるが、それはきっと明るかったり暗かったり、真面目だったりずるかったりするが、自分のおかれた環境の中で精一杯生きている人のような気がする。
    逆に現代日本に見られるような無気力で自分では何も考えられないような人々、それでいて全体主義の情報にすぐ反応する人々に、恐怖を覚えるのであろう。

    以下、印象的な内容の抜粋;


    【第1章 世界に1つの神の国?】
    ・西南戦争(1877)以降に日本国家ができたから日本人は立ち上げられた。(P26)
    ・不変で固有で永遠な倫理、文化、伝統、価値は無い(P29)
    ・国境によって切り取られる人間の価値観や性質は無い(P30)
    ・ナショナルアイデンティティはパスポートの違い(所属の違い)で、すべては個人に帰結する(P33)
    ・由らしむべし、知らしむべからず、が現在の政府の国民掌握手段(P36)
    ・「投影された他者」を創造・捏造することで「われわれ日本人」という集合主体を立ち上げる(P44)

    【第2章 ろくでなしの教育論】
    ・放っておくと全体主義になる子供を強制し、多元主義にするのが教育。社会は異質なものの集合体なので、互いに認知し、共生すべき。(P60-61)
    ・希望が絶望に変わるのは、諦めた時(P70)
    ・人間は個人の思想信条に従って行動すべし、と教えるのが本来の学校(P72)

  • 第1週 1/11(水)~1/18(火)
    テーマ「日本・日本人・日本語」

    ↓貸出状況確認はこちら↓
    https://opac2.lib.nara-wu.ac.jp/webopac/BB00172948

  • 「左翼は難解、右翼はやっかい」など小気味よく世の中の出来事にコメント。新聞などが取り上げない視点での問題提起は参考になる。

  • 『日本を滅ぼす〈世間の常識〉』 を読んで面白かったので、これも読んでみましたが、これもよかったです。

    本を読んでいて、私も「疑問を発せられない」無知な人間だったのだなと、身に沁みました。

    「日本は法治国家なのか?」との著者の問い。
    法治国家とは言えない日本。その事例や理由をあげていますが、
    一般庶民がやれば「犯罪」、公務員や大企業の職員がやれば「不祥事」
    これが、そのことをよく表しているのではないでしょうか。


    権力を監視しなければならないジャーナリズムが権力ともたれ合い、権力のただのマウスピースとなりさがってしまった。

    そんな現状で、真実を知ることは難しいのかもしれませんが、「なんか、これっておかしい」って思ったら、素朴な疑問でもいいから、声をあげていくことを止めてはいけない。
    でないと、日本はますます権力者たちの好き勝手にされてしまうのではないでしょうか。

    http://glorytogod.blog136.fc2.com/blog-entry-1041.html

  • クーリエ・ジャポンで毎月連載されている「越境者的ニッポン」。
    この雑誌の中で一番好きなコンテンツです。

    これを読んでると、自分がいかに何も考えずに生きているか気づかされます。
    まぁこの森巣さんの言ってることが正しいかはわからないけど、
    ぶっ飛んでいるようなこと言っているようで、かなり的を得ているようにも思える。

    文中にあるように「無知とは、質問できない状態」のことをいう。
    当たり前だと思っていることが当たり前ではないのもちろん、
    当たり前だと思っていることのほとんどが、実は無知だったりする。
    とにかく、良くも悪くもいろいろ考える本です。

    それから、森巣さんは海外在住の賭博で生計をたてているライター(この辺りからすでにぶっとんでいるが…)なんだけど、
    こういうものの見方・考え方をするには、海外に出る必要があるのかなとも思う。
    やっぱそうじゃないと相対化できないし。

  • 面白かった。博打で食ってる人っているんだな。
    憧れはしないけど。

    講談社なかなかいい本出すな。

  • 哲学を持て、ということ。

  • 森巣さんはいったい何者なのだろうか...

  • 国境を超えることの大切さを思う。タイトルにある「ニッポン」は、そんなものに縛られるなと言う逆説。

  • 続いて同僚から借りて読む。

    主張は一貫して「ナショナリズム」「愛国者」的思想への激しい嫌悪で、それ自体は悪い事ではないと思う。
    国家権力やそれに無批判なマスコミ、盲従するばかりの
    無知蒙昧な国民に対する批判。

    ただ、いかんせん自分を無教養な「チューサン階級」(中学三年生レベルの学力の意)と
    卑下した立場に置いて「エリート」たる政治家、官僚、マスコミを
    悪し様に罵るやり方は好きになれない。

    「漫画家」の小林よしのり、「芸人」の北野たけしが行う批判と同じやり方かなぁと思う。
    こういうのって、権威に対して茶化してみせる事で庶民が溜飲を下げる、
    っていう落語みたいなもんで面白いんだけどね。

    基本的にとても頭のいい人だと思うけれど、
    論拠に決め付けや思い込みがいくつか見られるのが残念。

  • 今年読んだ講談社現代新書で一番面白かったかも。
    海外から見た「気持ち悪い」ニッポンについての新書です。
    自身をチューサン階級(中学三年生程度の知識)とした海外在住の著者が、
    ニッポンについてあれやこれや書いています。
    文章は平易なのに内容が濃いので面白いです。
    目から鱗がどさどさでした。面白かったのを抜粋しますね。

    皇居の外苑に聳え立つ銅像について。
    あれって楠木正成だったんですね。
    でも瞬間、私も思いました、湊川の戦い!南軍じゃん(笑)
    天皇に弓引く逆賊が皇居に鎮座してていいのかしらん。
    『朝敵じゃ!!』・・・その通りです。うーん、不思議な国だ、ニッポン。

    日本のレイシズム(人種差別)について。
    国連の特別部会・人種差別撤廃委員会から勧告受けてたんですね。
    全然報道されないから知りませんでした。
    勧告の主な内容は以下の三点。
    (1)歴史を編纂する問題
    (2)一部の高官による、排外的かつ人種差別的な発言の反復
    (3)日本には、人種差別や排外的な発言・行動を規制する法規がない
    ほんと、どーしようもない。心当たりがありすぎる。
    でも一番問題なのは「どーしようもない」で済んでいる現実。
    従軍慰安婦関連の失言で中国は勿論アメリカからも強い反発があったとき、
    ブッシュ大統領(当時)にうちの首相が謝りに行ったとか。
    著者も書いてるようにブッシュが慰安婦してたんじゃない。
    あまりの鈍さだとか認識の甘さに、国の恥って言葉が脳裏をよぎります。あーあ。

    三権が寄りかかりあって分立どころじゃないとか、
    ジャーナリズムが政党の代弁者(マウスピース)になってるだとか。
    そしてそれに何も感じない無知って恐ろしい・・・。

    他にも著者のお子さんの話なども面白いのでぜひ。
    著者は海外在住のため、ご子息は当然現地では移民扱い。
    しかも社会に馴染めない性格。
    日本じゃこのダブルパンチで即社会的に孤立しかねない条件。
    けれどホモセクシャルの小学校教師が彼の才能を見出し、
    移民の少年に地域のバックアップを与え、大学生からの指導を受けさせ、
    規則を変え、学習の後援をしてくれた。
    日本からすると目がチカチカするくらい仰天。

    他の著作にも手をつけてみようかな、と思わされる一冊でした。

  • 唯一の月刊愛読紙「クーリエ・ジャポン」にて 初めて
    目にしたのが 「越境者的・ニッポン」
    その 単行本化・・・
    視点を 日本国内にしか向けていない 日本の
    没落したマスコミを 辛口&素朴に切り込んでくれている
    至極の一冊です

  • 左すぎてウゼーと思いながらもパラパラ読んでいたら「私はサヨクではない」って書いてやがるこの著者は。
    金曜日社から本出してて左翼じゃないって有り得ねえだろ。
    左翼じゃないならタイトル越境者的日本に変えろ何様だよ。

  • クーリエのコラムをまとめたもの。

  • 論理の整合性を重んじる姿勢を持つ人(なおかつ、行動に説得力のある人)の言うことだけが、耳を傾けるに値する。
    この人の本を読むと、いろんなモヤモヤした謎が解けるのだ。
    嫌う人は、多分レイシスト(人種差別主義者)なんだろう。

    国家とかニッポン人とか、実体の無いただのイメージへの帰属意識に寄り添ってアイゼンティティを保っている人の、神経が解らない。自分自身に寄り添えばいいのに。

  •  著者の人生観 現在までの境遇から日本人が常識と考える教育などさまざまな問題をきりこむ。

  • 賭博者の眼から見た日本を描いている著書。

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著者プロフィール

1948年生まれ。オーストラリア在住の博奕打ち、兼業作家。著書に『越境者的ニッポン』(講談社現代新書)、『無境界家族』『無境界の人』『越境者たち(上・下)』(以上、集英社文庫)、『神はダイスを遊ばない』(新潮文庫)、『二度と戻らぬ』『非国民(上・下)』『蜂起』(以上、幻冬社文庫)、共著に『ナショナリズムの克服』(姜尚中氏との対談)、『ご臨終メディア』(森達也氏との対談、ともに集英社新書)などがある。

「2011年 『日本を滅ぼす〈世間の良識〉』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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