日本の雇用 ほんとうは何が問題なのか (講談社現代新書)

  • 講談社 (2009年6月18日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (208ページ) / ISBN・EAN: 9784062879972

作品紹介・あらすじ

正社員2人に1人が不安を感じている。不況だからだけではない。 ミドル社員危機。正社員中心の組織の制度疲労。個人の孤立……。 企業の本音を知る第一人者が、問題の真実を説く。

みんなの感想まとめ

日本の雇用の現状と課題を冷静に分析した本書は、雇用構造の複雑さや非正規社員の増加がもたらす影響を明らかにします。著者は新卒一括採用の肯定的な面に触れつつも、格差やミドル層の雇用流動化に対する具体的な解...

感想・レビュー・書評

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  • @山崎>寄贈しました

  • 日本の現状を分析し、解説されていることはよくわかりましたが、この著者は新卒一括採用方式には肯定的なようです。
    また、今の日本の雇用は外国に比べればひどいということではなく、マスコミが言うほど心配することではないらしい。
    抜本的な改革をしなくても大丈夫なように聞こえますが、果たしてそうでしょうか?格差もそんなにひどくないということですが・・・

    根本的な、若年層の就職への意識、教育にはあまり触れられてないし、ミドル以上の雇用の流動化への方法論についても物足りなさは否めません。
    確かに、社会人であれば、知らないではすまされないですし、最低限の事は知っておく必要はあり、自己研鑽の意識を持つことも必要です。しかし、自己責任だけではすまされない部分もあります。最低限の法律やセーフティーネットについても「知ろうとしない人」「他人(会社・国)任せの人」が多く存在しているので、そこをどう変えていくかということも少しは言及してほしかったです。

  •  「日本の雇用構造の冷徹な考察」。本書はまさにそれだと思えた。
     5000万人の就労者のうちで非正規社員がすでに2000万人を越えており、社会的にもさまざまな問題が引き起こされていることは周知の事実だが、、その現在の日本のおかれた困難な状況とその全体像を冷静に考察している。
     「非正規社員化が生み出した光と影」は、「非正規」に否定か肯定かどちらかの意見が多い中で、「企業にもたらした光」とともに「賃金格差」の影も同時に指摘している。
     「長い歴史の中で『今』を考える」「雇用構造の三層化と雇用調整の現実」では、企業経営者の立場からの「雇用」についての考察を行っているが、「景気の山谷は循環的にやってくる。そして雇用調整は避けて通ることができない。その時に企業にはどのような選択肢が残されているのか。山谷を越えられない企業は経営を維持でき」ない、とある。
     これをどう考えるべきか。日本の雇用システムの現状は出口のないデッドロックに入っているということなのだろうか。
     本書ではヨーロッパでの「同一労働同一賃金」についても考察しているが、日本においては「どのような税や年と金の体系を描くのかという問題とセットで議論しなければならない」と、まさにそのとおりと深くうなずいてしまったが、日本の政治の現状を見ると、そのような制度の大改革はきわめて難しいのではないか。
     日本の雇用情勢に最も詳しいだろう著者の最後の結論が「おわりに」にある「私的セーフティネット構築のすすめ」である。
     著者自身が「非正規化」のもたらす賃金格差による労働者の「悲惨さ」はよくわかっているのだろう。
     しかし、日本の現状と企業の選択肢はそこからの有効な脱出策がないこともまた事実である。
     とすれば、政府も企業も個人を守ってくれない以上は、自分自身で守るしかないということなのだろう。
     このような正直な感想を本書の末尾の結論に書いている著者を人間的には尊敬するが、それにしてもこのような出口がないような日本の雇用制度の現状を、過去の人間は「末世」と言っていたのではないのか。
     かつて「総中流社会」といわれていたのは1980年代だっただろうか。日本もひどい国になってしまったものである。
     本書を日本の雇用制度の現状を労働者・企業経営者に偏ることなく冷静に考察した本として高く評価したい。

  • 評価4(買って満足)
    雇用の構造、問題点、対策の提示、課題がわかりやすくまとめられている。漠然と雇用に対する不安や疑問を抱えている人は一度読んでみると自分のポジションが整理できて良い。
    具体的に次に自分がとるべきアクションを考えるきっかけになると思う。

    こんな人におススメ
    ・雇用不安を抱えている人
    ・35歳を超えたミドル世代でこれからのキャリア展望をどうすればいいか途方にくれている人
    ・近い将来に転職を考えている人
    ・派遣で働いている人

  • 新書でありながら「日本の雇用」に関し、何が行われているのか、どこが問題なのか、どうすればよいのかを幅広く記す。特に政府の直接雇用対策の問題点、日本でワークシェアリングが根付いていくのか、雇用保険のジレンマについては興味深く読めた。

  • 内容は覚えていないが、新鮮味がなかった思う。

  • 第2週 1/18(水)~1/24(火)
    テーマ「学ぶ」こと・「働く」こと

    ↓貸出状況確認はこちら↓
    https://opac2.lib.nara-wu.ac.jp/webopac/BB00172957

  • 現代は雇用不安が大きな時代である。この本では雇用問題について歴史などいろんな視点から書かれている。筆者が最後に私的セーフティネット構築をすすめている。個人年金や貯金、家族や知人とのネットワーク、社会保障に関する知識、どこでも通用するスキルなど。雇用の実態を理解し、課題を整理していく必要があると感じた。

  • 2009年の著作。それから2年後。この本で提唱されていた対策等は実現されているだろうか。いや、あんまり・・・。

    っていうことは机上の空論が多かったのかな。

    読んでいて、救われるべき非正規雇用者は高い能力・モチベーションを秘めているのに報われない人という風に考えていると感じられた。

    そもそも力のある非正規雇用者は景気が回復すれば正規社員として復活できるだろう。

    もっと問題なのは(言い方は悪いが)能力の低い人たち。
    どうやら最近の日本の子供たちはやる気があまりない子が多いらしい。そしてなまじ親が裕福なもんで「働かなくてもいいじゃないか。」と考えている者もいるらしい。
    そういった人たちが結局仕事に就かず何もせずにいて、ある時一斉に生活に困窮したと言って押し寄せてきたらどうするんだろう。

    そういった人たちはどこに行けばいいのか。そういった核心に触れていない。

    まぁこの本の論点がそこでないのだろうけど。

    不景気の時にこそ職業訓練で人材育成に励むべきだと言うが、果たして本当にきちんと人材育成ができる土台が日本にはあるのか。

    むむぅ・・・やはり机上の空論だったのか??(-公-;)

  • ぅ~ん。
    著者はリクルートワークス研究所の所長であり、分析的に述べていますが。。
    例えば、ワークシェアリングに否定的な態度はもうちょっと制度を確立していかないと根付かない問題だと思うし、高齢者の活用云々については基本的に賛成だけど、「じゃあ一体誰が財源を確保するんだ?」って話で、ボランティアの活性とか言いますけど実際問題生きていくには少なからずのお金がいるわけで、ちょっと机上の空論みたく感じました。
    失業手当の項目に関しては特に目新しいことは無く、もはや制度として崩壊している…
    まぁ。
    決して駄作ではないのですが、この本を読んでみて、最終的に「へぇ~」という感想しかありませんでした(笑)

  • 日本の雇用情勢を取り巻く諸問題について解説した本。歴史的アプローチ、非正規雇用の増加、現実の雇用対策について述べられている。

     気になった点をいくつか紹介。

    ・90年代から台頭してきた成果主義には、年功序列制に見られた賃金の自動拡大防止、実力ある若手の抜擢といった光の部分があるが、若手の育成を阻害、「教え合い」、「助け合い」の風潮がなくなるという影の部分もある

    ・「100年に1度の未曾有の不況」と言われているが、マスコミが煽りすぎているという一面が強い

    ・企業の大学新卒者の一括採用の慣行は、それまで大企業だけが行っていた新卒一括採用を昭和恐慌後に中小企業も始めたことで誕生。日本の失業率が欧米諸国に比べて低いのはこのシステムによる

    ・正規社員vs非正規社員の二層構造が指摘されているが、実際は正規社員vs常用非正規社員vs臨時非正規社員の三層構造

    ・戦後間もない頃は公共事業による雇用創出が有効だったが、今はむしろ経済活動の必要性があって初めて雇用ニーズが誕生する

    ・労働者、企業、政府の「三方一両損」であるワークシェアリングは日本では経済活動を阻害するので合わない

    ・日本の失業者の77%は失業給付をもらえない

    ・国費で企業の雇用を支援する「雇用調整助成金」への注目

    ・労働者の不安を抑えるためには非正規社員が正規社員になれる道筋を明確にする必要あり

     このうち成果主義の長所と短所については同じようなことを考えていました。さらに私は成果主義の短所として「成果」の定義が曖昧なことも挙げたいです。

     たとえば営業課だったら「契約の取り付け件数」といった明確な成果の基準があるが、総務課あたりは何を以て「成果」とするのは難しいだろう。それから上司の好き嫌いの基準だけで実力があっても出世できない(あるいはその反対の現象)ことも考えられる。

     それに加え、インフラなど公益を目的とする企業の社員や、いわゆる「公務員」が担当する職業など、成果主義になじまない職業もあることを考えると、成果主義導入にも検討が必要である。

     大学の新卒一括採用は疑問に思っていたが、戦前からこの慣行があったこと、失業率を低く抑え続けてきたということは初めて知った。でも、この制度で就活が前倒しになっているのには異議申し立てをしたい。なんだか就活における負け犬の戯言みたいだが、せめて大学4年間は必要以上に就活に縛られたくないというの本音である。

  • ゼミで使ったが、この本は駄目。基礎的な用語からして間違っていた。

  • 著者はリクルートワークス研究所を立ち上げた人。日本の雇用についてその問題点(非正規社員、新卒労働市場、キャリアアップetc)について書かれている。
    良かった点は、ワークシェアリングや同一労働同一賃金など掲げるだけで総論として賛成せざるを得ない論点をきちんと批判していたところ。海外モデルの単純な賛美に対する警鐘。
    悪かった点は、やや非正規社員や弱い立場にいる労働力に対してきついかなということ。

  • 戦後の雇用政策について簡潔に纏めてあったのがとても良かったです。

  • ■目次

    第1章 日本の雇用はなぜこうなったのか/
    ・この10年で何が起こったのか
    ・長い歴史のなかで「いま」を考える
    ・雇用構造の三層化と雇用調整の現実/
    第2章 日本の雇用対策に関する3つの不思議/
    ・なぜ直接雇用を創り出そうとするのか
    ・なぜ「ワークシェアリング」にこだわるのか
    ・ほんとうに「新卒氷河期」なのか/
    第3章 この雇用不安のなかでどう働いていくのか/
    ・いま企業にできること、やってはいけないこと
    ・職場のマネジャーは何を求められているのか
    ・じぶんのキャリア・リスクと向き合う/
    第4章 雇用対策の3本柱を正しく理解する/
    ・雇用保険にできること、できないこと
    ・職業訓練、これからの課題
    ・雇用調整助成金、どこまでやるか/
    第5章 残された雇用の課題/
    ・正規社員と非正規社員の格差問題
    ・ミドルとシニアこそが問題だ
    ・派遣について考えなければならないこと/
    おわりに 私的セーフティネット構築のすすめ

    ■レビュー

  • 出張の新幹線車内で読了。新しいので読んだが、著者のこれまでの主張の焼きなおしがほとんどで目新しい情報はなかった。残念。

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著者プロフィール

リクルートワークス研究所アドバイザー。株式会社職業能力研究所 代表取締役
1983年一橋大学経済学部卒業。同年株式会社リクルート(現 株式会社リクルートホールディングス)入社。人材総合サービス事業部企画室長、地域活性事業部長などを経て1999年にリクルートワークス研究所を立ち上げ、所長に就任。2010年~2012年内閣府参与を兼任(菅内閣、野田内閣)。2011年専門役員就任。2012年人材サービス産業協議会理事就任。専門は、人材マネジメント、労働政策、キャリア論。

「2023年 『一人ひとりを幸せにする 支援と配慮のマネジメント』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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