走る意味―命を救うランニング (講談社現代新書)

著者 :
  • 講談社
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本棚登録 : 176
レビュー : 37
  • Amazon.co.jp ・本 (296ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062880374

作品紹介・あらすじ

早大監督との訣別、在日としての葛藤、ガン闘病、復活のサブスリー。長距離界のカリスマが初めて明かす衝撃の書。

感想・レビュー・書評

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  • マラソンの知識を得ようと思った人で、この著者の著作を読んでいない人ってどれだけいるんだろう。そう思うほど「ランニング」コーナーの常連著者だ。
    そういったトレーニング本と違い、本作は自伝の位置づけ。箱根駅伝走者だったのは知っていたけど、監督との確執やリクルート時代なんてのは初見で、まさにランニング界の激動を体感した一人なんだなぁと。面白かったです。

  • 他の金哲彦の著書とちがい、本書は著書の自伝です。
    前半、ガンの発覚・闘病・克服記や福岡での中高陸上部→早稲田→リクルート入社、辺りまでは流してたけど、在日朝鮮人としての在り方とオリンピックの関係が俄然興味深い。
    せっかく現役時代に「ソウルオリンピック(1988)開催」という好機に恵まれたのに、両親の思いを汲み、また青年期特有の真っ直ぐさから恩人・中村清監督の気持ちを無にしたけど、天安門事件(1989)で、国と国民の縛りを考え直す。
    まあ、ただでさえソウルオリンピックは、モスクワ(1980)
    →ロス(1984)と、スポーツが政治に巻き込まれた暗黒期を乗り越えての大会だっただけに、競技者以外にも思うところある人は多かっただろう。

    また、ヱスビー食品のケニア人選手ダグラス・ワキウリとの絡みも面白い。福岡から上京して初めて会ったアフリカ人との交流、自ら逃したロス五輪での彼の活躍への複雑な思い。「走る人」も同じ人間だねー。

    いざ韓国籍にしてみると、今度は戦時下で戸籍がなかったことが発覚。この辺の苦労って、本来ならアスリート的にはしなくていい苦労だろうが、競技者にとって朝鮮籍であることは「パスポートがない=国際大会に出場できない」であることにピンと来なかった私も大概平和ボケである。
    韓国の国体には在日枠・在独枠・在米枠があるとか。朝鮮戦争で難民として世界へ散った人達の多さ故だ。

  • 「箱根駅伝ことば学」の筆者が、この本を大絶賛していたので読んでみた。

    金さんといえば。。
    マラソンの練習を始めた私に、ランナーさんが勧めてくれた本の著者であり、マラソンや登山を知るのに、ランナーさんが勧めてくれた、たかぎなおこさんの本にもよう登場する人。
    そんな前提知識しかなかってのだが。。

    紆余曲折あって、今の地位にいるんですね。
    あくまでも前向きに前進を続ける筆者の人生に驚きました。

    『走ることは単純に見えて複雑です。走っているときは、それこそ、身体全体で森羅万象すべてのものを深く感じているのです。』

    『走るということは一歩一歩です。』

    『走るということは、そんな人間の根源的な生きるという欲求を満たし、深い喜びを得られる行為なのです。』

    そんな走るという言葉の意味が書かれていましたが、遅いけど、走り始めた今の自分には、少し理解できる。
    走るなんて苦しいだけ!自分はやれない!と、思っていた時とは感覚が変わった。
    走ってるときは、自分との戦いで、自分しか頼れる人はいない。
    すごい孤独なんだけど、楽しい。

    明日も走りたいなー。。

  • 160416 中央図書館
    自身のランナー、コーチ、クラブチーム、市民ランナー指導者としての半生、ガン体験などの自伝形式だが、優れたエッセーとしても読める。

  • 三葛館新書 782.3||KI

    マラソンのカリスマコーチである金哲彦さんの自伝。
    在日として生まれて、幼少のころから走ることに目覚め、長距離選手として走ってきた中での大切な師や仲間との出会いと別れ、オリンピックという夢を抱いて懸命に頑張ったが夢破れてしまったことやガンの発病など、さまざまな試練や苦難を乗り越えてきた著者の姿から、いつどんな時もまっすぐ生きる姿やすさまじい精神力を感じられます。
    さまざまな葛藤を乗り越え、改めて走る意味を見出した著者。走ることは気力や本能を呼び戻し、生きることに直結することといいます。みなさんも本書を読んで、走ってみることで楽しさや「生きている」実感を湧かせてみませんか。
                                  (かき)

    和医大図書館ではココ → http://opac.wakayama-med.ac.jp/mylimedio/search/book.do?target=local&bibid=58907

  • 平成26年10月14日読了。最近、自らのランニングの教本として手に取る書物の著者が、一様に「金哲彦」なる人物だったので、その為人を知りたいと思い手に取る。箱根のエースにして、名門リクルートのクラブを立ち上げた張本人と知り、その説得力あるランニングメソッドの源泉に納得した次第。

  • 著者の生立ちの半生記。前知識は皆無。早稲田で箱根駅伝を走り、リクルートで選手として陸上部を立ち上げ、同時に在日韓国人としてのアイデンティティを送れて確立して行く。韓国籍になって、オリンピックを目指すもソウルオリンピックに遅れて立ち上がった韓国マラソンレベルに追いつけず落選。リクルートのコーチそして解説者として脂がのって来た頃にガンになった。そこから回復して今に至る。

  • 「人間としての本能」それが走るということだ。元エリートランナーが、苦節の人生を振り返って、伝えたい気持ち。大学時代の鮮烈デビュー、会社で陸上部新設と、華々しく見える陰で、壮絶な走り込み、学費捻出、国籍問題、恩師との訣別と苦難を乗り越えていた。オリンピック出場をかけて望んだ単身ボルドーでの高地トレーニングに、すさまじい精神力を感じた。ところが、実業団監督時代の苦悩、そして癌と自分自身が走ることから遠ざかる。闘病克服から感じたこと、「走る楽しさを伝えたい、たくさんの人へ」。走ることは生を実感することなんだ。

  • H25.10.1

  • 自伝的エッセイ。マラソン解説者、ランニングコーチとしての金さんしか知らない人は一度読んでみるといいと思う。

    初期の著書がかなりストイックに記録を狙う感じの本なので、読んでみよう。

    カラダ革命ランニング
    3時間台で完走するマラソン

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著者プロフィール

監修 金 哲彦(きん てつひこ)  1964年、福岡県生まれ。プロ・ランニングコーチ。早稲田大学時代は、箱根駅伝で活躍。4年連続で山登りの5区を担当し、区間賞を2度獲得し、1984年、85年の2連覇に貢献。大学卒業後、リクルートに入社。87年別府大分毎日マラソンで3位入賞。現役引退後はリクルートランニングクラブで小出義雄監督とともにコーチとして有森裕子、高橋尚子などトップランナーの強化に関わり、その後同クラブの監督に就任。現在はプロ・ランニングコーチとしてオリンピック選手から市民ランナーまで、幅広い層の信頼を集める。テレビやラジオでマラソン・駅伝・陸上競技中継の解説者としてもおなじみ。著書多数。

「2020年 『100歳ランナーの物語』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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