ソーシャルブレインズ入門――<社会脳>って何だろう (講談社現代新書)

  • 講談社 (2010年2月18日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (240ページ) / ISBN・EAN: 9784062880398

作品紹介・あらすじ

-内容紹介-
「ソーシャルブレインズ」は、「社会脳」と訳される、いまもっとも注目のキーワードです。
世の中には、人の数だけ脳があります。複数の脳がやりとりをすることで、人間関係や社会はなりたっています。見方を変えれば、脳は、そのような、他者との関係や社会の中で、初めてその機能を理解できるものです。
「ソーシャルブレインズ」とは、そんな「人間関係や社会に組み込まれた状態の脳の機能」のことです。「空気を読んだり、がまんしたり、人とつきあう」脳の機能です。
これは、専門家でなくても自然に理解できる考え方です。しかし、これまでの脳科学では、ソーシャルブレインズに着目した研究を行おうとしても、技術的な「研究の壁」に阻まれていました。
この壁を破りつつあるのが、著者の藤井直敬氏です。斬新な実験方法の開発を行うと同時に、「脳も社会も、ハブを持つネットワーク構造であり、共通したアプローチで理解できるもの」という考え方から、この新しい分野を切りひらきつつあります。
本書は、そんな著者の描いた「ソーシャルブレインズ研究の俯瞰図」であり「脳科学者が何を考えながら研究しているかを率直に綴ったノート」でもあります。やわらかな感性と冴えた知性、そして、毎日出版文化賞(前著『つながる脳』NTT出版)を受賞した魅力的な文章で語る、「新しい脳科学の時代」を告げる入門書です。

みんなの感想まとめ

社会との関わりを通じて脳の機能を探求する新たな視点を提供する本書では、「ソーシャルブレインズ」という概念が中心に据えられています。著者は、脳がどのように他者との関係性を通じて進化してきたのかを、さまざ...

感想・レビュー・書評

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  • 「「自己」という幻想」

  • 摂南大学図書館OPACへ⇒
    https://opac2.lib.setsunan.ac.jp/webopac/BB99195036

    とても面白い本です。「空気を読む」「人とつきあう」脳のしくみとは?「自己と他者の脳が作る社会を前提として、その社会に組み込まれた状態の脳のしくみをとらえる」という考え方について書かれています。
    (生命融合科学分野 大塚正人先生推薦)

  • 「私たちはどこから来て、どこへ行くのか」関連本。

  • 新書サイズなのであまり深くはないのだろうけど、ソーシャルブレインズの基本的な考え方はなんとなく理解できた。

    環境と自己とのかかわりの中で、特に社会(他者)とのかかわりを重要視しているソーシャルブレインなのだけど、第3章でも触れている通り「自己と他者が置かれている環境」もその社会性に影響を与えるとか、かなり複雑でワクワクしてくる。まだまだこれからの分野とのことで続編を期待。

    哲学ゾンビに代わって「社会的ゾンビ」というものを使って説明するなどわかりやくい。

    あと著者の考えでは、認知において低コスト戦略をとっているとのことなのだけど、そのコストを脳たちが日頃どのようにして算出して(脳同士で協力して)意思決定しているのか興味ある。

  • 第1章 ソーシャルブレインズとは何なのか?
    第2章 これまでのソーシャルブレインズ研究―顔、目、しぐさ
    第3章 社会と脳の関わり―「認知コスト」という視点
    第4章 僕はどうやってソーシャルブレインズを研究しているか
    第5章 ソーシャルブレインズ研究は人を幸せにするか?―幸せとリスペクトの脳科学

    著者:藤井直敬(1965-、広島、脳科学)

  • 2010.02.19 mindiaで発見
    http://mindia.jp/book/nishiko/keyword/%E7%A4%BE%E4%BC%9A%E8%84%B3

    社会学よりも神経学の本だった。期待していた内容と少しちがった。

    期待していたこと:人間社会全体が、ソーシャルメディアを通じ知識を交換すること。
    実際に書かれていたこと:社会から影響を受ける脳のこと。

    内容が悪いわけではないのですが、期待していたものと違ったため、マイナス評価にしてあります。読了していませんが、読了したことにします。

  • 図書館

    ソーシャル

  • ソーシャルブレインズの概念を理解する上では有用な一冊だろう。

    根本的な考え方としては、「実験室に閉じこめられた脳」の実験では、不確定な要素の対応を含む脳__つまり普通の脳__の事を理解することはできない、となる。

    実際のソーシャルブレインズの研究はこれから本格化してくるだろうことは本書から読み取れる。したがって、現段階ではは準備中のフレームの提示のみだ。

    しかし、このフレームが提示する可能性は大きいと思う。なんというか、脳研究の質的な転換が行われているような気すらしてくる。

    「経済学」が基本とする人間__経済合理性を完璧に追求する人__はすでに死んでいる。そしてその場所には行動経済学が提示するごく普通の人間が鎮座している。

    それと同じような転換が脳科学の分野でも起こるのではないかと思う。

    加えて、そのような質的転換がほぼ同じ時代で生まれつつあるというのが興味深い。

  • これも面白いのだが、抽象的な話が多く、正直にいうと前作「つながる脳」の方が具体例に富んでいておもしろかった。単に読みが浅いだけなのか・・・

  • どんなに考え抜いて行動しても、それを評価するのは外部、てのが面白かった。

  • 自分と世界の隔たり、自分と他人との境界線。
    当たり前のように感じているが、それがどのように脳で構築されているかは謎だ。

    ロボットはまだ不気味の谷を渡り切れていない。
    HMDを被ってもCGによる仮想現実世界は仮想としか感じ取ることができない。
    当たり前にいくまでにまだ壁がある。

    こういうところにもまた、ソーシャルブレインズの力が発揮されるのではないだろうか。

    (以下抜粋。○:完全抜粋、●:簡略抜粋)
    ○カラム構造を基本ユニットとして採用することで脳はスケーラビリティを確保した(P.22)
    ○社会が与える適度な自由度の制限は、じつは、脳にとって快適なのかもしれません。
     あらゆる可能性を考慮して、最適な一つの答えを選択するのは、とても大変な作業です。(P.47)
    ○ラバーハンド実験(P.99)
    ●鏡をまたいでマネキンの手が自分の手のようにみせかけ、脳を錯覚させるもの。
     自分の手の触感と 300ms 程度ずれると、錯覚が解ける。
    ○ミルグラム実験(P.146)
    ●問題を間違えた時に電流を流すもの。
     65%の人が嫌だと言いながらも、450ボルトまでボタンを押し続けた。
    ○スタンフォード監獄実験(P.151)

  • 無条件な存在肯定
    それこそが
    社会脳を発達させ
    見せてくれる世界である。

    母を離れ
    家族と離れた時に
    自分の存在をリスペクトしてもらえるのかなんて
    誰にもわからない
    だって他者かた得られるものだから

    だからこそ
    自ら
    存在を肯定することが
    必要なんじゃないかなーって思う。

  • 【内容】
    ソーシャルブレインズとは、社会の中で脳の動き、働きを研究する分野の学問。
    今までの脳に関する研究はどちらかというと、個体での脳の働きを詳細に研究していく活動が主だったが、社会の中で他の人との関連について脳がどのように働くかを研究してく分野
    本書は、比較的新しいこの分野でのいままでの研究とこれからを広く浅く紹介している。
    【得たもの?やってみること】
    全ての人はリスペクト(その人のすべてを肯定してあげること)を求めている。
    子供にとってはさらに重要。
    わが子をリスペクトして、スキンシップを図る。
    【感想】
    一般の人が読んで楽しくなるようなものではないが、雑学としては面白い内容だった。
    今までの研究を浅く紹介していて、下記の部分が気になった。
    <脳のカラム構造>
    脳にはニューロンがあって、これがカラム構造といって、ニューロンの層が6層にわたっている。
    大脳新皮質だけの話かもしれないが。
    前から気になっていた、本能とか、性質はこの構造によって定義されるならなんとなくわかる気がした。
    DNAでプログラミングされているといっても、記憶や経験は後天的だから引き継げない。構造に意味があるならわかる。

    <ミラーニューロン>
    話は聞いたことがあったが、なんだかわかっていなかった。
    脳はニューロンが自身の体験や動作によって発火するが、このミラーニューロンは自分の動作だけでなく、相手が行った動作にも反応して発火するもの。
    面白い。

    <携帯電話での違和感>
    話をするときには相手との話のテンポが重要で、時差が大きくなると、コミュニケーションが断裂していると脳は感じるらしい。
    300msがその境界のようだ。
    携帯での会話の違和感がこれで説明できる。

    <相手の目を見て話す>
    相手の目をみるとは、相手との上下関係を確認する動作。
    通常は先に目をそらすのが下位とみなされる。
    目を合わさずに話すと、この上下関係が確認できず、人は会話がうまくいかないと感じるらしい。

    <仮想空間でエビになる>
    人間に、カメラと体に仮想空間上の身体を動かすセンサーをつける。仮想空間上でエビのような体をあたえるとそのうちその体に適用していき、自身の体のように感じる。

    <認知コスト>
    著者が提唱する考え方で脳では、自身のルールを変更したりすることで、このルール変更とかルールを作ることに伴って脳の手間がかかる。この手間を認知コストと呼んでいる。
    脳はこの認知コストが少ないように活動しようとする。なるべくなら自分のルールは変更せずに他者のルールを変更させたいとか、権威あるルールに無条件に従うことで、無駄なコストを使わないなど。

    以上。

  • 人が取る行動は、社会との関係性によって変化する、という当たり前のようなことだけれども、あらためて考えると、どうして?となるものの説明。

    もし会議室でお茶とケーキを出されたら、どこまで食べるか、あるいはまったく手を付けないかは、その人の立場による。
    そこへ、さらに、天皇陛下が入ってきたら…?
    ここで反応するのは、日本人だけで、アメリカ人だったら反応しないでしょう。
    とか、思考実験がおもしろい

  • 母子関係の説明、おかしいと思う。

  • ルールは省エネ

  • ソーシャルブレインとは何か?をテーマにしてますが、脳科学の分野でも新しい分野なので、本書を読んだことで、ソーシャルブレインについては、ボンヤリしか概要がつかめないです。ただ人は他者とのかかわりの中で社会生活を営んでいて、個人の脳が、そのかかわりをコントロールしている。この複雑な脳の働きをどうとらえるか…。

    心理学、社会学の分野にも関係あり

  • 読書レポート:ソーシャルブレインズ入門――って何だろう (講談社現代新書) | デジたろうとピアノ http://digitaropiano.luna.ddns.vc/digitaropiano/?p=5015

  • 最後まで読んだのに、ソーシャルブレインズというものが何なのか、いまいち掴めなかった。
    これまでの脳科学の形から一歩踏み出して、より俯瞰した視点から脳のはたらきを解明しようとしてるんだな…というざっくりした理解はある。
    でもそれは作中でも語られている通り境界を設定できない問題だから、かなり捉えどころがないように感じられた。
    始まったばかりの研究とはいえ、予想以上に手探り感が頼りなかったかな…。
    とはいえ、社会環境変化に応じた脳機能のしくみを探るのはやはり意義深い試みのように思えるから、これからも頑張ってほしいです。

  • 先に読んだ「拡張する脳」と重なるところの多い本で、本書だけでは面白みが十分伝わらないようにも感じた。

    研究内容の紹介は詳細なほうが断然おもしろいので、関心のある向きには「拡張する脳」がおすすめ。

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著者プロフィール

理化学研究所脳科学総合センター適応知性研究チーム・チームリーダー/適応知性および社会的脳機能解明が研究テーマ

「2014年 『談 no.99』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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