- Amazon.co.jp ・本 (216ページ)
- / ISBN・EAN: 9784062880473
作品紹介・あらすじ
成長か?崩壊か?これからを読む超入門書!市場の特殊性、米中関係、環境問題、地下経済の闇。現状から未来予想まで、データ満載のガイドブック。
感想・レビュー・書評
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結構分量のある本なのに、読み終わって新しく得た情報がほとんどなかったのはある意味すごい。
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中国経済の正体、というタイトルほど煽った内容ではない。経済統計がそのまま信用できないとはいうものの、伸びていることは事実。人民元も実力通りのレートで、米国が主張するような過度に安いわけではない、と冷静に分析。水力発電容量が2億KW弱あり2020年までに3億KWまで伸ばす予定に対し原発は建設中のものを含めても3000万KW程度、このポテンシャルは圧巻だ。
人口ボーナスから人口オーナスへの転換点が2015年に来るということで、一人っ子政策の緩和もあるとのこと。
資源に限りがあるとの視点がどこにもないことが気になった。 -
中国経済について、浅く広く書かれた本という印象。個人的に気になったポイントは下記の通り。
①中国経済が抱えるリスク→資産バブルの崩壊の可能性。一人っ子政策による労働人口の減少。社会主義。
②リーマンショック後、V字回復した理由→消費促進政策の成功。中国の金融機関はあまりサブプライムローンに投資していなかったため、貸し渋りが起きなかった。
③米中関係→だんだん日本が蚊帳のそとの扱いを受けるようになってきている。オバマ大統領の発言「米国は、世界中のどの国より、中国との関係を重視している」
まだまだ謎の多い国だが、これからのビジネスを語るには避けて通れない中国。もう少しテーマを絞って深く書かれている本も読んでみたい。 -
結論から言おう、ほんまでっか!?な内容も含まれた中国経済に関して包括的に分析された入門書だこれは。
著者はBRICs経済研究所のファウンダー兼所長である門倉氏であり、TVをよく見る人ならご存知明石家さんまがMCを務める「ほんまでっか!?TV」にもコメンテーターとして出演しながらも、その公平性を欠く編集や発言機会、オチ要員的な立ち位置に不満を感じ本職への影響も考慮し降板した人物である。
本題に戻ろう。
本書は初版が2010年4月発行と若干古いが中国経済について多面的に分析された内容を網羅しており、私のような中国に関して初心者である人間には非常に理解しやすく解説されている。
また、包括的な内容である為、初心者向けというだけではなくビジネス上の観点や外交上の観点からも解説のみならず、ある程度の活動指針(リスク等)まで提示されている。
昨年度の日中両国間(欧米も)の外交や経済に関する復習とこれからのそれを見る上で、ベースとなる知識を与えてくれる。
個人的に特に気になった箇所を3点取り上げたい。
1点は、中国国内における3Gサービスの大手通信3社の取り扱う通信規格が異なるという点である。
業界
第一位中国移動(チャイナモバイル)は、TD-SCDMA(中国独自規格)方式 5,510千人ユーザ/13,250千人(2009.12)
第二位中国聯通(チャイナユニコム)は、W-CDMA方式方式
第3位中国電信(チャイナテレコム)は、CDMA2000方式
を採用している。
【ほぼ同時期のNTTドコモ 3G携帯ユーザ数 52,045千人】
しかしながら、i-mobileの2010年のアンケート調査では、3Gに関心のあるユーザは
55%がW-CDMA
23%がCDMA2000
22%がTD-SCDMA方式を選ぶとしている。
しかも調査当時で、3G利用者は携帯電話契約者全体のうち2%弱であるという。
もう2点は、中国に限った話ではないが「強制実施権」の発動に関する注意である。
「強制実施権」とはWTOが1995年に発効した貿易関連知的財産権(TRIPs)協定で定めたもので、
特許権を非商業目的で利用するのであれば、現地の政府が自国の企業に、外国企業の承認を得ることなく、その技術
を使用させることができる権利を指す。
ここでは、COP16において新興国に対し厳しい二酸化炭素排出量削減目標が課されることが採択されれば、発動の可能性もあるであろうと
注意を促している。
先日の日経新聞における三菱商事のグリーン投資スキームに関する記事では、CDMに変わる取引としてGISを戦略的に進める旨が記載されていた。環境分野における先進諸国の技術は、これからの経済を支えるパワーとなり得るであろう。
最後の1点は、今後の日本経済の生き残り戦略において、米に頼りすぎることなく今後の中国の真の経済成長曲線(これにもバッファがあると著者は説く)と中国を最終消費地とする分野を見極めながらBRICsのインドやASEAN諸国にも目を向けリスク分散を図る様呼びかけている点だ。
いずれも、近くて遠い巨人中国に関して、非常に理解しやすく興味深い内容となっており面白い。
ええがな。 -
旦那さんの本棚より。
中国本を読んでしまおうシリーズ。
ものすっごい浅く広く感。
いや、そんなに広くなかったかも。
うん…中国についての知識ゼロ!の状態で、最初に読む本、とかならイケるかも…。
そこそこ読んだ後だったから、知ってるコトの寄せ集めっぽくなってしまった。
同じ中国基礎本だったら、私は日経の方が好きかな…? -
一人っ子政策と離婚に関する話が胡散臭い。想像での話でしかないのではないか。
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日本経済だけでなく世界経済が停滞気味のなか、中国経済は成長を持続しているようですが、その中国経済について疑問を投げかける本が散見されます。
その中で、中国経済の将来性を説明した本も読んでみたいと思い、探しているのが現状です。日本が40年ほど前に急成長を遂げていたときにも、公害問題等、多くの問題を抱えていたので、中国の懸念事項ばかり取り上げるのではなく、良い点もしっかりと把握すべきだと思います。
それでも、懸念点が多く指摘されていたと思いました、特に出生率の低下が「一人っ子政策」によるものではいという指摘(p142)は驚きでした。
以下は気になったポイントです。
・中国政府が打ち出した総額4兆元(約53兆円)の景気刺激策の恩恵を受けられるのは、共産党とつながりのある一部の国有企業に限られていて、民間企業は外資系企業は対象外(p13)
・グーグルは2010年3月22日に中国の検索ビジネスから撤退することを決定し、中国語のネット検索サービスは香港経由で行う(p15)
・中国はそれまでの輸出主導の経済成長から、内需主導へと変貌しつつある(p21)
・中国本土の中産階級の数は、2006年時点で約3500万人になる、この定義では年収が7500~2.5万ドルであり、2017年には日本の総人口に匹敵する1億人を突破する予定(p26)
・中国では、まだローンを組んで自動車を購入する習慣が広がっていない(10%程度)ので、ローン金利低下による販売促進効果は少ない(p29)
・中国での車メーカが現在の調子で生産能力を拡大していくと、2012年頃には販売台数を生産台数が大きく上回る状態になる(p31)
・東風日産の店舗網は、沿岸部にある北京・上海等の一級都市ではなく、二級都市(各省の省都)や内陸部の三級都市(中小の309)に集中している(p32)
・家電下郷:農民部の住民が家電製品を購入する場合、販売価格の13%に補助金を就ける制度、の対象となるのは、カラーテレビ、オートバイ等の10品目(p38)
・2009年7月から中国観光客の訪日は、富裕層などに限って個人旅行についてもビザ発行を許可した、年収:25万元(330万円)がひとつの目安(p47)
・1980~1998年までG7のGDPは50%以上を占めていたが、2009年には40%まで低下、2010年2月のG7では共同声明が出されなかった、国際会議の中心はG20へ移行(p71)
・現在のSDRの通貨バスケットは、ドル・ユーロ(各々40%程度)、円、ポンドであるが、2010年末の見直しでは元も組み込まれる予定(p80)
・2010年1月にアメリカは金融規制強化を強める姿勢を示し、商業銀行のヘッジファンド運営やそれへの投資を禁止した(p83)
・現在の人民元レートは、消費者物価で算出した購買力平価と同一である(p90)
・中国やインドが提出した二酸化炭素排出量の削減行動目標はGDPあたりであり、GDPが大きく伸びれば削減目標を達成できる仕組みである(p108)
・中国から出された排ガスが、風に乗って日本まで飛んできて光化学スモッグを引き起こしている可能性あり(p124)
・国民一人ひとりが豊かになる前に、あるいは十分な社会保障システムが整備される前に、国全体が老いていくと中国経済は重大な危機に直面することになる(p139)
・中国では「一人っ子政策」を導入する前から、すでに出生率に低下の兆しが見え始めていた(p142)
・2001年に婚姻法が改正されたことにより、財産分配方法の明確化や証明書の提出義務が不要となり、手続きが簡素化された(p149)
・2007年7月に、妻と夫がともに「一人っ子」である場合には、第二子の出産を認めるという政府見解を示した(p156)
・2006年の貿易黒字1775億ドルのうち70%は虚偽であるという報告もある、自動車販売台数はメーカの自己申告による(p174)
・電力消費と実質GDPが連動するとすると、2009年のGDP成長率は8,7%でなく、4.2%と考えられる(p178)
2010/12/26作成 -
読みたい。
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Google問題で中国市場の異質性が明らかになった。
2010年1月にGoogleが中国でサイバー攻撃を受け、知的財産権を失った。Googleによると、この攻撃には中国政府も関与していると疑っている。
Googleは中国政府に対して、ほか国の市場と同様に中国でも自由なネット検索ができる環境の確保を求めて対立している。
アメリカが対中強硬路線に打って出た背景には、できるだけ国民の不満をやわらげたいというオバマ政権の思惑がある。