カペー朝―フランス王朝史1 (講談社現代新書)

著者 :
  • 講談社
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本棚登録 : 363
レビュー : 42
  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062880053

作品紹介・あらすじ

「時間を超えた逆転劇」、それが、冴えない始祖、ユーグ・カペーが頭の中で描いていたことなのか?「名ばかりの王」から300年の時を経て、ローマ教皇、神聖ローマ皇帝と並ぶ権力者としてヨーロッパに君臨するまでの物語。

感想・レビュー・書評

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  • フランク王国が三分割された後のメロヴィング朝、カロリング朝の西フランク王国の宮宰だったロベール家から987年に誕生したカペー朝。ただ成り立ちはカロリング朝の後継が途絶えたからで、実力でなったわけではなく、そもそもカペーという言葉自体意味は合羽。初代国王ユーグ・カペーはカッパのユーグ。であり、若年で王位に就いた。王家は弱く、自分の代に息子を共同統治者として引き上げることを続けてなんとか王朝の継続性を保った。そもそもカペー朝時代は、アンジュー公、アキテーヌ公、ブルターニュ公、ノルマンディー公が同じくらいの領地を持っており、海の向こうにはノルマンディー公が征服することになるイングランドが有り、東は神聖ローマ帝国もあり、ただの弱小国家であった。ただ断絶することなく地道に征服婚姻を通じて領地を拡大していったが、最後は短い治世が連続し、係累のヴァロワ朝に移行することになる。

  • フランス王国 カペー朝の通史。フランス王国が一地方勢力から欧州の強国へと成長していく過程が分かりやすく書かれていて、入門書として優秀だと思う。

  • カペー朝の歴史についてユーモラスに描いている。この時期の歴史、特に政治史についてはわかりやすく説明した本が少ないので、貴重である。

  • 名ばかりのフランス王位に実力を与えた王朝の物語。教科書クラスの名君の活躍の足場を作った、日陰の王たちの話は目新しく面白かった。続編になるであろうヴァロワ朝も楽しみ。

  • 序盤は名前をなかなか覚えられなくて乗れなかったが、後半は面白かった。3世とか4世とか、複数の名前についてそれぞれ増えていくからつらい。

    健康で長生きすることが結構重要なのだなあと感じた。世継ぎに恵まれなかったり、明確にしておかなかった国は基本的に御家騒動に巻き込まれて(つけこまれて)滅んでいく。大変な時代であった。

    カペー朝の主君は数百年に渡ってそれほど会戦が得意ではなかったが、なんとか生き残った。ユリウス・カエサルのような才能ある人物は稀有な存在なのだなあ。

  • 「今から逆算すると、フランスはカペー朝から始まった」と言えるのだろうが、

    よくぞこの「自称 王」から始まって国家になれたものだなあと。
    ただし、カペー朝は「創業」だけでその役割を終える。
    ここから先に行くには、もはや「ファミリービジネス」では続かないのだ。(いや、相対的にはファミリービジネスの域を超えていたからこそ、ここまでこれたのだが、ここから先の段階に進むには、更なる組織化が必要不可欠)

    東フランク王国が、神聖ローマ帝国となり、ドイツ統一は遅れた。
    中央フランク王国は、教皇庁の強い影響なのか、やはりイタリア統一は遅れた。
    西フランク王国が、混乱の中からいち早く統一国家への道を歩んだのはとても興味深い。
    その秘密の一端に触れることが出来たが、続きはヴァロア朝へ

  • 王は凡庸、周りの敵は華麗にして巨大。
    絢爛と呼ぶにはあまりにもささやかなフランス王家物語の幕がいまあがる。


    正直なところ、「カペー朝」がどの時代に属するのかが分かっていなかったし、具体的なことは何ひとつ知りませんでした。
    領土からいえば、現在のフランス共和国の原型ともいえるのでしょうかね。
    英仏百年戦争が勃発したのもカペー朝の時代だし、なかなか興味深い時代の1冊です。

    フランスといえば『ベルバラ』から入った私にとって、とても貴重な1冊でした。

  • [評価]
    ★★★★★ 星5つ

    [感想]
    再読なので簡単に感想を書いておく。
    前回の感想を確認したが似たような感想を書いていたので驚いたが、足利義輝が将軍になってから天下統一を徐々に進めていったように感じた。
    フランスと日本の大きな違いはイングランドやローマ教皇のような外圧の有無だろうか?

  • 弱さが幸いする、ということもあって、そこが人間の世の中の面白さになっている。

    己の無力さを知っていたユーグ・カペ―だからこそ、細く長く続く先に、希望を繋げることが出来たんですね。

    987~1328年のカペー朝。
    ルイ一世はフランスの王ですらなかった。

    西欧はローマ帝国とカトリックの歴史が外せないから、素人すると幅が広すぎて大変だけど、フランスだけに目を向けた一冊としては、読み易くて楽しかった。

    フランスの成り立ちすらこんなに多様な進み方。
    やっぱり。
    今は歴史の流れって、今でも一時であって、まだまだ国然り、制度然り、思想然り、変わっていくんでしょうね。

  • カペー朝の各王をこんなに詳しく知れる本は貴重。熟読必須。
    とりあえずカペー朝は尊厳王フィリップ2世、聖王ルイ9世、美男王フィリップ4世を覚えておけばよさそう。

    ユーグ・カペー
    ロベール2世
    アンリ1世
    フィリップ1世
    ルイ6世
    ルイ7世
    フィリップ2世
    ルイ8世
    ルイ9世
    フィリップ3世
    フィリップ4世
    ルイ10世
    (ジャン1世)
    フィリップ5世
    シャルル4世

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著者プロフィール

佐藤賢一

一九六八年山形県鶴岡市生まれ。九三年「ジャガーになった男」で第六回小説すばる新人賞を受賞。九八年東北大学大学院文学研究科を満期単位取得し、作家業に専念。九九年『王妃の離婚』(集英社)で第一二一回直木賞を受賞。『小説フランス革命』(集英社、全一二巻)で第六八回毎日出版文化賞特別賞を受賞。他の著書に『カエサルを撃て』『剣闘士スパルタクス』『ハンニバル戦争』の古代ローマ三部作、モハメド・アリを主人公にした『ファイト』(以上、中央公論新社刊)などがある。

「2020年 『ファイト』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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