選ばれる男たち-女たちの夢のゆくえ (講談社現代新書)

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  • 講談社
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  • Amazon.co.jp ・本 (200ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062880022

感想・レビュー・書評

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  • 決して暴力などふるわず、疲れているパートナーをいたわり、ゆっくり話を聞いてやる。そして相手を見上げ、相手からかわいい!と思われる。そして、自らの持つ権力性に自覚的であること。

    草食系男子って、経験に学ぶ、時代の必然なのですね。日本の若者に、ハッピーが続きますように。

  • DV被害者を扱ってきたカウンセラーが描く、こんな男がいたらいいな、という妄想

  • 思索

  • 男ちゅーものがどんな奴なのか。自分はどうとらえているのか ヨックわかった。そやねん!ッタク!!

  • 以前読んでいたが2017年4月に再読。

    性的に選択されることがなくなった"おばさん"がいかに強かにこの国で生きているかがわかる一冊。
    石川遼やヨン様におばさんたちが熱狂するのは性的欲求の発露だというのはおぞましくも人間的だ。

    また、後半には筆者がカウンセリングで出会った女性たちの話からいかに日本的な家族像の中で女性たちが苦しい生き方を強いられてきたのかがわかった。特に公務員夫の妻の話は後半涙なしには読めなかった。

    何かについて明確にわかる!という本ではないが、じんわりと心にくる新書だ。

  •  うわー。という感じ。
     男は死ぬまで現役感が有るなぁと思っていたけれど、女性も死ぬまで現役なんですよ! 男女は人として対等であるという、実は当たり前のことが認知されていない社会なのだなぁとしみじみ感じる。
     性差で社会的役割が異なる時代は終わりを告げつつあるんだけれども、政権を奪われてはイカンというね。そうだろうねぇ。私が男ならそう思うだろう。

     しかし誰向けの本だろうか、弱者であることを強いられている女性向け?そうであるとしたら、夢や幻想と言い切られると……いやそれでいいのかとなる。

     さらに言えば、この本に書かれている「選ばれない男性たち」は、職場で暴力にさらされていると私は感じている。私ですら仕事において、パワハラ、アルハラ、セクハラなどの受けることは多い。
     結婚、妊娠、出産などので女性に比べ会社から逃げにくい男性にとって、非常にストレスフルな社会なんじゃなかろうか。上司は部下へ、部下は家族へ、親は子へ、子はイジメを行う。負のスパイラルだ。

     女性がDVだと言えるようになったように、男性もパワハラだと言えるようになることが大事であると考える。
     職場でのパワハラは権力構造から引き離せばよいとも言い切れず、難しいのだろうけれども……………それでも、やはり、パワハラはおかしい。自分の人権を自分が護らないことが、自分を傷つけることになっているのかもしれない。
     自分を護れ、戦わずとも逃げろ。そんなことを考えた。

  • 私が中性な異性を好みにしている理由がなんとなくわかるような内容だった。

    女性たちが結婚を夢見た結果のようなものを書いている

    もちろん希望だけではないということを

  • 少しタイトルが煽り調となっているけれども。
    当たり前といえば当たり前のことが書いてある。
    殴らない男、とか。

    まあそれって今ではDVですよね。とか。

    一度読み直してみるのもいいかもしれない。

  • WEB連載がもとになっているというせいもあるかもしれないけど、この前に読んでいた『変わる家族と介護』の地に着いた感に比べると、威勢はいいんだけどどっかでも聞いたことある感で進んでいく話。結局、女たちが求めているのは女みたいな男(ま、純草食男みたいなね)だというんだけど、本当かなあ? 物足りなくなっちゃうんじゃないの? それに男の立場も考えてあげるべきだと思う。希少価値だから元気がいいってこともあるわけで、消沈した男がデフォルトになったら、確かに今まで女たちが面白くない思いをしていた一部は癒えるかもしれないけど、別の意味の楽しさがなくなってしまうような……。
    日本で女やるのって、いちばんお気楽だと思ってる。そりゃ、男女差別が今だってたくさんあるけど、弱そうな立場を利用しつつ楽しくしたたかに生きることもできてるじゃない。ま、日本の男もある意味、世界に類をみないお気楽な立場だなとも思うんだけどね。この本みたいに、声高に訴えられないぶんだけ、男たちのほうがつらそうかなと。結局、そういう男女がつくる社会ではイーブンな男女関係は進みそうにない。
    以下の引用部には共感!

    だから、草食系男子という一群の男性たちがいつまで草食系でいるのかについて、私はきわめて深い懐疑を抱いている。
    男性の育児休業取得の割合が低いという事実が明らかにしているように、従来の価値観(性別役割分業、男尊女卑など)に基づくコードは厳然と生きている。親戚づきあい、保育園の送迎などの様々な場面で、コードに抵触する男性は必ず「男のくせに情けない」と評価されるだろう。女性のほうも、「ひどい妻」として酷評されるかもしれない。
    このように、結婚という制度に参入することは、日本に脈々と流れ続ける家族の常識に巻き込まれるということを意味する。
    その中にあって、男性がなお草食系であり続けるためには、多くの軋轢と戦う覚悟が必要となる。自然体で流れに逆らわないことを旨としてきた草食系の男性に、そんな覚悟があるのだろうか。 
    (p.186-187)

  • ああやっぱり、世のオヤジ達はこんなものかと思って納得。昔は夢や理想を声高に語っていたという我が父も今は母と離婚協議中。威張りながら守ってもらおうとする態度というのがまさにオヤジ、無視し続けるというのもまたオヤジ、世間体だけはいいのもうちのオヤジだ!この著者はうちを見たんじゃないか!?ってぐらいにオヤジ像をズバリと言い当てられた。

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著者プロフィール

公認心理師・臨床心理士、原宿カウンセリングセンター顧問、公益社団法人日本公認心理師協会会長。1946年生まれ。お茶の水女子大学大学院修士課程修了。駒木野病院勤務、嗜癖問題臨床研究所付属原宿相談室室長を経て、1995年原宿カウンセリングセンターを設立。アルコール依存症、摂食障害、ひきこもりに悩む人やその家族、ドメスティック・バイオレンス、児童虐待、性暴力、各種ハラスメントの加害者・被害者へのカウンセリングを行ってきた。著書に、『母が重くてたまらない』『さよなら、お母さん』『家族のゆくえは金しだい』(いずれも春秋社)、『カウンセラーは何を見ているか』(医学書院)、『アダルト・チルドレン』(学芸みらい社)、『家族と国家は共謀する』(角川新書)、『タフラブ 絆を手放す生き方』(dZERO)、『共依存』(朝日文庫)などがある。

「2023年 『家族と厄災』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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