- 本 ・本 (288ページ)
- / ISBN・EAN: 9784062879903
作品紹介・あらすじ
第1章 シューベルトの交響曲 夭折の天才が遺した全8曲 / 第2章 ベルリオーズの交響曲 永遠の青年が描くリアルな《幻想》 / 第3章 メンデルスゾーンの交響曲 音の風景画家にして近代指揮者の祖 / 第4章 シューマンの交響曲 楽譜にこめた柔らかな「響き」 / 第5章 ブラームスの交響曲 知性と品格をたたえた絶対音楽の極み / 第6章 チャイコフスキーの交響曲 哀しみが昇華した「快感」の音楽
シューベルト、ベルリオーズ、メンデルスゾーン、シューマン、ブラームス、チャイコフスキー……。 激動の19世紀欧州が生んだ天才・奇才作曲家の魅力を、実力指揮者が語りおろす。
感想・レビュー・書評
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閲覧新書 -
本能(体?)でクラシック音楽を感じ、演奏してきた私が頭で理解するために手にした超入門書。
クラシックを聴くだけの人にはちょっと解説っぽいかなと感じますが、演奏する機会のある人には何か感じる部分もあるかも。知識が増える訳ではない。
なお音楽にあまり文学性を見出さない(というか文学的な思い入れ過多になる見方が苦手)な私には金聖響氏のような解説は結構あっているみたいです。 -
これまでひとくくりで捉えていたロマン派の作曲家たちを、ベートーヴェン後の長い時代の流れの中で理解することができた。ただ、この本に出てくる作曲家では、ブラームスくらいしか聴いていないのは、ロマン派の作品をつまらないと感じていたからだと思う。ようやく、この本を読んで、もっとロマン派の作曲家の作品も聴いてみたいと思った。まずは、シューベルトから聴いてみるかな。
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『ベートーヴェンの交響曲』(2007年、講談社現代新書)の続編で、スポーツやクラシック音楽に造詣の深い玉木正之と、指揮者の金聖響が、ベートーヴェン以降のロマン派の作曲家のなかから、シューベルト、ベルリオーズ、メンデルスゾーン、シューマン、ブラームス、チャイコフスキーの六人をとりあげ、彼らの音楽の魅力について解説がなされている本です。
『ベートーヴェンの交響曲』のように、交響曲を一つずつとりあげてその構成について解説しているわけではなく、作曲家たちのエピソードなどにも触れながら、その魅力をわかりやすく説明するという内容になっています。
「ロマン派とはなにか」というテーマが語られている「プレトーク」、ブラームスの曲のたのしみかたについて語りあった「インターミッション」、そしてウィーンと京都の類似性について論じられている「アフタートーク」では、玉木と金の対談の形式になっていますが、それ以外は金の単著といえるような形式で解説がなされています。
「B級映画のバックに最適」なワグナーが好きだという玉木に対して、「品のある」ブラームスのほうが好きだと金は述べていますが、やはりブラームスの章は金の思い入れの深さがにじみ出ているように感じられます。ただ、上で述べたように一曲ずつていねいに解説をおこなうといったことはなされておらず、もうちょっとくわしく説明してほしいと感じてしまったのも事実です。 -
ブラームスは1番、チャイコフスキーは4番が好きだなあ
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チャイコフスキーの交響曲の章の「快感原則」のお話は面白かったです。演奏する方も、聴く方も気持ちよく聴こえるテンポ、強弱があって、時に、楽譜に書いていない場合がある。忠実に再現するという考え方と衝突が起こるとのこと。オーセンティックな演奏を聴いてみようと思われた方は。金聖響さんの指揮するコンサートに足を運んでくださいとのことです。やはり楽譜がある以上、作曲家の意図したとおりに再現された音楽を聴いてみたいと思います。
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苦悩を突き抜けて歓喜にいたれ、ベートーベン。国家間の紛争や民族問題に悩み、社会のあり方に悩み、自殺を図るほど苦悩な日を送っていた。
メンデルスゾーンは人生の苦労は自分がユダヤ人であるということだけで十分だという思いもあって、音楽では悩まなかった。 -
前著 ベートーヴェンの交響曲があまりにも良かったので、続編のこちらを読んでみました。
前期後期の代表的な作曲家を6人、シューベルト、ベルリオーズ、メンデルスゾーン、シューマン、ブラームス、チャイコフスキーについて指揮者でもある著者が紐解きます。
前著では一つの交響曲を深く掘り下げていたのに対し本著は浅くしか切り込めていません。本の分量からして仕方がないですけど残念で仕方ありません。前作同様、一人の作曲家に対して一冊というペースで出してもらえたら良かったのに・・・。特にブラームス、チャイコフスキーはもっと分量が欲しかった。
とはいえ、内容はしっかりとしてます。
指揮者の目から見た交響曲の魅力をたっぷりと紹介しています。
面白かったです。 -
玉木+金ペアの著書はほかに2冊あります。
「ベートーヴェンの交響曲」と「マーラーの交響曲」。
出版順的にはベートーヴェン→ロマン派→マーラーなので、
その順番で読むべきだったなぁ、と感じました。
交響曲自体の説明などはベートーヴェンの巻にあったようです。
この本は小難しい楽典について書かれている本ではありません。
作曲家の人となりやエピソードなどには触れていますし、
曲自体の解説もされていますが、
いわゆる曲目解説とは異なり、
交響曲の構造ではな、い聴きどころに重点が置かれています。
それは金聖響という指揮者の視点で書かれているからかもしれません。
何より、この本を読んでいると該当の曲が無性に聴きたくなります。
楽典が苦手、という人にまず読んでもらいたい本ですね。