知性の限界――不可測性・不確実性・不可知性 (講談社現代新書)

著者 :
  • 講談社
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本棚登録 : 2026
感想 : 165
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  • Amazon.co.jp ・本 (288ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062880480

感想・レビュー・書評

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  • 思索
    哲学

  • シンポジウム形式で語り口は平易だが、内容は難解。



  • mmsn01-

    【要約】


    【ノート】
    ・新書がベスト

  • この本は不可能性定理、不確定性原理、不完全性定理をベースに哲学という視点で現代の事象を解説しようとしている。最終的には知性には限界がないといいたいのだと思う。複雑系、帰納法と演繹法、リスクと不確実性、人間原理、形而上学、ストリング理論。これからは哲学及び人は何のために生きるのかを考えていきたい。

  • 『形而上学者:そうなのですが、彼が科学を発展させるべきだと言っているのは、人類を幸福に導くためではなく、人類があらゆる知識をもって「宇宙的無意識」を「宇宙的意識」に進化させ、宇宙が二度と生命を生みだしたりしないように、絶対的に宇宙そのものを消滅させる方法を見つけるためなのです!

    会社員:わかった!つまり、宇宙自身が自殺するということですね!

    形而上学者:そのとおりです。二度と「存在の悲劇」が繰り返されないように、宇宙を永遠に消滅させるということです。』

    分かりやすく面白い哲学解説書。デフォルメされた議論の参加者の発言が特徴を捉えていてうける。ハルトマン、ファイヤアーベント、ポパー、ロールズの著作はいずれちゃんと読みたいなぁ〜。

  • 93ページの「理論の決定不全生」が良い。
    内容としてはよくある話なのだけど、この対話形式でどんどんと進んでいく感じが他の書にない魅力があって面白い。

  • 本書は知性に関する議論を様々な視点から眺めるにはとても役立つ入り口だと感じました
    様々な議論の導入が概観できるので、次に何を読もうか迷っているときに開きたい本です。

  • 仮想パネルディスカッションはもっといろいろなパターンの作品が作れる気がする。
    母語の違いによって、人間が分かり合うには限界があることがわかり、予測にも思考にも限界があることがわかった。
    限界を認めたくない人の気持ちはわかる。
    けれど、限界を認識していなくては、その限界を超えることもできない。
    最後の、人間が生体ロボットなのではないかという話は興味深かった。

  • 「理性の限界」読了後、居ても立っても居られなくなり、こちらもすぐに読んだ。

    前作とかわらず知己に富んだ、そして多岐に渡る素晴らしい内容。素晴らしい、と称賛しておきながら内容理解度は浅い。
    しかし、それで良いのだ、と思う。
    これは哲学書だと思う。何度も自分の中で噛み砕き理解していかねばならない。


    また手に取ることでしょう。

  • 現代までに研究された結果、判明したさまざまな限界を解説するシリーズ。amazonの評判がよかったので他の2冊と併せて購入した。
    本書では「知性の限界」ということで、①言語の限界、②予測の限界、③思考の限界の三点に焦点をあてて内容は進んでいく。前の書で異彩を放っていたカント主義者は、今回も元気にカントの言葉を用いてすべてを説明しようとしている。
    以下面白かった話を。
    ①言語の限界:指示の不可測性、翻訳の不確定性、理論の決定不全性(データと理論は決定しえない)、観察の理論負荷性(理論と観察の不可分性)、ソーカル事件、ウィトゲンシュタインのパラドックス
    ②予測の限界:帰納法の限界、ヘンペルのパラドックス(「すべてのカラスは黒い」命題の論証)、ニューカムのパラドックス(遡及因果)、ナイトの危険性と不確実性、複雑系と決定論、自己組織化臨界状態、バタフライエフェクト
    ③思考の限界:人間原理(物理定数の「微調整」と「偶然」の考え方)、ファイヤアーベントの知的アナーキズム、神の存在証明、ハルトマンの宇宙的無意識
    言語の限界あたりになると論理学の素養が必要になり、ことによっては「言葉遊び」と捉えかねないので少々注意が必要だと思う。ファイヤアーベントは勉強したいが、幅広い素養が必須となりそう。

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著者プロフィール

國學院大學教授。1959年生まれ。ミシガン大学大学院哲学研究科修了。専門は論理学、科学哲学。著書は『理性の限界』『知性の限界』『感性の限界』『フォン・ノイマンの哲学』『ゲーデルの哲学』『20世紀論争史』『自己分析論』『反オカルト論』『愛の論理学』『東大生の論理』『小林秀雄の哲学』『哲学ディベート』『ノイマン・ゲーデル・チューリング』『科学哲学のすすめ』など、多数。

「2022年 『実践・哲学ディベート』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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