知性の限界――不可測性・不確実性・不可知性 (講談社現代新書)

著者 :
  • 講談社
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レビュー : 151
  • Amazon.co.jp ・本 (288ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062880480

作品紹介・あらすじ

哲学から経済学、宇宙論まで-知の限界と可能性をめぐる深くて楽しい論理ディベート。

感想・レビュー・書評

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  • 『理性の限界』(講談社現代新書)につづく「限界」シリーズ第2弾です。今回は、論理実証主義やウィトゲンシュタインの言語哲学、ポパーやクーン、ファイヤアーベントらの科学哲学、人間原理などのテーマが扱われています。

    本書のテーマは、前巻に比べてある程度前提知識があったためかもしれませんが、前巻ほどの知的刺激は感じられませんでした。それでも、登場人物たちの会話を通じてそれぞれのテーマにおける核心的な内容が巧みに説明されており、前巻同様おもしろく読み進めることができました。

  • 「理性の限界」に続いて、同著者による「知性の限界」を読んでみる。

    「理性の限界」が、社会科学、自然科学、論理学を中心とした議論であったのに対して、こちらは、基本的には哲学の議論、でときどき複雑系、宇宙論、進化論がでてくる感じ。

    中心となる哲学者は、ウィトゲンシュタイン、ファイヤアーベントかな?

    とくると、分かる人には、なんとなく想像がつく内容かな?

    個人的には、「理性の限界」以上に、どこかで読んだ話しが多かった気がする。(ウィトゲンシュタインとか、複雑系とか、宇宙論とかをここ数年かなり読んだので。。。)

    けど、様々な立場の人による架空のディベートという形式をとっているので、多角的に理解出来る感じがして、良かったかな?

    欲を言えば。複雑系や宇宙論に関するところは、もう一ひねり欲しい気もする。

    というのは、無い物ねだりだろうな。

    扱っているテーマの幅広さ、難しさから考えれば、すでに相当のレベルのエンタテイメントを実現していると考えるべきであろう。

    哲学に興味なくても、最近の自然科学がとんでもないところにいっているか文系的に知りたい人には推薦できる。

  • 小学生ぐらいのころ、
    人間はすべてを知ることができたら死滅するんじゃないかと
    心配していたことを思いだした。

    そんな僕の少年時代に差し出したら
    これはさしずめ福音書であっただろう。

    何しろ、様々な面から言って
    すべてを把握することはまず不可能だということだからね。

    それでもこうやってわいわいがやがや
    あなたと話せるなら悪くはない。

  • 「知性の限界」高橋昌一郎


    どんな方法を用いても人間は100メートル走で9秒37の壁は破れない。なぜなら、人の運動能力が身体の物理的、遺伝的性質によって制限されてるから。スタートタイミングの反応時間も0秒1を切る事はできない。

    時間を直線的に遵守するのは、個人主義的なモノクロニックタイム文化圏、時間をより流動的で螺旋状に捉えるのは、集団主義的なポリクロニックタイム文化圏。

    パーティの開始前に到着して待っているのが日本人、開始ちょうどにドアをノックするのがイギリス人、20分遅れるのがフランス人、30分遅れるのがイタリア人、40分遅れるのがスペイン人。1時間後にイラン人、2時間後にポリネシア人で、その頃ようやく自宅から出かける準備を始めるのがメキシコ人。

    形態学的には、火や道具を用いて調理するようになった事から、食物を噛み切る為の強靭な顎が退化し、顔面は平均化して重量化した脳を支える為に頭蓋骨が発達し、首は真っ直ぐになって咽頭が下がり、頬や唇の周辺筋肉が発達する事で豊かな発声が可能になった。この奇跡的な言語の出現を閃光的発現(フルグラチオン)と呼ぶ。

    光は電磁波であり、人間の目で認識できる光線は波長4,000-8,000オングストロームの可視領域にすぎない。赤より長い波長領域は赤外線、ラジオ短波、テレビ長波があり、紫よりも短い波長領域は紫外線、X線、ガンマ線があり、可視領域よりも遥かに広域。

    理論に基づかない観察は存在しない事をハンソンの「観察の理論負荷性」と呼ぶ。

    ある独立的な事象がより多く観察されればされるほど特定の事象の発生する確率が一定値に接近する事を大数の法則と呼ぶ。

    大数の法則を適用して予測可能なのが「危険性」、大数の法則を適用できない為に予測不可能なのが「不確実性」。

    現在の事象が過去の事象を引き起こす考え方は「遡及因果」と呼ぶ。

    宇宙を支配する6つの物理定数
    ・相互作用の核力
    ・原子を結合する電磁気力の強さを原子間に働く重力の強さで割った数
    ・宇宙で重力エネルギーが膨張エネルギーに対してどれだけ大きいかを示す数
    ・宇宙の反重力の強さを示す数
    ・宇宙の銀河や銀河系団の静止質量エネルギーと重力エネルギーの比率を示す数
    ・宇宙の空間次元数

    脳の歴史は、約5億年前のホヤに出現した神経管にあり、魚類両生類爬虫類では脳の大部分を神経管の膨らんだ脳幹が占め、鳥類哺乳類になると小脳と大脳が大きくなり、霊長類で大脳に新皮質が発達して初めて高度な知性が生じる。

    生物の脳は、構造に合わせて設計されたものではなく、新たな機能が継ぎ足されて進化してきた。

  • ディベート形式の内容は最初ちょっと食わず嫌いだったが、読んでみると作者の狙い通りに、知的好奇心を刺激される面白い本だった
    1作目となる理性の限界は未読なので是非読みたい

  • 思索
    哲学

  • シンポジウム形式で語り口は平易だが、内容は難解。



  • mmsn01-

    【要約】


    【ノート】
    ・新書がベスト

  • この本は不可能性定理、不確定性原理、不完全性定理をベースに哲学という視点で現代の事象を解説しようとしている。最終的には知性には限界がないといいたいのだと思う。複雑系、帰納法と演繹法、リスクと不確実性、人間原理、形而上学、ストリング理論。これからは哲学及び人は何のために生きるのかを考えていきたい。

  • 『形而上学者:そうなのですが、彼が科学を発展させるべきだと言っているのは、人類を幸福に導くためではなく、人類があらゆる知識をもって「宇宙的無意識」を「宇宙的意識」に進化させ、宇宙が二度と生命を生みだしたりしないように、絶対的に宇宙そのものを消滅させる方法を見つけるためなのです!

    会社員:わかった!つまり、宇宙自身が自殺するということですね!

    形而上学者:そのとおりです。二度と「存在の悲劇」が繰り返されないように、宇宙を永遠に消滅させるということです。』

    分かりやすく面白い哲学解説書。デフォルメされた議論の参加者の発言が特徴を捉えていてうける。ハルトマン、ファイヤアーベント、ポパー、ロールズの著作はいずれちゃんと読みたいなぁ〜。

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著者プロフィール

1959年大分県生まれ。國學院大學教授。専門は論理学・哲学。ウエスタンミシガン大学数学科および哲学科卒業後、ミシガン大学大学院哲学研究科修了。主要著書は『理性の限界』『知性の限界』『感性の限界』『ゲーデルの哲学』(以上、講談社現代新書)、『東大生の論理』(ちくま新書)、『小林秀雄の哲学』(朝日新書)、『哲学ディベート』(NHKブックス)、『ノイマン・ゲーデル・チューリング』(筑摩選書)、『科学哲学のすすめ』(丸善)など。超自然現象や疑似科学を究明するJAPAN SKEPTICS副会長。

「2018年 『愛の論理学』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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